【山形】日常の風景を探しにいこう/ 蔵王駅
連載
2022.08.06
やまがたのまちを探し歩いて見つけた日常の風景をフィルムで撮りゆくシリーズ。
こんかいは、山形市松原にある蔵王駅です。
このあたりは、小学校から高校までを過ごしていた地元。訪れたのはずいぶんひさしぶりだ。かつては田んぼや古い工場や空き地が多かったはずだけど、いまは様変わりしていて、新しい住宅街ができている。でも、蔵王駅の建物だけは、ほぼ当時のまま。
待合室も、改札口も、ホームへつながる階段も、あまりにも懐かしすぎてかえって新鮮にさえ見えてくる。そうか、こんな感じだったのか。
駅からちょっとだけ離れ、踏切へ。
信号ってこんなカタチだったっけ、と思う。
新幹線がきた。
在来線がきた。
電車が通るときは大きな音がするけど、それ以外は静かすぎるほどに静かで、聞こえるのは唯一鳥の声だけだったりする。
懐かしいけど新鮮で、懐かしいけどどこか寂しい。ここにあるのはそんな時間だった。
photo / Junko