real local 鹿児島【鹿児島県 湧水町】作品を通して出会い新たな作品を - reallocal|移住やローカルまちづくりに興味がある人のためのサイト【インタビュー】

【鹿児島県 湧水町】作品を通して出会い新たな作品を

インタビュー

2022.10.31

雨の日も、風の日も、寒い日も、同じ場所に50年立ち続けたクスノキを
丁寧に手彫り仕上げで、お皿や、スプーン、フォークに

【鹿児島県 湧水町】作品を通して出会い新たな作品を

姶良郡湧水町に工房を構え、クスノキを一つ一つ丁寧に掘り上げ、パン皿や、ワンプレート、オバール型のお皿、カレーパスタ皿を制作しているKIBORIYAの猪俣さん。

作品を、手に取りじっくりとみてみると、同じ木でも、木目の模様や色が少しずつ異なる。
さらに、猪俣さんの彫り方によって、作品の表情が、それぞれ違って見える。世界で一つだけの作品なのだ。

【鹿児島県 湧水町】作品を通して出会い新たな作品を

KIBORIYAの始まり

機織りをされていたお父さん、そして着物を仕立てていたお母さんと、ものづくりの家庭で育った。
幼い頃から、大晦日になると、兄と一緒に庭の手入れや、コンクリートを塗るお手伝いなどしていたという。
そんなこともあって、猪俣さんにとって、“ものづくり“は、身近な存在だった。
特に、木を使ったものづくりが好きで、カントリー家具や、ボックスを作ったこともあるという。

本格的に、木彫りを始めたのは、20年ほど前のこと。
家を建てた際に、車庫に工房を作ったことをきっかけに、サラリーマンをしながら毎日コツコツ、木の器づくりに没頭したそうだ。

【鹿児島県 湧水町】作品を通して出会い新たな作品を

夢中になれる時間

静かな部屋で、木を削る音がリズミカルに響き渡る。
彫り上げたクスノキの木屑からは、木の優しい香りが、ふわっと香ってくる。

木を彫るということは、自分だけの贅沢な時間。生きている木と向き合うことで、まずは木の香りに癒される。

「お皿を使われる方の笑顔を想像して一彫、一彫、一枚一枚と向き合うことで自分の大切で贅沢な時間となり日常となっています。」

【鹿児島県 湧水町】作品を通して出会い新たな作品を

木の魅力

50年山で生きていきた木の物語が刻まれた、木の模様に何より魅力を感じる。
「何年も触ってますが毎日木の香りに癒されています。木は生きているので、一枚一枚表情が違うところも魅力ですね」

作品を通して出会い

【鹿児島県 湧水町】作品を通して出会い新たな作品を

木の作品作りを通して、多くの人との出会いがあったという。
取材に伺ったこの日は、パン教室をされている『homemade Loop US』さんが、お子さんと一緒に遊びに来られていた!

なんと、できたのパンを作って迎えてくださったのだ。

猪俣さんが作られた甘い餡子と、ふわふわのパンに、上からぱらりと乗せた塩加減が絶品だ。

【鹿児島県 湧水町】作品を通して出会い新たな作品を

homemade Loop USさんとの出会いも、人と人との繋がりだそうだ。

今は、パンづくりを教えていただきながら、小麦作りも始められたという。

パン窯を作る計画もされているということで、猪俣さんの表情から楽しみだということが伝わってくる。

さらに、朝4時に起きて、物産館にお餅や、あくまきも出されている。
亡くなったお母さんが、出されていたことから、レシピを引き継いでいるそうだ。

「うちの母は、レシピをしっかりと記録して残していなかったんです。でも、不思議なことに、おしゃべり好きな母が、『醤油は、大さじ2〜』と、言っていた言葉をかき集めて作ることができたんです。」

物産館に出す商品づくり、お米づくり、お父さんのお手伝いと、毎日忙しく過ごす猪俣さん。
そんな毎日を、「すごく楽しい」と、くしゃっとした笑顔で話してくださる。こちらまで、なんだか力が湧いてくる笑顔だ。

【鹿児島県 湧水町】作品を通して出会い新たな作品を

きっと、多くの方が猪俣さんのお人柄に惹かれてやってくるのではないだろうか。

初めは、木彫りの器を作ることが、楽しみであったが、作品を通して喜んでくれる人がいる。使ってくれる方のニーズに応えることができると、とても嬉しい。

そして、いろんな人との出会いで、楽しい話をすることで新しいことが生まれる。

筆者も、猪俣さんの温かい作品、そして、今後どんな楽しい取り組みをされるのか、楽しみでしょうがない。

屋号

KIBORIYA

URL

instagram:kiboriya