【鹿児島県 日置市】人を幸せにする接客 / Café and Bar ~About~ バーテンダー坂元洋一さん
インタビュー
嬉しいことがあったとき。悲しいことがあったとき。久しぶりに友人と会うとき。
大人たちは、食と酒に癒しを求める。私たちの気持ちを見抜いたかのように考えていることを形にしてくれるバーテンダー。
日置市伊集院町の通りを進むとモダンなウッド調の建物が見えてくる。
今回は、Café and Bar ~About~のバーテンダー坂元洋一さんにお話を伺った。
店内に入ると、落ち着いた雰囲気で木目調のカウンター。
座り心地のいいロッキングチェアに座ると、目の前の棚には、日置市のお酒から海外のなかなか出会うことのできないお酒までずらりと並んでいる。
バーテンダーの道
坂元さんが、バーテンダーという道へ進むことを決めたのは大学時代。
なんと、Café and Bar ~About~でアルバイトをしていたことが始まりだ。
「当時からお酒が好きということもありましたが、何よりも、「お酒と食」で人が喜ぶ姿に魅力を感じました。20代の頃は、鹿児島のありとあらゆるバーを巡って色んなバーデンダーの方とお話をし、見て学ばせていただきました。」
そんな坂元さんが思うバーテンダーとは、お客様が考えていることをスッとできること。
「まずは、お客さまの、手元を見て、目を見て雰囲気を見ます。他にも、一緒にこられた方との関係性や、どんな気持ちなのかお客さまを見ます。」
その情報を基に、バーテンダーは、希望のお酒を作っていく。
お酒には、①本来のレシピ、②お店のレシピ、③その人のレシピが存在する。
バーテンダーは、その人にあったレシピを作っていくのだ。それは、美味しいお酒だけでない。
例えば、飲みすぎてしまったお客さまがいたら、絶妙なタイミングで水をお出しするという細やかな気遣いをすることも。
「え!なんで分かったの?ちょうど飲みたかったんだよね〜」と、喜ばれることが嬉しいとお話しされる坂元さん。
私たちは、お酒を飲むときに、嫌なことを忘れたい時、疲れを飛ばしたい時、色んな状況がある。
美味しいお酒はもちろんだが、相手のためを想う心遣いはどんなものよりも癒されるのではないだろうか。
取材をしながら、実際に坂元さんお酒を作っていただいた。
まずは、角切りの大きな氷を包丁で巧みにカットし、素早い手捌きで、丸い形にする。
ずっと氷を持っていると、冷たいはずだが、これも修行を終えたバーテンダーだからこそできる至難の業だ。ツヤツヤの丸い氷を見ると、あまりの美しさに息を飲む。
お酒を入れ、素早くシェイカーを振っていく。スピードも段々と早くなり、終わりにつれて、ゆっくりと変化する。
混ざりやすい液体と、混ざりにくい液体とではタイミングやスピードも異なるということで、常に頭の中で、中の様子を描いているという。
ひとつひとつの動きが、滑らかで芸術のようだ。
そして、完成したのが、「ブルームーン」
日置市にある西酒造の「尽」と、「パルフェタムール」という匂いすみれのお酒、さらに金箔を浮かべると、グラスが星で、散りばめられた夜空のようだ。
実は、この金箔は、オリジナルのレシピだという。
さらに、「ブルームーン」には、「できない相談」という意味合いもある。
例えば、異性とカクテルを飲んだ時に、「ブルームーン」を飲むとそれは、お断りのサインともされていたそう。
ミステリアスでエレガントな雰囲気を纏う「ブルームーン」、気になるお味ですが、
口に入れた瞬間は、すっきりとしていて飲みすい。段々と、すみれの甘さが追ってくれる大人な味。
そして、次に作っていただいたカクテルがこちら「アレキサンダー」
りんごが丸ごとついているブランデーに、カカオのリキュールと、牛乳と生クリームでムース状に。さらに、その上から、キャラメルソースをかけて完成。
ムース状で、舌触りがまろやかで、カカオのリキュールが、チョコレートを連想する甘さを楽しむことができる。
また、カクテルを作っていただき、お話をしていると、自然と取材以外の会話も弾んだ。
きっと、お客さんも坂元さんに、いろんな相談をしにやってくるのではないだろうか。
2つのカクテルを作っていただき、お話を伺うと、やはりどちらも基本のレシピから、その人にあったアレンジを加えているという。
はじめて来たお客さん、いつも来てくれる常連さん、自分に合った、自分だけの一杯が日々の頑張りや、嬉しさ、悲しさを癒してくれる。
ピザやサラダ、一品料理など、美味しい食事と一緒に幸せになってもらいたい。
今後も、坂元さんは、「食×人×酒」に携わり、多くの人を幸せにしてくのではないだろうか。
屋号 | Café and Bar ~About~ |
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住所 | 鹿児島県日置市伊集院町下谷口1828−1(MAP) |
備考 | 電話番号:099-272-0706 instagram:about_ijuin |