【リレーコラムvol.3】街の魅力を見つけるヒントを求めて「こおりやま街の学校(まちがく)」編集部メンバーも参加中!
連載
郡山の魅力ってなんだろう?そもそも街の魅力ってどうやって見つけるんだろう?」そんな疑問を持って参加した「こおりやま街の学校2022」。約4ヶ月にわたるセミナーやチームプロジェクトでの学びを振り返ります!
街の魅力を語れなかった悔しさから「まちがく」に参加
「郡山って何もないよね」
関東に住んでいた妹から言われたこの一言に対し、僕は郡山の魅力について何も語れず、悔しかったのを覚えています。その出来事をきっかけに、「もっと自分の住む街と関わって、魅力を見つけたい」と思うようになりました。
そんなときに、地域との関わり方や街づくりについて学べる「こおりやま街の学校」(以下、まちがく)の存在を知り、思いきって参加することにしました。
今年の「まちがく」は食・アート・音楽の3つのテーマに分かれて行うチームプロジェクトや、その発表の場である「まちがくまつり」の開催など、初の試みが盛りだくさん。新たな学びや出会いを求めてセミナー、チームプロジェクト、部活、まちがくまつり、すべてのプログラムに参加する「とことんコース」を僕は選びました。
チームプロジェクトのテーマとして選択したのは「食」。10代から60代、幅広い世代の人が集まり、プロジェクトがスタートしました。
わくわくを原動力に街と関わる
僕自身、チームを率いてプロジェクトを形にした経験は一度もなかったため、リーダーになるとは全く考えていなかったのですが、メンバーに背中を押され、リーダーを務めることに。
プロジェクト内容を決めるため、まず事務局から与えられたトークテーマは、「どんなときにわくわくするか」。イベントはお客さんに楽しんでもらうことが大切なのに、なぜ自分たちのわくわくを考えるのだろうと、はじめは疑問に思っていました。
しかしセミナーを通して、全国各地で街づくりに取り組む講師の方々はみな、わくわくを原動力にして活動を続けていることがわかると、街と関わる上で「自分がどんなときにわくわくするのか」を考えることの重要性を実感することができました。
次に「まちがく」事務局から与えられたお題は、”食”というワードから何を思い浮かべるか。発酵食品や郡山ブランド野菜など、食文化の豊かな福島ならではのワードが多くでるなか、チームとして目をつけたのは郡山の鯉食文化でした。
現在は食生活の変化などを理由に、あまり食べる機会がなくなっている鯉。そんな鯉に馴染みのない方でも、気軽に鯉を味わえるものをつくろう!とチームで意見が一致しました。
しかし、鯉に関する知識がほとんどなかったため、郡山で鯉の養殖業を営む方や鯉に関する情報発信をしている市職員の方にインタビューを実施。郡山における鯉食の歴史や文化などをはじめ、どんな調理方法が合うかについて教えていただきました。
お聞きしたことをもとにメンバーと何度も話し合った結果、子どもから大人まで食べられる鯉を使ったハンバーガーをつくることに決定。
街の魅力は自分たちでつくることもできる
プロジェクトの内容を決めるまでは順調に進んだものの、何をどんな手順で進めていけばわからない……リーダーとしての役目を果たせない自分にイライラし、わくわくの感情がなくなった僕は、「なんでもっと主体的にプロジェクトに関わってくれないんだ」とメンバーにモヤモヤした気持ちをぶつけてしまったことも何度かありました。
振り返ると、率先して主体的に取り組まなければならない自分が、受動的になってしまっていました。
そんなときに、プロジェクトを前へ進めるヒントをくれたのは、いくつものプロジェクトを形にしてきた講師の方々の経験談とアドバイスでした。そのなかで、僕が実践したのは以下の3つです。
・話し合いを大切にした上で雑談も大切にする
・プロジェクトを自分ごと化してもらうために、役割をはっきりさせる
・1人に仕事が集中しすぎてないか気を配る
すると、何をどんな手順で進めていけばわからず流れが停滞していたプロジェクトが一気に前進。メンバーそれぞれが仕事や子育ての合間をぬっての準備はとても大変でしたが、無事に「まちがくまつり」当日を迎えることができました。
会場には予想を超える数のお客さんが来てくださり、プロジェクトは大成功。街の魅力を見つけるヒントを求めて参加した「まちがく」で、思いもよらず街の新たな魅力になりうるものをつくることができ、驚きと同時に達成感でいっぱいになりました。
当日の様子は「まちがく」の公式サイトにレポートが掲載されているので、ぜひご覧ください!
【「まちがくまつり」開催レポートはこちら】
街の魅力を見つけるために、主体的にわくわくしていきたい
約4ヶ月間「まちがく」の本校生として過ごし、多くの学びがあったものの、「郡山の魅力って何?」と聞かれたら正直、街の魅力を胸を張って語ることは今でもできません。しかし、以前に比べ暮らしのなかで、「これ面白いかも!」と心が動く瞬間が増えたのは確かです。
なぜそのような変化が生まれたのか。改めて考えると「まちがく」を通して「主体的に街と関わること」と、「自分がどんなことにわくわくするのかを知ること」の大切さを学ぶことができたからだと思います。
身の回りのものごとを自分ごと化せず受動的に暮らしていれば、街づくりの鍵になる地域の課題は見えてきません。そして自分がどんなことにわくわくするのかを知らなければ、身近にある街の魅力に気づくことができません。
今年の「まちがく」が終了した今、僕は常に「何か面白いものないかな?」と自分のわくわくセンサーを全開で生活するように心がけています。いつか、胸を張って郡山の魅力を語れるようになるために。
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名称 | こおりやま街の学校 |
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