【山形】日常の風景を探しにいこう/七日町、花小路
連載
2023.01.14
やまがたのまちを探し歩いて見つけた日常の風景をフィルムで撮りゆくシリーズ。
こんかいは、白昼の山形市七日町界隈。
きょうは七日町をゆく。
長源寺通り、花小路…。ひとの気配もかなりまばらな昼間の飲み屋街をゆっくり探検してみる。至るところ目につくのは古い書体の文字たち。新しい看板には決して漂わせることのできないレトロで独特な味わいが滲みでているそれらを、まるでひとつひとつ集めるように歩いていく。
文字づらだけでなく名前そのものがユニークなものも多く、賑やかであったであろう時代の愛嬌みたいなものを感じさせる。
花小路の奥へと迷い込んだ先にたどり着いた洋館のような建物は、「むかしは偉い人たちが来るようなお店だったのよ」と店先で水やりをしている女性が教えてくれた。けれどいったいなんのお店だったのか、いちばん肝心なところは聞きそびれた。
この探検をしたのは、2022年8月のこと。
下の写真もそのときに撮ったもの。かつてシネマ旭があった十字路に立っているビルの看板。
そして2023年1月、このビルも看板ももうすでに失われてしまった。ここにこの景色はもういまはない。図らずも、記録写真となった。