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山形県寒河江市・移住者インタビュー /鍼灸整骨院院長 山口友也さん

インタビュー

2023.04.10

移住者インタビューシリーズ。今回のゲストは、鍼灸整骨院・院長の山口友也さん(31)です。高校まで山形県寒河江市で育ち、大学入学のため上京。2022年にUターンし、地元である寒河江で、念願の鍼灸整骨院をオープンしました。

山口さんがこの道を志したのは、高校時代。野球部の練習中に負った怪我を治療してもらった先生との出会いがきっかけでした。「こんなカッコいいプロの治療家になりたい!」と、卒業後は迷わず医療系の大学に進学。専門学校でさらなる技術を身に付け、東京都内の整骨院などに10年以上勤めました。これまでに施術したお客様の数はなんと10万人以上。確かな実績と経験を積み上げてきました。

そんな山口さんが、開業の場所に「寒河江」を選んだ理由とは何だったのでしょうか? そこには改めて見えたこのまちの魅力、そしてプロをやる気にさせるこの土地ならではの「強み」がありました。

山形県寒河江市・移住者インタビュー /鍼灸整骨院院長 山口友也さん
寒河江市育ちの山口さん。2022年にUターンし、念願の「うぃず鍼灸整骨院」をオープン。10年で培った技術を要に、今ある痛みを取るだけでなく、体を根本から改善していくことを目指す。

14年間の思いを胸に
故郷・寒河江で念願の開業!

30代には開業したいという思いがありました。経験を積んできた関東で開業してもいいかなと思ったこともありましたが、やはり地元・寒河江でやりたいという思いが強かったですね。元々教員や食育指導をやっていた母が定年を迎えるタイミングで、2人で何かしようかという話になり、寒河江で開業することに決めました。

寒河江は果物や野菜が美味しいし、人が優しい。母も私も大好きなまちです。仕事を通じてそんな魅力を発信できればいいなと思いました。

山形県寒河江市・移住者インタビュー /鍼灸整骨院院長 山口友也さん
Uターンしてからの休日は「ドライブにたまにいきます。休みの日は神社に行くことも。南陽市の熊野大社が好きです。」

そもそも、この道を目指したのは高校生の頃です。野球部のハードな練習中に両足肉離れを起こしてしまい、歩くのもきつい状態に。そんなとき訪れた整骨院の先生が、とても話しやすい方でした。痛い部分だけを触れるのではなく、全体的に調整をしてくれて、そのときシンプルに「この仕事がしたい」と思いました。人柄とそしてなによりテクニックに「すごい!」と子どもなりに感銘を受けたことをよく覚えています。

山形県寒河江市・移住者インタビュー /鍼灸整骨院院長 山口友也さん
物件探しは引越し前から。すぐ近くには人気の産直センターや温泉、公園もある場所。「ここならお客様がいつもとちょっと違った新鮮な気持ちになれそう」とピンときた。
山形県寒河江市・移住者インタビュー /鍼灸整骨院院長 山口友也さん
広々としたエントランスには、託児スペース(写真右側)もある。

健康長寿県・山形
寒河江を発信したい

オープンにあたり準備しているとき、山形県や寒河江市の健康寿命のデータを見たんです。全国的な人の平均寿命はだいたい80歳、それに対し健康寿命は70歳と言われています。その間の10年間は、ベッドで寝たきりになり、機能的な面で不自由になりがちな期間です。そんな期間が全国平均でおよそ10年間あるのに対し、寒河江市ではわずか2年間しかありませんでした。そう、寒河江は健康寿命が長い「健康長寿地域」なんです。これを知ったとき、「健康と美」を寒河江から全国に発信できたら面白そうだなと思いました。

実際にこの場所で開業してからは、施術に来ていただく方の印象として、関東の方と比べて健康への意識が高い方が多いなと実感しています。健康志向が高い方、ヨガや習い事のほか、なにかしらの活動をしている方が関東と比べると多いですね。

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私たちは、単に今の痛みを取るだけでなく、根本からの改善を目指しています。次にまた痛みが出るかもしれないというリスクを減らしていくためには、そこから一歩踏み込んでお客様と共に学ぶ、教育が必要です。
その点で、関東の方は今の痛みが取れればOK、自分では「忙しくて」と、結局できないまま根本改善がしにくい方が多かったんです。でも寒河江では「4年、10年後も健康でいたい」と、先を見据えてなんとかしたいという前向きな方が多いので、やりがいがありますね。

山形県寒河江市・移住者インタビュー /鍼灸整骨院院長 山口友也さん
国家資格である「柔道整復師」のほか、鍼灸師、あん摩指圧マッサージ師などの資格を持つ山口さん。「学びに終わりはありません。プロ意識を高く持ち、多くの方の力になれるようこれからも頑張ります。」

母やスタッフとともに
地域に喜ばれるサービスを展開

現在は母が代表を務め、施術スタッフが私を含めて3人います。当院では、鍼灸整骨院事業のほかに、エステサロン事業があり、さらに最近では新たに食育の事業も開始しました。
食育事業は代表(母)の担当です。代表は、山形に拠点を置くバレーボールチーム「パイオニアレッドウイングス」の栄養トレーナーをしていた経歴があり、その経験を生かして子どもの発育に対する食育や健康経営に関する食育をテーマに、学校や企業で講演活動を展開していく予定です。

さらに代表は小中高校や特別支援学校で食育の担当をしていた経験もあるので、子どもに対する対応に信頼を置いています。施術中のお子様の対応、例えばお子様連れの方や、産後のケアの方のお子様を対応してもらっていて、とても助かっていますし、お客様からも好評をいただいています。

少し前からは、施術後の改善度チェックにAIを導入しています。当院では姿勢の改善や調整も行い、施術後に改善具合を見るのですが、私たちの視点+αとして、写真を撮りAIが測定し、点数が算出されるというものです。

山形県寒河江市・移住者インタビュー /鍼灸整骨院院長 山口友也さん
施術後にホッと一息つけるサービスのハーブティーも人気。

「健康と美」を
寒河江のブランドに!

今後は、あまり知られてない「山形県=健康寿命大国」という強みを更に広げていきたいと思っています。県外から寒河江や山形に来てもらったときに「この地域の人たちは、健康に対する意識が高いね!」と言われるような、地域のひとつのブランドとして出せていけたらいいなと。「健康と美」をこの地域の強みとして、寒河江から積極的に発信していきたいと思います。

お客様の体に触れて、なぜ怪我をしてしまうのかを見ると、体が歪んでいたり、いろいろな原因が複雑に絡み合っているんです。怪我を治すことを入り口に、次に怪我をしにくい体にしましょうと取り組んでいきます。そして結果的に解剖学的な動き・機能が伸びる、つまりそれが寿命が延びるということだと思いますので、そんなことを発信していきたいですね。

山形県寒河江市・移住者インタビュー /鍼灸整骨院院長 山口友也さん

名称:うぃず鍼灸整骨院
URL:https://www.with-sagae.net/
住所:山形県寒河江市寒河江久保11 ホテルシンフォニーアネックス敷地内

 

取材・文:高村陽子
撮影:渡辺然(Strobelight)