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藤沢市辻堂に。「YAMA COFFEE ROASTER」店主の考える店づくりとは

地域のお店

2023.04.28

湘南・藤沢市の辻堂駅北口に、2020年11月にオープンした、自家焙煎コーヒー豆を提供する「YAMA COFFEE ROASTER(ヤマコーヒーロースター)」。ご自身が住んでみて心地よいと思ったという辻堂のまち。そこに店を構えた店主・山下さんにお話を伺いました。

藤沢市辻堂に。「YAMA COFFEE ROASTER」店主の考える店づくりとは
4軒連棟の建物に、「YAMA COFFEE ROASTER」はあります

湘南エリアの藤沢市。その中でも辻堂駅前は近年駅前再開発が盛んで、駅前に大型商業施設がありかつ自然にも近いことから都内からの移住者も多いまちです。そんな辻堂駅北口から徒歩12分の、4軒連棟のレトロな建物が「YAMA COFFEE ROASTER」がある建物です。近隣にはマンションや戸建の住宅、小さな商店とスーパーやクリニックなどがあり、生活のしやすさを重視したようなところで、近所に住む私もよく通るところです。ある日なにやら工事がはじまり、この住宅街に何ができるのだろう?処方箋薬局か、接骨院なのかな?とありきたりな予測をしながら、完成するのを待っていました。オープンした店は、シンプルでスタイリッシュな内装がとても素敵で、ドキドキしたのを覚えています。

藤沢市辻堂に。「YAMA COFFEE ROASTER」店主の考える店づくりとは
店主の山下さん。焙煎からカフェのメニュー作成まで一人でこなします

「YAMA COFFEE ROASTER」の店主・山下さんは九州のご出身で、辻堂には12年前に移住してきたそう。辻堂はとても住みやすく、すっかりまちを気に入ってしまい、昔からの夢だったカフェもこの土地でやってみたい、と思ったそうです。
さっそくカフェをやるための物件を探しはじめた山下さん。辻堂だけでは物件が少ないかもと、初めは隣の茅ヶ崎駅や藤沢駅前でも物件を探していたそうですが、なかなか良い物件に出会えず。また、カフェをやるなら自家焙煎のコーヒー豆の販売も行いたいと思っていたこともあって、焙煎機を入れるとなるとオーナーさんの許可がおりなかったりと苦戦したそうですが、運よく今の物件のオーナーさんとご縁があり、この地に店を構えることができました。

藤沢市辻堂に。「YAMA COFFEE ROASTER」店主の考える店づくりとは
カウンターには季節の花を。この時は、春なのでチューリップ

店内には自家焙煎コーヒー豆の販売スペースと、カウンター4席のカフェスペースがあります。ご夫婦で相談しながら決めたという内装やインテリアはシンプルで落ち着いた雰囲気。季節の花が置かれたカウンター、木のぬくもりを感じる什器のセレクト、焙煎機も設置されているキッチンはオープンな造りで、気軽にお客さまと山下さんが話せるような、そんな距離感も心地がいいです。「YAMA COFFEE ROASTER」では店主の山下さんが、コーヒー豆の焙煎から、接客、カフェメニューの調理・提供などすべて一人でされていて、週末の忙しい時やSNSは奥さまが手伝っているそう。

山下さんはもともとカフェで仕事をしていたわけではなく、店を始める前は普通のサラリーマンだったそう。いつか自分の店を持ちたい、カフェをやってみたいという気持ちから、セミナーと独学で焙煎の技術を身に着けたそうです。「焙煎機は気温などにも左右されるので、扱いについては日々試行錯誤をし、ベストな豆を提供するようにしています。」と山下さん。

藤沢市辻堂に。「YAMA COFFEE ROASTER」店主の考える店づくりとは
コーヒー豆のタグは手書きで

山下さん自身は深煎り好きということもあり、当初店の豆のラインナップは深煎り~中煎りの豆のみでしたが、お客さまからのリクエストで最近は浅煎りも置くようにしたそうです。店頭の豆の種類は産地の旬に合わせて変えるので、1カ月毎くらいで提供する豆が何種か変わります。これが常連の方にも好評で、いつものお気に入りの豆を求めてくるお客さまも、たまには新しいものを選んでみたり。山下さんのコーヒーへのこだわりが、新しい出会いも運んでくれます。

自分の好みが分からないコーヒー初心者でも、山下さんが丁寧にアドバイスをしてくれるので心強いです。ブラックコーヒーがいいのか、ミルクや砂糖を使うのか。どんなシーンで飲みたいのか。自宅での抽出の方法など、細かくヒアリングして好みの豆との出会いを後押ししてくれます。かくいう私にも、試飲を交えて丁寧に説明してくださり、いまでは私もすっかりコーヒー好きに。気が付けば定期的に豆を買いに来るようになりました。

藤沢市辻堂に。「YAMA COFFEE ROASTER」店主の考える店づくりとは
焼きあがったばかりのパン。奥は焙煎機

店内のカフェスペースもとても心地いい空間です。コーヒーカップ選びには、コーヒーをより美味しく飲むための山下さんの工夫が光ります。飲み口が薄くすっと口の中にコーヒーが滑り込んでくるようなカップは、イイホシユミコさんのもの。「口当たりもコーヒーの味を左右するので」という山下さんのコーヒー愛が感じられます。

藤沢市辻堂に。「YAMA COFFEE ROASTER」店主の考える店づくりとは
飲み口が薄くすっと口の中に入ってきます

カフェメニューの焼き菓子やトーストも、山下さんが店内で焼いています。「ひとりで全て作るので、なかなかたくさんはできないのですが」と、山下さんは苦笑い。取材の日は目の前でちょうど山形食パンが焼き上がり、ふんわりした見た目と香りについ「美味しそう!」と思ってしまいました。食パンの焼き上がりは、SNSで発信されるようにしているということなので、チェックしてみては。

藤沢市辻堂に。「YAMA COFFEE ROASTER」店主の考える店づくりとは
カフェスペースは4席カウンターのみで、居心地がいい

山下さんが店を構える辻堂駅の北口には、昔からの商店街があるのですが、近年では駅前の再開発に押されて、古くからあった小さな工場がなくなったり、店が移転することも多いそうです。「昔からの店があって、後からできた若い人達が経営する店があったりして、お互いに協力して盛り上げるような、商店街の中で買い回りができる仕組みがあるといいなと思います。店同士が協力してスタンプラリーなどを取り入れている商店街もあったりして、いつかやってみたいなと思っています」と山下さん。

実際に住み、店をやっているからこそ、商店街の活性化やまちづくりに対してなにかできるのではないかと強く思うこともあるそうです。店には、近所のマンションの方がフラッと買いに来ることもあれば、子供を連れて少し遠くから自転車で来る方、散歩ついでの常連さんなどいろいろなお客さまが訪れるそう。お客さまとはコーヒーの話だけでなく、何気ない日常の話や、ご近所のこと、近くの店の情報交換などで盛り上がります。また、店のInstagramでは、自分の店の情報以外にも、近所の店や地域のイベントを紹介していて、そうした活動は「まちを知ってもらいたい、まちの魅力を共有したい」という想いの表れなのだと感じます。

藤沢市辻堂に。「YAMA COFFEE ROASTER」店主の考える店づくりとは
お客さまのお嬢さんが手書きロゴを書いてくれたというバッグも販売

自分がやりたい、こだわっていることに真摯に、忠実に。かつ、お客さまの意見や、まちとの関係性も考えながら柔軟に店づくりをする山下さん。辻堂への愛に溢れる店主・山下さんに会いに、そしてこだわりのコーヒー豆と至福の一杯を味わいに来てみませんか。

藤沢市辻堂に。「YAMA COFFEE ROASTER」店主の考える店づくりとは
自家焙煎のコーヒー豆。山下さんと相談しながら購入することもできます
名称

YAMA COFFEE ROASTER(ヤマコーヒーロースター)

業種

コーヒー豆の販売・カフェ

URL

https://yamacoffeeroaster.com/

住所

神奈川県藤沢市羽鳥2-1-21 1-A

TEL

0466-51-4285

営業時間

10:00 ~ 18:00

定休日

月曜日、第2 、4 火曜日

アクセス

JR東海道本線「辻堂」駅徒歩12分

備考

臨時休業などは、店のInstagramよりご確認ください

https://www.instagram.com/yamacoffeeroaster/