山形おいしい山盛り旅 vol.2/「丸源」の「トリプル」
連載
山形に移住して2年が経ちました。
移住してよかったことのひとつは、まちがいなく、「美味しいものがたくさんあること」。旬の野菜も果物も美味しいし、蕎麦やラーメンも美味しいし、ワインや日本酒も美味しいし、空気も美味しい。美味しいものがたくさんあるから、以前よりたくさん食べるようになりました。
そんな私が山形のおいしい山盛りごはんとのさらなる出会いを求めて町へ出かけます。
山形に来てからすっかり麺の日が多くなりましたが、白いごはんを思う存分食べたい日もあります。
そんな日は「丸源のトリプル」を食べに行きます。「丸源」は七日町にある焼肉屋さんで、「トリプル」は「庄内豚ランチ トリプル焼」のことです。庄内豚ランチは、普通/ダブル/トリプルから量が選べて、ナムル/お新香/ワカメスープ/食後のコーヒーがセットになっています。ごはん大盛りやおかわりは無料でできます。
はじめてトリプルを食べたとき、庄内豚の美味しさに密かに感動し、それから幾度となく通っています。柔らかくて、甘いけどさっぱりしていて、ほどよい脂感。育ちの良い上質な豚であることをひしひしと感じます。バランスが良く飽きない味なので、トリプルでもペロリと食べられてしまいます。むしろまだまだ食べたいと思わせてくるので、飽きることなく毎回トリプルなのです。
豚肉なのでしっかり火は通しますが、ギリギリを狙って引き上げた時も、網の跡がしっかり黒く残るくらいカリッと焼いた時も、どちらもそれぞれに良さがあり、「味変」的な感覚で「焼き変」をして、違ったおいしさをかわるがわる楽しんでいます。ナムルやワカメスープもはっきりした味つけで、ごま油のかおりとともに、ごはんをどんどん進めてくれます。
ごはんは普通盛りだとかなり節米をしなければならないので大盛りがおすすめです。柔らかめに炊かれているため、肉やタレとよく絡みます。ナイス炊き具合です。
以前、おかわりできることを知らずに少しずつごはんを食べていたら、店員さんがおもむろにやってきて「おかわりできるよ…」と教えてくれました。それ以来、安心してたくさんお米をいただいています。
キビキビとした店員さんたちが手際よく準備や片付けをしてくれることや食後のコーヒーをタイミングよくスッと出してくれるのもいいなぁと思います。
お店やお料理の端々から、飾らない丁寧な仕事を感じます。
そんな焼肉屋さんが自分の住む町にあるのは幸せだなと感じるのです。