【EVENT REPORT】〈Q1〉1周年記念イベント「グランマルシェ」オープニングトークショー

イベントレポート

2023.10.06

2023年9月1日（キューイチの日）、〈やまがたクリエイティブシティセンターQ1〉は、開館1周年を迎えました。そこで今回は、9月1日から3日間にわたり開催されたイベント「グランマルシェ」のオープニングを飾った山形市長・佐藤孝弘氏、Q1ディレクター・深井聡一郎氏、Q1代表取締役・馬場正尊氏によるトークショーを振り返ります。

【EVENT REPORT】〈Q1〉1周年記念イベント「グランマルシェ」オープニングトークショー

写真提供：株式会社Q1

グランマルシェオープニングトークショー
「創造都市やまがた未来の風景を探す」

〈やまがたクリエイティブシティセンターQ1〉は、山形市本町にある山形市立第一小学校旧校舎をリノベーションした施設です。“創造都市やまがた”の拠点として誕生して1年。今年5月には来館者が10万人を達成しました。１周年を記念した「グランマルシェ」では、ユネスコ創造都市ネットワークが掲げる７つのクリエイティブ分野（文学・音楽・デザイン・メディアアート・クラフト&フォークアート・映画・食文化）を軸に、さまざまなプログラムやマルシェといったイベントが開催されました。

ここではどのような人たちによって、どのようなことが行われ、何が生まれているのか。そして、私たちはこれからどのような風景を探そうとしているのか。「グランマルシェ」のオープニングを飾るトークショーでは、当イベントのテーマである「ROOTS&Technique（＝源流と技術）」をキーワードに、特別ゲストの佐藤山形市長、Q1ディレクターの深井氏、Q1代表の馬場氏の3名によるディスカッションが行われました。

写真提供：株式会社Q1

冒頭では、ユネスコ創造都市ネットワークへの加盟認定の経緯やエピソードやQ1のはじまりについて、佐藤市長より改めてお話いただきました。さらには、市民の皆さんから世代を超えて認知されつつあるモニュメントについて、この１年のあいだで定期開催してきた「Q市マルシェ」を中心としたイベントや、遊びを通じて子どもたちのしなやかな感性を育む「PlayQ」などの取り組みを中心に、これまでのさまざまなコンテンツを振り返りました。

その中で個人的に印象的だったのは、Q1の前身である小学校の初代入学生だという101歳（当時）の女性のお話（話の元であるQ1公式Instagramの投稿はこちら）。新たな形へと姿を変えても、この場所にはさまざまな歴史が宿り、市民の愛着が託されているのだということを強く感じました。

写真提供：株式会社Q1

後半では、現在の山形市中心市街地にはさまざまな個人店が増加傾向にあり、“100年に1度の大変革期”を迎えているというお話がありました。スポットとしての観光地ではなく、“歩くほど幸せになるまち”ということで、人が歩くことで活性化し健康になっていく、市民にとっても街にとってもウェルビーイングな状態を目指す街づくりを視野に入れているという点が印象に残りました。

最後に、３名の方々がそれぞれに「僕らには何ができるだろう？何をやっていこうか？」という問いを立てられていたのは、Q1という場だからこそ意義があるようにも感じました。
山形には素晴らしい源流（=Roots）があり、それらを継承しながら、技術（＝Technique）によって、世の中に伝えていくということ。それぞれのもの・ことに宿っている物語を大切にしていきたい。山形にはまだまだ知られていない魅力がたくさんあるはず。だからこそ、まずは源流をとらえ直すところから始めていきたい。そんなふうに、力強く前向きな言葉がありました。ひとつの活動体のようでもあるQ1。2年目もどのように変化していくのか楽しみです。