山形おいしい山盛り旅 vol.6 /「天國」の「天丼」(ごはん大盛り)
連載
山形に移住して2年が経ちました。
移住してよかったことのひとつは、まちがいなく、「美味しいものがたくさんあること」。旬の野菜も果物も美味しいし、蕎麦やラーメンも美味しいし、ワインや日本酒も美味しいし、空気も美味しい。美味しいものがたくさんあるから、以前よりたくさん食べるようになりました。
そんな私が山形のおいしい山盛りごはんとのさらなる出会いを求めて町へ出かけます。
今回は七日町にある「天國(てんくに)」へ行ってきました。
天丼、天ぷら定食、それからお刺身もおいしい天ぷら屋さんです。
お昼どきの天國の前はいつも揚げ油の香ばしい匂いが立ち込めていて、
この日もそんな匂いに誘われてお店に吸い込まれたのでした。
吸い込まれた勢いそのままに、天丼をごはん大盛りでいただきます。
甘辛いタレが染み込んだ、サクッというよりはふわっとした食感の天ぷら。
濃すぎずちょうど良いタレにごま油の風味、そしてふわりと具材を覆う衣。
親しみやすい、きどらないおいしさを感じる天丼です。
その時々の食材の天ぷらで、この日は、えび、いか、まいたけ、きす、ピーマン。
どれから食べようか迷う時間も至福の時間です。
それからお米もすごくおいしい。
粒立ちのいいごはんがタレの染みた天ぷらとよく合います。
ごはんにもタレがたっぷりかかっているので、ごはんは大盛りがうれしい量です。
お米は「はえぬき」を使っているそうです。
ふかふかの衣をまとった天ぷらが美しく盛られた丼を前にすると、少しずつ大切に食べたい気持ちになります。
もりもり勢いよく食べる山盛りも楽しいし、こうしてじっくり食べながら満たされていくようなごはんも好きです。
食べ終わったどんぶりを眺めながら、やっぱり今日はここで正解だったな〜と思います。
町へ出かける楽しみは、こうして何かに誘われて、おいしいごはんと出会うことだと確信した、昼下がりなのでした。