【福井市】新栄商店街探訪 アイルランドの文化を広めていきたいーアイリッシュバー・アイリッシュリカー「Shelbourne」
連載
新栄商店街には個性的なお店が立ち並んでいます。一体、どんなお店があるのでしょうか?real local 福井では、実際に訪れて店主さんの声を聞いてみることにしました。
今回訪れたのは「Shelbourne」(シェルボーン)です。シェルボーンはアイルランド出身のロブさんと、新潟出身の優美(ゆみ)さんご夫婦が営むアイリッシュバー及びアイリッシュウィスキー専門店です。優美さんにお話しを伺いました。
新栄商店街の動きについてはこちら↓↓↓
・新栄商店街のこれまでとこれから
https://www.reallocal.jp/105651
・新栄商店街を陰ながら支えて
https://www.reallocal.jp/106379
【目次】
・シェルボーンを始めるまで
・お店を始めて福井の人たちと交流できた
・進化するシェルボーン。第4章のスタート!
シェルボーンを始めるまで
立ち飲みスタイルのアイリッシュバーシェルボーンは、新栄テラスの斜め前。目の前にはクラフトビール専門店、隣は古着屋さんが並ぶ場所に位置します。天気の良い週末は昼間から英語圏文化を持つ人たちが多く集い、ここは海外の街角かと思うような光景が広がることも。
筆者も休日の昼間、ちょっと飲みたいなと思ったときにふらっと立ち寄らせてもらっています。車の通行がなく、子連れで行っても誰かが遊んでくれるので大変ありがたい場所です。
私が優美さんご夫妻と出会ったのはまだシェルボーンがテントでとあるイベント出店をしていた2019年でした。シェルボーンをはじめるきっかけは何だったのでしょう。
「音楽フェスなどの野外イベントが好きで、二人でよく出かけていたんです。その時にロブが『こういうイベントにアイリッシュバーが出てたらすごくいい!』と言って。ロブの実家が元々シェルボーンというパブ(レストラン&バー&宿泊)を幼少期に営んでいたのもバックボーンにあったと思いますね。でも二人とも当時は会社員で飲食業とは全く別の仕事をしていました」。
優美さんはエステ業界で東京を拠点にバリバリ働いていました。ロブさんは2010年に来日。アイルランドでは家具のデザイナーをしていましたが、日本に来てからはALT(Assistant Language Teacherの略:外国語指導助手)として福井で学校教育に携わっていました。
2016年、二人は優美さんが転勤で金沢に来た時に出会います。時期は違えど、お互いワーキングホリデーでニュージーランドへ行っていた共通点もあり意気投合。様々なタイミングが重なり、2017年春に優美さんが福井に引っ越しました。
「ロブの実家に行くことになり、丁度いい機会だからと病院の検査を受けたら私に病気が見つかって。すぐに手術ができる場所が東京にも私の実家の近くにもなくて、たまたま福井にあった。私の親はロブがいたから本当に良かったって。だからもう福井は来るべくして来たんだなと思います」。
二人の歩みから福井へ来るまでの(そして来てからも!)出来事やスピード感にただ驚くばかり。そして優美さんの決断力に脱帽です。
お店を始めて福井の人たちと交流できた
ロブさんのアイリッシュバーをやりたいという一言からはじまったシェルボーン。2019年1月に飲食店(露天)の許可を取り、テントで週末のイベント出店からスタート。2019年12月には飲食店(移動店舗)の許可を取り、キッチンカーで色々なイベントに向かうようになります。ほぼ同時期に出産育児もスタートしているので、パワフル!としか言いようがありません。
「まずは週末のイベント出店でコーヒーやアイリッシュコーヒー(※アイリッシュウイスキーを入れたホットカクテル。温まって美味しい!)、ギネスビールなどを出しました。キッチンカーでの営業を始めた直後にコロナ禍になってしまって。予定されていたイベントが次々になくなってしまった。そこから実店舗を営業することに舵を切りました」。
2021年5月末に新栄商店街の今の場所でアイリッシュバーシェルボーンをオープンします。
「きっかけは新栄テラスで新栄ビアパークにテントで出店したことですね。その時に新栄テラスに面した場所がいいなとロブが思ったことから空き店舗を探しました。今の場所は元は服屋さんだったそうです」。
ロブさんの発案力と、優美さんの行動力。お二人それぞれの持つ力が大きな相乗効果をもたらしているように感じます。
「実はシェルボーンを始めるまで福井の人と全然交流がなかったんです。職場の人たちは仕事が終われば車ですぐ帰ってしまう。そして一人で飲もうにも秋吉以外に行く場所がなかった笑。だから全然楽しくなかったんです。
実店舗になってから、キッチンカー時代からのお客様もいるけれど、イベントには居ない人たちが来てくれて、より福井の人たちと関わりを持てるようになりました。それがとても楽しいです」。
進化するシェルボーン。第4章のスタート!
2023年5月優美さんは一般酒類小売免許証(※酒屋を開くのに必要な酒販免許)を取得します。酒販免許は煩雑な手続きなども含め、取得するのが大変難しいとされています。本当にすごい!
「この免許を取るのに5年かかりました。二人とも会社を辞めて、今はアイリッシュバーと酒屋(輸入卸、通信販売、小売業)の2軸でやっています。テントが第1章、そして第2章がキッチンカー、第3章で店舗そしてこの体制でシェルボーンの第4章に突入したところです」。
優美さんのこのスピード感と実行力は一体どこから湧き出てくるのでしょうか。
「私、集中力はあるんだけど、本当は飽きやすくて笑。だからとりあえず思いついたことをやってみることにしています。やってみてだめだったらやめればいい。いやだなと思っていたことも、やってみるとよかったことありますしね」。
まず考えるよりすぐに行動する。話を聞いているとそれに尽きると思いました。
「新栄にある実店舗は契約の課題はあるけれど、できれば駅から近くて天気に左右されないこの場所に残していきたいと思っています。あとはアイリッシュバーやりたい人を増やしてシェルボーンをフランチャイズ展開していきたいですね!そして同時にアイルランドの文化を広めていきたい。セントパトリックスデーやハロウィンもそうですね」。
大きな笑顔で話して下さる優美さん。新章に入ったシェルボーン、これからの動向に目が離せません。まだ行ったことないという人はぜひ、この機会にお店を覗いてみてください。ここに来ればまだ知らない文化圏の方たちとコミュニケーションが取れるかもしれませんよ。
次も新栄商店街のお店を引き続き紹介していきます。どうぞお楽しみに!
屋号 | Shelbourne(シェルボーン) |
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URL | |
住所 | 福井市中央1丁目16-2アロハズドリームズビル |