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【連載】山形のぶどうとワインに恋焦がれ vol.3

連載

2024.04.05

2012年4月、東京から山形にUターン。「井の中の蛙になりたくない!」そんな思いで山形を出て、10年ぶりに山形に戻ってみると、そこは面白い人と面白いコトがたくさんある場所だった。そして、今、私はワイナリーの広報営業として、日々、ぶどうとワインと愉快な仲間たちに囲まれ生きている。そんな広報営業の畑とワイナリーの日常を、季節のお便りとしてお届けします。

ワインでつながる輪。
全国各地の様々なワイナリーが広島県福山市に集結

【連載】山形のぶどうとワインに恋焦がれ vol.3
3.17に広島県福山市で開催されたWWW.japan with music。真ん中が主催の「福山わいん工房」の古川さん

全国的にも暖かくなってきた今日この頃ですが、3月からはイベントが盛りだくさん!!本当に毎週のように各地でイベントが開催され、私たちもあっちやこっちやと参加してまいりました。今回ご紹介するのは、3月17日に広島県福山市で開催された「WWW.japan with music」。「WWW」は「World Wine Wedge」の略。日本ワインと音楽をテーマとし、福山のまちにワインを楽しみ親しむ文化を定着させるための楔を打つイベントだそうです。「福山わいん工房」さんが中心となり、全国各地のワイナリーさん、そして広島県内の美味しいお料理、素敵な音楽が集結しました。

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(右)いつもお世話になっている広島市の「nikutama広島」のオーナー石原さんと隣で出店。

今回で2回目の「WWW.japan with music」でしたが、今回はいつもグレープリパブリックのワインを広島と東京蒲田のお店で提供してくれている「NIKUTAMA」さんがお隣で出店。

「NIKUTAMA」さんは、グレープリパブリックのワインをSNSでたくさん紹介してくれており、私も何度かメッセージのやり取りをさせていただいていたので、初めてという感じもせず、ワインとお料理、共通の知人の話で盛り上がり・・・。こうやって、遠く離れた広島でも私たちの想いを汲んで、ワインを紹介してくれている方々がいてくれることが本当に嬉しく。「あ~広島来てよかった~」と、しみじみ実感。

そして、こちらのイベントはみんなで助け合おう精神が非常に強く、初めて会った方々ばかりなのに、イベントの最初から最後まで協力し合いながらイベントを運営していました。イベントに参加するのは1日だけですが、企画、調整、集客、運営、片付けと長期間の様々な準備が必要で、主催者の皆様には本当に毎回感謝でいっぱいです。今回、最後にみんなでグラス約600脚を洗って拭き終えた後の達成感たるや・・・言葉にしがたいものでした。雨の中ご参加いただいた皆様、そして何から何までお世話になった福山わいん工房の古川さんご夫妻、ご一緒させていただいた皆様、ありがとうございました!!

ここ50年で1番乾燥したヴィンテージ
ニュージーランドでの栽培醸造。

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美しいソーヴィニヨン・ブランの垣根畑。今年のぶどうは病気も少なく、健康で糖度は高く、酸もしっかり残っている。

さてさて、3月はニュージーランドへの栽培醸造研修。アドバイザーであるアレックスのワイナリー「Alex Craighead Wines (Kindeli)」にスタッフが行き、現地のぶどうを使ってワインを醸造してきます。今年は醸造責任者の矢野と醸造チーフの小野、そして栽培チーフの関谷が参戦。約1か月間もの間、南半球にて奮闘してきました。2024ビンテージのグレープリパブリックのコラボレーションワインは、ピノ・ノワール50%、ピノグリ50%のライトな赤。そして、白はソーヴィニヨン・ブランの樽発酵を醸造。

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(左)ピノ・ノワール  (真ん中)ぶどうを運ぶ小野と関谷  (右)コラボワインのピノ・グリを踏んでスキンコンタクトを施す矢野   ※スキンコンタクトとは、しばらく果皮を果汁に浸漬させ、果皮からの成分抽出を行うこと

今年のぶどうは健康で糖度は高く、酸もかなり残っており、アレックスのお父さんが言うにはここ50年で1番乾燥したヴィンテージになったとのことでした。今年は、去年もご一緒させて頂いた福岡県「SHINDO WINES」の阪本さん、バルセロナのナチュラルワインの聖地「Bar Brutal」で働いていたソムリエなどすでにアレックスの元での醸造経験がある人達との収穫醸造。皆、プロフェッショナルなメンバーのため、刺激や気づきがたくさんありました。来年の今ごろ、このコラボレーションワインは輸入予定ですのでお楽しみに!

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(左)「SHINDO WINES」の阪本さん  (真ん中)収穫してきたぶどうを徐梗している様子 (右)発酵中のぶどうを搾汁したジュース

感光性を上げ、
品質の高いぶどうづくりをするための誘引作業

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(左)デラウェアの枝  (真ん中)誘引作業をしている遠藤  (右)南陽市地域おこし協力隊の田中

所変わって、今年は雪が少ない山形県南陽市。いつもは4月に行う誘引作業を今年は3月から開始。誘引とは、ぶどう棚にぶどうの枝を結束する作業のことで、枝管理作業の一つです。ぶどう枝の勢いの調整や樹形を調整するために行い、葉の感光性を上げます。これにより、品質の高いぶどうができます。12月に行う剪定、そしてこの誘引作業がぶどうの収量と質を大きく左右するため、畑作業の中でも非常に重要な作業の一つです。

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(左)雪が全くないぶどう畑  (真ん中)畑に出てきたふきのとう  (右)ふきのとうとデラフレスカ2023

そして、この時期の楽しみは、やっぱり山菜。山菜とグレープリパブリックのワインはとてもよく合います。今の時期ですと、ふきのとうの天ぷらとデラウェアのフレッシュなワイン「デラフレスカ2023」のペアリングがオススメ。ほろ苦い山菜とデラウェアのほのかな苦み、そして天ぷらの油とすっきりとしたワインの酸が心地よいです。是非お試しくださいね!それでは来月もお楽しみに♪

■福山わいん工房
http://www.enivrant.co.jp/vindefukuyama/

■nikutama(にくたま)広島
https://www.instagram.com/nikutama_yokogawa_hiroshima/

■Alex Craighead Wines (Kindeli)
https://www.alexcraighead.co.nz/

■SHINDO WINES
https://www.instagram.com/sakamoto_shindowines/