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原木なめこ・原木かのか茸・原木ひら茸の水煮缶詰/やまがた手土産016

地域の連載

2024.05.20

今回お持ちしましたのは、原木キノコ水煮缶詰のシリーズです。「なめこ」「かのか茸」「ひら茸」とあります。

原木なめこ・原木かのか茸・原木ひら茸の水煮缶詰/やまがた手土産016

ながく昭和の時代から受け継がれてきたのであろうか…という印象を勝手にこちらに抱かせてしまうような雰囲気の商品パッケージから情報を読み取りますと、これらはすべて山形県西川町で採れたキノコたちで、同町の加工所にてつくられたもののようです。

西川町というのは、山形県の真ん中に位置するまち。出羽三山のひとつである月山(がっさん)という山があり、古くから霊山として多くの人に知られておりますし、実にまちの面積の95%が山地であるというほど山、山、山のエリアです。

冬はひじょうに雪深く、春には山菜の恵みがもたらされ、秋にはキノコたちにも恵まれます。ここでは、巡りくる季節の変化はとても鮮烈です。命のざわめきがすごいのです。植物たちは芽生えては、生い繁り、やがて萎み、また芽生える。ここに生きる人々の暮らしや食卓は今もなお、そんな季節の流れや命のざわめきとともにあるのです。

さて、キノコ缶詰です。

「原木かのか茸」の商品パッケージ裏面には、こんな言葉が記されております。

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秋の風味として皆様にしたしまれておりますかのかは東北地方のブナ帯に産する茸です。外見真白で一種独特な味は広く皆様に御満足を戴いております。調理方法はねぎ味噌あえをはじめ、すき焼、肉鍋、油いため、汁の具等多用でしかもいかなる調理をしても味をそこねる事の無い貴重な茸です。
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また、「原木ひら茸」の裏面はこうです。

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秋の風味として親しまれている、ひら茸は朝日連峰の原生林に産する茸です。調理法は、煮物によく、すき焼きの具にも良、油炒め等また、ワサビ醤油での酒のつまみにも最適です。
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ぜひ、皆様、この山々の秋の季節を閉じ込めたようなこのキノコ・シリーズ、手にとってみてください。ちなみに筆者はまだ缶詰を開けておりません。この記事を書いたのちに、自宅で缶を開け、なにか料理してみたいと思います(プルタブなども付いてないので、缶切りで開けていく缶タイプです)。

最後に。

このシリーズの心憎いのはなんと言っても「原木(げんぼく)」を謳っていることではないでしょうか。

山形の人たちは、キノコの味を知っています。秋にもなれば、おいしいキノコを求めます。舞茸ひとつとっても、菌床で養殖された舞茸よりも「原木」のものを求めます。さらにこだわる人であれば「天然」ものを手に入れようと必死かもしれません。

本物のキノコの味わいは、山の季節そのものであり、山の香りそのもの。さて、このキノコ・シリーズはわたしたちにどんな出会いを与えてくれるのでしょうか。

※このキノコ缶詰には、山形市のローカル・スーパー「エンドー」で出会いました。

原木なめこ・原木かのか茸・原木ひら茸の水煮缶詰/やまがた手土産016
エンドーさんの売り場にて。2024年5月。