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【連載】山形のぶどうとワインに恋焦がれ vol.6

連載

2024.07.11

2012年4月、東京から山形にUターン。「井の中の蛙になりたくない!」そんな思いで山形を出て、10年ぶりに山形に戻ってみると、そこは面白い人と面白いコトがたくさんある場所だった。そして、今、私はワイナリーの広報営業として、日々、ぶどうとワインと愉快な仲間たちに囲まれ生きている。そんな広報営業の畑とワイナリーの日常を、季節のお便りとしてお届けします。

実りはじめたデラウェア。
いよいよ来月から収穫を開始

【連載】山形のぶどうとワインに恋焦がれ vol.6
ワイナリーから200mほどのところにある「アオキ」という畑。この時期のデラウェアは、まだ色づきがなく、硬く酸っぱい。

畑ではついにぶどうが実り始めました。この時期のぶどうはまだまだ固く、食べられるものではありません。この時期大切な作業が「新梢誘引」です。3月にも誘引をしていましたが、またこの時期新しく伸びてきた枝をテープで固定しながら、均等に葉が光合成できるように整えていきます。

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デラウェアの新梢誘引中の「エンドゥ」こと遠藤。たわわに実り始めたぶどうと枝を適切な位置に移動しながら固定していく。
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岡山県から移住してきたなっちゃんと、先月から研修に来ているフランス人のマーティンもテキパキと作業を進める。

この「アオキ」という名付けられた0.3haほどの畑は棚仕立てで、デラウェアとシャインマスカットを育てています。この畑では、以前の農家さんが設置してくれた棚をそのまま使用しており、棚の高さは低く、中腰になりながらの作業が永遠と続くため、なかなかの肉体労働。畑は傾斜もあるため、身長の高い男性陣は特に作業がしにくい畑でもあります。

畑作業は、来月末の収穫までに水やりや草刈り、誘引とやることは盛りだくさん。収穫期までにどこまで作業を進められるかで、ぶどうの収量も大きく変わってくるため、天気予報とにらめっこしながら、毎日作業工程の段取りを組むのも非常に重要な仕事です。来月末には収穫ボランティアを募集しますので、是非この可愛いデラウェアたちの収穫にいらしてくださいね。

山形市Q1で開催されたワインナイト。
今年は置賜、村山から4つのワイナリーが参戦。

【連載】山形のぶどうとワインに恋焦がれ vol.6
外はイルミネーションが飾られ、幻想的な空間でワインとお料理を楽しめる。(写真提供:株式会社Q1)

昨年初めて開催し大好評だったため、今年も開催したQ1のワインナイト。Q1と七日町の3つの飲食店が中心となり、今年も6月28日(木)にリピート開催されました。山形市七日町にあるピッツァとワインのお店「フラム」さん、そして昨年OPENして話題のイタリアン「ソノイソノ」さん、十日町にある「Cafe&Dining 990」さんがメインのお料理を担当。ワインに合う美味しいお料理を準備してくれました。

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メインキッチンでは、「フラム」「ソノイソノ」「990」のシェフとスタッフの皆さんがお料理を準備。(写真提供:株式会社Q1)
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今回4つのワイナリーが準備したワインに合うお料理を各店舗でご用意してくれました。(写真提供:株式会社Q1)

そして、昨年は3つのワイナリーの出店でしたが、今年は4つに増加。今年はベルウッドヴィンヤードの鈴木さん、グレープリパブリックの矢野に加え、新たに上山市の「アグリクール」の片寄さん、そして高畠町の「NOB’sFields」の武田さんご夫妻に参加していただきました。

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岡山の「domaine tetta」で栽培兼醸造責任者をしていた片寄さん。現在は上山に移住してワイナリー建設予定。(写真提供:株式会社Q1)
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左から「NOB’sFields」の武田夫妻、ベルウッドヴィンヤードの鈴木さん、グレープリパブリックの矢野。

昨年は予想を遥かに上回るお客様がいらっしゃったので、今回はオペレーションを何度も見直し、極力お客様にスムーズにワインとお料理を提供できるように段取りしました。このワインナイトはとにかく若い方がたくさん!!「こんなに若い方々がワインを楽しんでくれるんだ!!」と私たちも元気をいただけました。もちろん反省点もありましたが、お客様からもたくさんのお喜びの声と来年もという声がありましたので、また来年さらにパワーアップして、開催できればと思います。ご参加いただいた皆様、Q1の皆様、飲食店の皆様、そしてワイナリーの皆さん、本当にありがとうございました。

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最後はみんなで集合写真!ライトの関係で鈴木さんがやけに神々しい(笑)!来年も皆様、お願いいたします!

6月はALEX来日。
ALEXも驚きの開墾地のぶどうたち。

6月頭は、ニュージーランドからアドバイザーのアレックス(アレックスクレイグヘッド氏)が来てくれました。前回2月に来たときはワインのブレンドを決めに来てくれましたが、今回は畑のアドバイスです。最初は、5年前に開墾したワイナリー裏の1ha弱の垣根畑の視察。この畑には5種類の醸造用のぶどうが植えられており、昨年は今年の収量を増やすために房を落としましたが、今年は収穫できるように仕立てています。この畑から1.2トンほど収穫できるのではと見込んでいます。

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ワイナリー裏の垣根畑。ガメイ、サンジョベーゼ、ネッビオーロ、メルロー、アルバリーニョの5種が植えられている。

畑をぐるぐる回りながら、一つ一つのぶどうの仕立て方についてのアドバイスをいただきます。5つのぶどうの中でも、特に、メルローとサンジョベーゼの状態がよく、アレックスも「移植した苗木でこんなにしっかりと実るのか」と驚いていました(笑)。

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誘引の仕方や仕立て方を一つ一つアドバイス。6月頭のため、ぶどうの花が満開でした。

次回アレックスが来るのは、10月の収穫醸造も終盤のころ。果たして、2024年ビンテージのぶどうとワインはどうなることやら・・・。そして、私はそろそろ今年の収穫期の賄いづくりに向けて、またパスタの練習とレシピを考え始めたいと思います。来月には、収穫ボランティアの概要もSNSで告知予定ですので、是非チェックしてくださいね。それでは暑い夏が始まりますが、皆様、ご自愛くださいませ!今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

やまがたクリエイティブシティセンターQ1
ピッツァとワインのお店 フラム
イタリア料理 ソノイソノ
Cafe&Dining 990
アグリクール
ベルウッドヴィンヤード
NOB’sFields
Alex Craighead Wines