【連載】山形のぶどうとワインに恋焦がれ　vol.7

連載

2024.08.19

2012年4月、東京から山形にUターン。「井の中の蛙になりたくない！」そんな思いで山形を出て、10年ぶりに山形に戻ってみると、そこは面白い人と面白いコトがたくさんある場所だった。そして、今、私はワイナリーの広報営業として、日々、ぶどうとワインと愉快な仲間たちに囲まれ生きている。そんな広報営業の畑とワイナリーの日常を、季節のお便りとしてお届けします。

収穫醸造前のボトリング（瓶詰）ラッシュ。
ワイナリー内のタンクや樽、アンフォラ（素焼きの壺）を空っぽに。

醸造チーフの小野くん。昨年収穫したぶどうの「メルロー2023」を瓶詰中。

今月から始まる収穫醸造期間に向けて、ワイナリーではボトリング（瓶詰）ラッシュが続きます。ワイナリー内にあるタンクや樽、アンフォラを空っぽにしないと今年の収穫したぶどうを醸造することができないため、7月8月は瓶詰作業で大忙し。冬の間はスパークリングワインの瓶詰がメインであり、春以降はスティルワイン（非発泡性ワイン）の瓶詰を行います。

コルクの打栓をしているなっちゃん（左）、瓶詰された「メルロー2023」（真ん中）。

ボトリング作業は、役割分担をしながら6人から7人の人員で行います。パッキングされた空き瓶を解体していく人、空き瓶を洗う人、瓶をセッティングし瓶詰する人、コルクの打栓をする人、瓶を拭く人、瓶をパレットに並べていく人です。私たちのワインは酸化防止剤を使用せず、瓶詰は酸化のリスクがあるため緊張感のある時間。機械が故障することもあるため、とにかく事前に徹底して準備を行い、スムーズに瓶詰が終わるように段取りします。8月のお盆まで残り約1万本。無事に瓶詰が終わって、収穫醸造期間を迎えられますように。

仙台市で開催されたバル仙台2024。
東北のワインと東北の食材を使った料理。

7月の３連休は仙台市の勾当台公園で開催されたバル仙台2024に参加してきました。南陽市の結城酒店代表の結城さんと一緒に自社ワインと南陽ワインの売り込み。今回は新作2種類を含むグラスワインの提供とボトルワインの試飲販売を行いました。ここでの人気は先月リリースされた「ヌメロドゥエ2022」。自園の有機栽培のぶどう4種を使ったこちらのワインは香水のような妖艶な香りもありつつ、スペイン品種のアルバリーニョの酸が心地よい夏にぴったりの白ワイン。

南陽市の結城酒店代表の結城さんと醸造責任者の矢野（左写真）、グラス提供されたワイン4種。

あいにくの雨模様でしたが、ワイン好きがたくさん集まり、朝から夜まで大賑わいの1日でした。仙台市でも山形や南陽のワインを楽しんでいただく機会をつくっていただけて、結城さんには本当に感謝です。まだまだ仙台ではグレープリパブリックを知らない方もたくさんいらっしゃったので、もっともっと認知度を上げていかないとと決意をした日でもありました。

いよいよ今月開始の収穫。
畑では副梢整理、笠かけ、摘粒、摘房、草抜き、水やりと最後の仕上げ。

畑は収穫前の総仕上げ。副梢整理、笠かけ、摘粒、摘房、草抜き、水やりと、収穫までの限られた日程の中で、ぶどうの質がよくなるように手をかけていきます。今年の４月5月は雨が全然降りませんでしたが、7月中は雨が多く降り、少なからずぶどうも影響を受けています。ぶどうが病気にならずに収穫期間を迎えられるように、7月はぶどう一房一房に傘をかけて雨を防いだり、摘房をして、ぶどう全体に栄養がいきわたるようにしました。

ワイナリーの裏にある垣根畑。ワイナリーがある新田地区は標高が450mあり、風がよく吹くためぶどうが病気になりにくい。

副梢整理をしているエンドゥ。葉がたくさん茂っているため、重なっている葉を取り除きながら通気性がよくなるようにする。

いよいよ今月の20日頃からは収穫を開始します。今年も収穫ボランティアを募集しますので、ご興味ある皆さん、是非南陽までお手伝いにいらしてくださいね！自分たちで収穫したぶどうで造ったワインは、より一層の美味しさを味わえます。詳細はインスタグラムやFACEBOOKでご覧ください！それでは来月もお楽しみに。