real local 山形【連載】山形のぶどうとワインに恋焦がれ vol.8 - reallocal|移住やローカルまちづくりに興味がある人のためのサイト【地域情報】

【連載】山形のぶどうとワインに恋焦がれ vol.8

連載

2024.09.03

2012年4月、東京から山形にUターン。「井の中の蛙になりたくない!」そんな思いで山形を出て、10年ぶりに山形に戻ってみると、そこは面白い人と面白いコトがたくさんある場所だった。そして、今、私はワイナリーの広報営業として、日々、ぶどうとワインと愉快な仲間たちに囲まれ生きている。そんな広報営業の畑とワイナリーの日常を、季節のお便りとしてお届けします。

いよいよ収穫開始!! ぶどうの収穫もワインの醸造も大事だけど、私はひたすら賄いづくり!

【連載】山形のぶどうとワインに恋焦がれ vol.8
初日はキーマカレー。いつも辛すぎると言われるので、チリペッパーはちょっとだけ(笑)。

いよいよ収穫が始まりましたー!!!待ちに待った(?)収穫は、ワイナリーが1年で1番活気があり、盛り上がる時期です。全国各地、はたや海外からもこの収穫期のためにメンバーが集結し、いろんな言語が飛び交っております。さて、そんな時期になると、私は広報営業から、「賄いおばさん」という担当に代わりまして、毎日ひたすらみんなのお昼ご飯を作ります。もともと、料理は嫌いではないけど、得意ではない!というか苦手!!しかも20人30人前という未知の数字で、最初は滝汗をかきながら毎日料理していました。そんな賄い歴も今年で3年目!ということで、今年は少し余裕をもって料理したいという決意で、今期は始まりました。

【連載】山形のぶどうとワインに恋焦がれ vol.8
とにかくオリーブオイルと塩、パスタ、トマト缶があれば何とかなる!という食品のストックたち。

まずは、会社にある調味料や食料品のチェックから。ここには載せていない危険なものもたくさんあったので、ゴミ箱にバイバイし、とりあえず使えそうなものをステイ。そこから足りない調味料やお米など保存の効くものを購入し、事前準備はOK?

【連載】山形のぶどうとワインに恋焦がれ vol.8
カオマンガイになりきらなかった料理(左)、結構辛いアラビアータ(真ん中)、困った時のトマトパスタ(右)

私たちのワインは、添加物を使用しない自然なワイン造りを大事にしています、と謳っているので、モチのロンで料理にも添加物は使用しません(笑)。というか、これは醸造責任者のこだわりです。私の料理スキルではちょっと旨味が足りないかもしれませんが、今年は食材の旨味を最大限引き出せるよう、食材と会話ができるようになることが目標です。

いきなり暑かったのに、いきなり夜温が低くなり、
ちょうどいい塩梅のぶどうたち。

【連載】山形のぶどうとワインに恋焦がれ vol.8
たわわに実ったデラウェア。糖度は18度から20度。ワイン用のぶどうは種ありで栽培している。

さて、昨年2023年はとても暑いヴィンテージで、ぶどうが熟しすぎてしまい、酸が落ちてしまったのが反省点でした。そこで、今年は酸が落ちないように、早めの収穫と熟したぶどうの収穫でワインの酸のバランスを調整していきます。今年の醸造のテーマは「適熟と酸のバランス」とのことです。

【連載】山形のぶどうとワインに恋焦がれ vol.8
収穫初日の様子。この日はまだワイナリーワークがないため、全員で収穫。初日はまだみんな元気である。

今年も暑いヴィンテージかと思いきや、お盆の暑い日々が過ぎると、夜温は低くなってきました。そのため、ぶどうの成熟は穏やかに進み、ほどよい酸を保ちながら、ぶどうが熟してきました。ワイン用のぶどうにとっては、これくらい冷涼な気候の方が、酸落ちせずに収穫ができるため適しています。

【連載】山形のぶどうとワインに恋焦がれ vol.8
収穫してきたぶどうは「除梗機(じょこうき)」という機械で、ぶどうの実と茎に分けられる。
【連載】山形のぶどうとワインに恋焦がれ vol.8
除梗したぶどうは醸し(ぶどうの実とワインを漬け込む)たり、そのまま搾汁して発酵させたりと様々。

私たちは培養酵母を使用せず、ワイナリーや畑にある野生酵母を使ってワインづくりを行うため、最初の発酵は非常に緊張を伴います。もし発酵が始まらなかったらどうしようとドキドキしながら、ぶどうたちを見守っていましたが、今年も無事に発酵が始まりました。ときには酵母の元気が良すぎて、タンクからワインが吹くこともあります。いかに酵母たちが気持ちよく活動できるようにするか、その補助をするのが私たちの役目なので、酵母やぶどうたちと会話をしながら、お世話をしているそうです(醸造責任者曰く)。今年のワインはどんな味わいのヴィンテージになるか、今から楽しみです。

鎌倉にOPEN!グレリパワインに合う料理を出すグレリパのレストラン「GRAPEREPUBLICINC. VINERIA SALONE」。

さてさてさて、8月8日は、鎌倉にグレープリパブリックのレストランをOPENしました!私もOPEN翌日には、お店に潜入。取材対応ということで、ゆっくりランチを食べようかと思っていましたが、スタッフが少ないため、急遽バーカウンターで接客。

【連載】山形のぶどうとワインに恋焦がれ vol.8
鎌倉駅から徒歩5分。窓がたくさんある開放的な店がまえ。手前にはBar&SHOP、奥にレストランが併設されている。
【連載】山形のぶどうとワインに恋焦がれ vol.8
ワインセラーの前で支配人の日高さん、私、シェフの栗ちゃん(左)。チームヴィネリアのみなさん(右)

店名の「VINERIA 」とはイタリア語でワイン(VINO)とオステリア(Osteria=居酒屋)を合わせた言葉。醸造責任者の矢野がイタリアで働いていたとき大好きだった、気軽にワインと食事を楽しむスタイルのお店です。シェフの栗山氏は、グレリパが大好きで、プライベートでもわざわざ何度も東京から山形にやってくるほどの変人(笑)。グレリパをこよなく愛する男がグレリパのワインに合うために考え抜いたお料理を提供していますので、是非一度足をお運びくださいね!
それではあっという間に9月も終わってしまいそうですが、南陽では収穫ボランティアを絶賛募集し、鎌倉ではグレリパワインと美味しいお料理を準備してお待ちしておりまーす!!ということで、今月もグレープリパブリックをよろしくお願いいたします!

【連載】山形のぶどうとワインに恋焦がれ vol.8
収穫ボランティアの皆さんと収穫後の記念ショット。

■GRAPEREPUBLICINC. VINERIA SALONE
〒248-0006 神奈川県鎌倉市小町2-6-28 TEL 0467-55-8295
https://vineria.grape-republic.com/

■収穫ボランティア申込フォーム