real local 鹿児島【鹿児島県日置市】「であう」と「つくる」の交差点が生み出す新しい日常の彩り/ 日日nova - reallocal|移住やローカルまちづくりに興味がある人のためのサイト【宿・拠点】

【鹿児島県日置市】「であう」と「つくる」の交差点が生み出す新しい日常の彩り/ 日日nova

地域の情報

2024.09.09

“「であう」と「つくる」の交差点”をコンセプトに様々なスペースを通じてウェルビーイング&ウェルワーキングをカタチにしている『日日nova』は今年の6月でオープンしてから1周年が経ちました。それに伴い、運営を担う『LR株式会社』の山下卓寛さんと森満誠也さんに今までの変遷を、スペース利用をしている皆さんからは利用した感触を聞きながら、日日novaの魅力や可能性などについて教えてもらいました。

【鹿児島県日置市】「であう」と「つくる」の交差点が生み出す新しい日常の彩り/ 日日nova
日日nova HPより 日日novaのコンセプト

日常の中で、新しい出会いや価値が生まれる場所に

まずはオープンに至る経緯から。

廃校となった旧日吉小学校(以前は旧日置小学校)の所有者である『小正醸造株式会社』と日置市内に本社を置き自治体の地方創生事業をサポートする『LR株式会社』(以下:LR)が連携し、複合施設として誕生しました。

【鹿児島県日置市】「であう」と「つくる」の交差点が生み出す新しい日常の彩り/ 日日nova
日日nova HPより コワーキングスペース ドロップインからでも利用できる 月額会員もあり
【鹿児島県日置市】「であう」と「つくる」の交差点が生み出す新しい日常の彩り/ 日日nova
日日nova HPより 同敷地内にあった元保育所をカフェとして活用(※2024年6月まではカフェとして、2024年9月からは「ごはんshuttle」が飲食店として営業する)
【鹿児島県日置市】「であう」と「つくる」の交差点が生み出す新しい日常の彩り/ 日日nova
写真提供:日日nova フリースペースのびのば 読書や食事、イベント利用(貸切利用の場合、料金が発生)など、多世代が集まる場となっている
【鹿児島県日置市】「であう」と「つくる」の交差点が生み出す新しい日常の彩り/ 日日nova
写真提供:日日nova 教室プライベートオフィス 月額利用から人数に応じてレンタル利用できる(その他数種類のオフィスルームあり)

“ふるさと納税事業を中心にウェブを介した事業展開をしてきたLRにとって、実際に地域に根付き、廃校活用といった地域課題に向き合いながらリアルな場をつくっていくことが新しい道筋になるかもしれない。”

“働く(ワーク)機能を持たせつつ、他にも機能を併せることで様々な特性がある人が集まるのではないか。そこから新しい出会いや価値が生まれるのではないか。”

そこが日日novaのコンセプトに繋がったと山下さんは話します。

「施設名にある“日”の2文字は日置市と日吉町の頭文字からとっています。novaはラテン語で“新星”という意味です。働く時間も、それ以外の時間も含めて、利用してくださる皆さんにとって、新しい何かが生まれることが日常になってほしい。そんな想いを日日novaのネーミングに込めました。」

「実は、カフェがオープンした日に数十年前に元保育園で先生をしていた方が遊びに来てくれたんです。“思い出がある場所が新しく生まれ変わって嬉しい”という言葉をいただきました。オープン時点で既に地域の文脈があり、チャレンジできる環境にいれることはありがたいことだと思っています。」

【鹿児島県日置市】「であう」と「つくる」の交差点が生み出す新しい日常の彩り/ 日日nova
LR株式会社 山下卓寛さん

昨年10月よりLRに入社し、日日novaの運営に携わっている森満さん。山下さんとともに利用者や地域の声を拾いながら、様々な場づくりに挑戦しています。

「辿り着いた答えの一つとして、利用する側も運営する側もハッピーになれるような空間の使い方でした。」

現在、毎月開催している鹿児島ユナイテッドFCのバブリックビューイングを例に挙げてくれました。

「サッカー好きのお父さんはお酒片手に観戦を、その間にお母さんはヘッドスパを楽しみ、お子さんはフリースペースで自由に遊ぶ。そうすることで、誰もが楽しめる時間を過ごせるように工夫しています。」

他にも毎週火曜日はフリーコーヒーの日を設けているのだとか。

「嬉しいことに近所のママさんなど、コワーキングやオフィス利用だけでは交流できない方ともお話ができています。少しでも気軽に立ち寄って話せる場所になれるように試行錯誤を繰り返しているところです。」

【鹿児島県日置市】「であう」と「つくる」の交差点が生み出す新しい日常の彩り/ 日日nova
LR株式会社 森満誠也さん 子育ての経験を踏まえた場づくりを山下さんとともに展開している

誰もがのびのびと自分らしく過ごせるような彩りを増やす

続いては、各スペース・イベントを利用する皆さんの声を紹介したいと思います。

1ケース目はヨガインストラクターのTABIYOGA。自身も日吉小学校出身というご縁もあり、毎週木曜日にレンタルスペースを利用しヨガ教室を開催しています。

「元々自宅ヨガを開催していたのですが、日日novaを利用することになって、今まで接点がなかった地域内外の人たちとのご縁が増えました。」

「最近は日日novaでイベントがあれば、かき氷屋さんとして出店しています。他の業種の方ともコラボイベントをさせてもらったりと、新しいことに挑戦できる環境だと思っています。」

「ありがたいことに山下さんと森満さんお二人の丁寧な伴走もですし、状況に応じて提案や対応も積極的にしてくださるので、温度感のある関係性を築けています。」

【鹿児島県日置市】「であう」と「つくる」の交差点が生み出す新しい日常の彩り/ 日日nova
TABIYOGA 取材時も別の利用者とコラボしたイベントを開催していた

2ケース目は、気軽に相談できるまちの保健室(毎週土日月営業)を営んでいる『相談薬タマルバ』です。

薬剤師視点で、漢方薬だからできる提案を通し、相談者の不調に寄り添う体質改善のお手伝いをしています。

「病院や公的機関じゃなくても、小さなことでも話をしたい・聴いてほしい、という人が足を運んでくれることが増えてきました。」

「オフィス利用している人もその日の体調相談にふらっと来てくれたりするので、私たちのやりたいことが少しずつカタチにできていると思っています。」

「日日novaではオムツ交換や授乳用の部屋、フリースペースがありますし、離乳食も販売されています。親御さんが参加しやすいイベントも多いので、子ども連れで気軽に遊びに行ける場所かなと思います。」

【鹿児島県日置市】「であう」と「つくる」の交差点が生み出す新しい日常の彩り/ 日日nova
相談薬タマルバ 世間話や相談から気軽に利用できる 体調に応じたドリンク調合も行っている

3ケース目は日置市を拠点にする建築デザイナー37design(サンナナデザイン)

元々日日novaオープンにあたり、廃校リノベーションの設計に携わったのが最初の接点だったのだとか。現在はオフィス契約を結び、事務所を置いています。

「この建物はたくさんスペースがあるので、可能性が溢れた場所です。他の利用者さんの使い方を見ていると、みんなの“やりたい”を叶える場所になりつつあって面白いなと思っています。」

「オフィスにいる時はTABIYOGAさんのヨガを受け、タマルバさんに相談してドリンクを調合してもらったりとセルフケアにも繋がっています。最近は、2週間に一度魚屋さんが日日novaへ移動販売に来るようになり、日々の彩りが増えた気がします。」

「建築デザインの仕事をしていると、日常の中で地域の皆さんと接点を持つ機会は少ないです。でも、この場所を利用してからは小さなことでも相談してもらえたり、偶然居合わせた人と交流ができたりと働く環境としてのびのび過ごせています。横の繋がりが増えて今までとは違った幸福度を感じています。」

【鹿児島県日置市】「であう」と「つくる」の交差点が生み出す新しい日常の彩り/ 日日nova
37 design オフィススペース 薪ストーブ専門店「CLOUD PIPE」と共同で借りている

4ケース目はごはんshuttle。元日置市地域おこし協力隊(2024年8月末任期満了)の山崎さんがカフェスペースを間借りし、ランチやカレーを中心としたメニューを提供しています。

地域おこし協力隊の任期中には日置市内の別のエリアやイベントなどにもキッチンカーで出店していたのだとか。

「地域の皆さんや日日novaを利用する方々がふらっと食べにきて、ゆっくりできるような場所を目指したいです。目の前には校庭がありますし、カフェの空きスペースを使って子どもたちが遊べるような場づくりも考えているので、お子さん連れでも気兼ねなく来れるように考えています。」

「地域に根付いていけるように、お客様と顔のわかる信頼関係をつくっていきたいです。メニューに使用する食材も、日置市産のモノを使っています。生産者さんとも話をして、今後は規格外の野菜も積極的にメニューに使用していく予定です。」

【鹿児島県日置市】「であう」と「つくる」の交差点が生み出す新しい日常の彩り/ 日日nova
山崎さんがメニューとして提供している自慢のバターチキンカレー(メニューは試行錯誤しながら調整していくとのこと)

5ケース目は鹿児島ユナイテッドFCのパブリックビューイング。現在、月に1~2回のペースでシーズン中のアウェイ戦のみ、コワーキングスペース内で誰でも参加できるイベント形式で開催されています。

今年の春から毎月パブリックビューイングに参加している男性(奥さん・子ども4人の家族構成)にお話を聞きました。

「家族全員がサッカー好きというわけではなかったので、今まで家族揃って観戦することはありませんでした。でも、日日novaではイベントに合わせてフードやマッサージの出店がありますし、フリースペースもあるので、家族が各々好きな過ごし方ができます。」

「嬉しいことに最近は妻が選手の名前を覚えたり、積極的にパブリックビューイングに行くことに前向きになってくれました。家族と過ごし方の選択肢が増えてありがたいです。」

【鹿児島県日置市】「であう」と「つくる」の交差点が生み出す新しい日常の彩り/ 日日nova
写真提供:日日nova 鹿児島ユナイテッドFCパブリックビューイングの様子

半径数メートルの世界をより良くすることで

「この施設で僕たちができることは、日吉町内の周辺地域や関わってくださる利用者さんといった半径数メートルの世界の風景をほんのちょっとより良くすることだと思うんです。」

日日novaがオープンしてから変わらない想いをそのように話す山下さん。森満さんとはそれぞれの力を活かし合いつつ、地域や利用者の手も借りながら「どのようにしたら、この場所を使う人が喜んでくれるか?」を常に追求しています。

「入社後、地域の挨拶まわりや地域の飲食店を利用しながら、少しずつ僕たちの顔や事業のことを認識してもらっています。何をするにも僕たちの力だけでは何もできません。信頼関係があるからこそ、カタチにできることがたくさんあるので日々のコミュケーションは欠かさないようにしています。」

そのようなことができるのも一緒に運営している山下さんがいるからこそだと森満さんは話します。不安があれば二人で共有し、今後の方向性についてチューニングしているそうです。

【鹿児島県日置市】「であう」と「つくる」の交差点が生み出す新しい日常の彩り/ 日日nova

オープンから1年経過した今の日日novaがインタビューした皆さんの声から見えてきました。最後に、山下さんと森満さんに今後の展望について聞きました。

「誰かの“やりたい”を後押しするのが僕らの役割ですが、その僕ら自身もチャレンジしていないと説得力がないと思うんです。」(森満さん)

「だからといって無理はしない。僕らが健やかでありながら、日日novaを選択してくれた人が最高の笑顔で帰ってもらえる場所であり続けること。そんな日々の小さな積み重ねをしっかりしていきたいです。」(森満さん)

LRでは多くの事業者さんのご協力をいただいて事業が継続できています。日置市内にもそんな事業者さんがたくさんいらっしゃるので、日日novaとして何が還元できるか。そこを模索しています。」(山下さん)

「廃校は今までの歴史や思い出がたくさん詰まった場所です。そんな日日novaだからこそできることがあると思います。少しずつですが、まずは目の前の人と向き合いながら、一つ一つ丁寧にカタチに。その気持ちは常に持ち続けたいです。」(山下さん)

【鹿児島県日置市】「であう」と「つくる」の交差点が生み出す新しい日常の彩り/ 日日nova

屋号
日日nova
URL

https://hibinova.com

住所
鹿児島県日置市日吉町日置493番地(日置市立日吉小学校跡地)
備考

●SNS

インスタグラム

https://www.instagram.com/hibi_nova/

●施設利用予約

https://reserva.be/hibinova

●お問い合わせ

https://hibinova.com/contact/

●コワーキングスペース

月曜日〜金曜日 9:00~18:00

●運営会社 LR株式会社HP

https://local-revitalization.co.jp