鎌倉市稲村ガ崎にて、古き良きものを伝え続ける「R antiques」さんに伺いました
地域のお店
鎌倉市稲村ガ崎の江ノ電の線路をまたぐ場所にある古民家の店舗。 古き良き時代の家具や食器などを取り揃える店「R antiques(アール アンティークス)」の店主・吉川淳也さんにお話を伺いました。
吉川さんは、この場所に店舗を構える前から古物商として活動しており、店がオープンしたのは1999年のことです。吉川さんは稲村ガ崎の出身で、一般的なサラリーマン家庭で育ったそう。お父様は通勤で毎日都内まで通っていて、吉川さんは都内まで通うサラリーマンはしんどいなあ、と子供心に思っており、将来は自分でなにかの商いをしてみたいと考えていたといいます。
20代になってもその想いは変わらず「何をすればいいのか、何をしたいのか」を考えながらフリーターとして仕事をする日々だったそうです。その頃からずっと考えていたのが、これまでの経済優先の消費活動の問題点や、環境問題などについて。そこから、どうせやるなら地球環境に負担のない商いがしたいという強く熱い想いが生まれたのだそうです。
なにかに影響されたのですか?と聞いてみると、何かこれというのはなく漠然としていますが、その当時聞いていたパンクやレベルミュージックに影響されたのかもしれないですね、と吉川さん。
その熱い想いを持ちながら、ある日町田市で行われていた骨董市に出かけたそうで、その時に出会った骨董品たちに強く惹かれたのだそうです。すぐにでも骨董の世界へと飛び込もうと、葉山の桜花園へ修行のために入り、1年程を古い物を相手にする仕事をして過ごしました。そこから独立し、まずは個人で骨董市に出店する活動を始めます。
活動をしていると、在庫を置くための倉庫が必要になり場所を探していたところ、稲村ガ崎出身ということもあって、現在の店に出会うことができ店舗として活用することを決めました。
この建物は竹や木、土といったいつか土に還る昔ながらの素材でできていて、環境負荷が少ないという点でも、吉川さんがやりたいと思っていた商いのテーマに合っていました。江ノ電の線路側にある生垣も、このまちの風景として残していきたいものだと吉川さんはいいます。
ちなみに、店名の「R antiques」のRは、「鎌倉R不動産」のRとは関係はなく(稲村ガ崎でRを名乗ったのは吉川さんの方が先です)、Rの意味としては「レボリューション・リサイクル・リラックス」としていて、資本主義を見直す意味を込めているのだそうです。
現在は、商品の仕入れは主に個人のお客様宅に出向いて行っている吉川さん。それぞれのお宅で古き良きものに出会うと、その度にそのものが持つ時代の空気を感じることができ、タイムリープしたような感覚に感動するといいます。よく使い込まれたいい素材のものは、角がとれ丸みがあり、なめらかな肌触りに変化しています。時代の良さや経年変化が作るものの味わい深さというのは、「時間」がなければ作り出せないもの。新品のものにはない味わいや感動を次に使う方へ橋渡しする。それが吉川さんの役割なのです。
現在店舗は、稲村ガ崎内で2箇所あり、少し離れた場所に2号店も構えています。2号店では1号店で扱うにはまだ時代が若いものを中心に取り揃えていて、そちらもまた面白いものとの出会いがあります。
ぜひ、「R antiques」で一期一会のものとの出会いを体験してみてください。
名称 | R antiques |
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業種 | 骨董・美術品・アンティーク家具等の販売 |
URL | |
住所 | 鎌倉市稲村ガ崎三丁目7-14 |
TEL | 0467-23-6172 |
営業時間 | 12時~17時 |
定休日 | 月曜・火曜 |
アクセス | 江ノ島電鉄線「稲村ケ崎」駅徒歩3分 |