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平塚市の貴重な邸宅にて、イギリス式クリームティを楽しむ「茶室 雨ト音」

地域のお店

2024.12.20

神奈川県平塚市の閑静な住宅街にある「茶室 雨ト音」。この建物に惚れ込んだというオーナーの那須野さんに、開店までの経緯などをお伺いしました。

平塚市の貴重な邸宅にて、イギリス式クリームティを楽しむ「茶室 雨ト音」
平塚市の住宅街の中にある、日本の建築様式に西洋のテイストが入った邸宅が「茶室雨ト音」です

那須野さんは、東京都の千駄木で古民家をリノヴェーションしたカフェも経営するオーナーさん。昔から物件情報を見るのが大好きで、東京R不動産や鎌倉R不動産もよくチェックしていたそうです。平塚のこの物件を見つけたときは「ぜひ見てみたい!」と思ってすぐに問い合わせをしたんです、とのこと。

平塚市の貴重な邸宅にて、イギリス式クリームティを楽しむ「茶室 雨ト音」
「雨ト音」の店内。縁側と庭もある和洋折衷のモダンな建築です(写真:雨ト音より提供)

物件はまるで避暑地にいるような気分にさせられる邸宅、と那須野さんはいいます。平屋建ての小屋裏のあるモダンな間取り、縁側もある広い庭と海に近いまちらしいのんびりとした周辺環境。外観も煉瓦貼りのレトロモダンな印象で、新築当時から修繕されている箇所もありますが、元の雰囲気を壊さないように手を入れられているところに感動します。ワクワクするかどうかが物件を決める判断基準という那須野さん。この物件はワクワクしかなかったと言います。

平塚市の貴重な邸宅にて、イギリス式クリームティを楽しむ「茶室 雨ト音」
平屋建ての建物で、天井の仕上げも美しい(写真:雨ト音より提供)

もともとは、湘南エリアに移住したいと思って物件を見ていたそう。ですがこの昭和の時代に建てられた建物を内見し、物件の貸主さんともお会いになって、この建物の素敵さと空間の素晴らしさを自分だけで味わうのはもったいない、多くの方に見てもらいたい。という気持ちになったそうです。

そこで、この場所にふさわしい業種と設備的に建物への負担のない範囲で作れるメニューをと検討した結果、イギリス式の本格的なクリームティが楽しめる、カフェ兼ギャラリーを営むことにしたのです。

平塚市の貴重な邸宅にて、イギリス式クリームティを楽しむ「茶室 雨ト音」
庭を眺めるソファ席も人気です(写真:雨ト音より提供)

那須野さんは中学高校とイギリスに留学していた経験があり、約200年の歴史がある学校だったそうです。古い建物と新しい建物が混在する校内の雰囲気や、イギリスという国の古き良きものを大切にする文化に強く影響を受けたそうです。大学は日本に戻ってきたそうですが、いまでもずっと趣のあるものが好き。そして、留学中に出会ったイギリス式の本格的なクリームティは、日本でも食べたいと思っていたメニューだそうです。

平塚市の貴重な邸宅にて、イギリス式クリームティを楽しむ「茶室 雨ト音」
「雨ト音」でぜひ味わっていただきたいクリームティ

聞くと、日本で本格的なクリームティがいただけるお店はまだ少ないそうで、現地のクリームティと言えば、ポットサービスのたっぷりの紅茶に、サクサクホロホロとしたスコーン。そこに自家製ジャムとクロテッドクリームが添えられたものを言います。雨ト音では、このイギリス式のクリームティを基本として、スコーンは日本人の味覚にも合うように少ししっとりとした感じに焼き上げています。選べる紅茶も種類が豊富で本格的。クリームティ以外にも、ケーキや数量限定のブランチなどもあります。

平塚市の貴重な邸宅にて、イギリス式クリームティを楽しむ「茶室 雨ト音」
店内の家具もとても素敵なセンス。この日は12月ということでクリスマスツリーも

店内には明治~昭和初期に作られた貴重な家具、ソファーなどが置かれています。座面を張り替えるなど、ほんのひと手間加えるだけで素敵に蘇るのが古くて質の高い家具の魅力です。そうしたアンティーク家具たちが、イギリスの雰囲気もする建物と見事にマッチし、ゆったりとした時間を楽しむことができます。

平塚市の貴重な邸宅にて、イギリス式クリームティを楽しむ「茶室 雨ト音」
キッチンは住宅設備からほぼ手を加えずコンパクトに。外を眺めながら作業します

また、店内には貸主一家がもともと使っていたストーブやアップライトピアノも残されており、時代を超えていまも使われ続けています。貸主もよくお店に来てくれ、果物をおすそ分けしてくれることもあるし、新しいメニューの試食をしてくれることもあるそう。お二人はとても仲良しで貸主・借主という関係というよりは、同じ建物でつながる家族のようにも見えました。そうした、貸主との距離感も那須野さんは心地よく、それは千駄木のお店でも同じだと言います。貸主との良好な関係があるからこそ、ちょっとした修繕などなんでも相談できるし、貸主も室内の様子を気軽に見に来ることができてありがたいのだそう。

平塚市の貴重な邸宅にて、イギリス式クリームティを楽しむ「茶室 雨ト音」
庭と縁側はペットもOK(写真:雨ト音より提供)

お客様は、近所の方から東京からわざわざ来てくれるカフェマニアの方まで、また年齢層も幅広い方がいらっしゃるそうです。最近はイギリスから初めて日本に旅行に来てここに立ち寄ってくれたというお客様もいたそうです。ペットを連れて来店される方は、縁側と庭はペットOKなので一緒に寛げますし、看板犬のあめ、おとがいる日もあるので、お店にいたらぜひ声をかけてあげてください。

平塚市の貴重な邸宅にて、イギリス式クリームティを楽しむ「茶室 雨ト音」
看板犬のあめとおと。出勤日はお店のInstagramでご確認を

お客様はみなさんこの建物に興味深々で、建物の歴史やどんな貸主さんなんですか?と質問を受けることも多いそうです。大学で建築を学んでいるという学生さんも来店されるそうです。そして、よく「平塚にこんなに素敵なカフェを作ってくれてありがとう」と言われるんです、と那須野さん。貸主も「私が子供の頃から平塚のひとって少し自虐的で。川向こうの茅ヶ崎市には素敵なお店があるのに、平塚にはあまりない。というようなことを言って育ちましたね」と笑って話してくれましたが、平塚にも素敵な建物、ひと、店はあるのだと改めて感じることができます。

平塚市の貴重な邸宅にて、イギリス式クリームティを楽しむ「茶室 雨ト音」
夜カフェも不定期で営業されます。夜の雰囲気もゆったりと大人っぽくていい(写真:雨ト音より提供)
平塚市の貴重な邸宅にて、イギリス式クリームティを楽しむ「茶室 雨ト音」
店内のギャラリー部分(写真:雨ト音より提供)

今後は、いまは不定期で行っている夜カフェの営業を事前に告知できるようにしたい、また小屋裏スペースと茶室も活用できるようにしたい、と那須野さん。素敵な空間と、本格的なイギリスのお茶文化を楽しめる「茶室 雨ト音」に、ぜひ足を運んでみてください。

名称

茶室 雨ト音

業種

ティールーム&ギャラリー

URL

https://www.instagram.com/ame_to_oto/

住所

神奈川県平塚市松風町13-34

営業時間

11時~19時

定休日

火曜・水曜

アクセス

JR東海道本線「平塚」駅 徒歩11分

備考

※駐車場3台有

※最新の営業時間、内容の確認はお店のInstagramよりお願いいたします。