【連載】山形のぶどうとワインに恋焦がれ vol.12
2012年4月、東京から山形にUターン。「井の中の蛙になりたくない!」そんな思いで山形を出て、10年ぶりに山形に戻ってみると、そこは面白い人と面白いコトがたくさんある場所だった。そして、今、私はワイナリーの広報営業として、日々、ぶどうとワインと愉快な仲間たちに囲まれ生きている。そんな広報営業の畑とワイナリーの日常を、季節のお便りとしてお届けします。
今回で最終回。
「山形のぶどうとワインに恋焦がれ」
この「山形のぶどうとワインに恋焦がれ」を書き始めてあっという間に1年。そして、今日は最終回。本当に1年が過ぎるのは早い。1年間何を書いたかな~と最初からすべての記事を読み返して、こちらの記事を執筆しています。この1年を通じて思ったのは、改めてワインをつくるってすごいことなんだなぁと。
たくさんの農家さんがいて、愛情込めて作られたぶどうがあって、個性豊かなスタッフがいて、みんなでワインを造り上げます。2024年は約76トンのぶどうやりんごを仕込み、今年度も6万本を超えるワインが製造される予定です。そして、日本全国、世界13か国でグレープリパブリックのワインを飲んでいただいています。
ボランティアでお手伝いしてくれた方や海外から研修にきてくれたスタッフ、アルバイトのみんな、親身になって助けてくださる地域や自治体の方々、そしていつも私たちのワインを広めてくれるワインショップや飲食店、海外のインポーターの皆さんのおかげで、私たちはぶどうとワインをつくり続けられています。
ワインは造るだけではダメで、ワインを買ってもらい、飲んでもらって、また買ってもらう、というサイクルにならないとワインをつくり続けることはできません。農家さんたちに支払うぶどう代は、飲み手の皆さんからワインを買っていただいたお金で支払います。そのお金が循環して、ようやくぶどうとワインづくりが継続できる。私たちがワインを造りつづけられるのは、飲み手と売り手の皆さんがいるからこそ。改めてそんなことを痛感した1年になりました。いつも支えてくださる皆様、本当にありがとうございます。
オリジナルワイン
「ono」のリリース。
1月はグレープリパブリックの醸造チーフとして、会社を支えてくれている小野さんのオリジナルワインを発売します。2021年からグレープリパブリックに参戦してくれて、縁の下の力持ち存在として活躍している小野さん。関東から山形にぶどう作りとワイン造りをしに、Iターンで来ました。ニュージーランド、スペイン、そして日本の3か国で醸造を行い、研修先のワイナリーでは必ず人気者になって帰ってきます。そんな小野さんが初めて手掛けたオリジナルワイン「ono」。ラベルには、私たちの垣根畑、そして小野さんが飼っているウサギちゃんが描かれていて、小野さんが自分でデザインしています。
「ono」はとてもクリーンでピュアな味わい。デラウェアの可愛らしさや生食用ぶどうのフルーティさを感じられる1本です。普段、あまりワインを飲まない方や強いアルコールは苦手という方にもオススメです。こちらは数量限定ですので、是非お早めにお試しくださいね。
農家さんを集めた新田報告会。
12月は、契約農家さんや地主さん、設立当初からグレープリパブリックを支援してくださっている方をお呼びした「新田報告会」を開催。こちらは、参加者の皆さんに2024年の成果報告、そして今後の方針などをお伝えし、意見交換をする場で、毎年開催しております。
普段、なかなかスタッフが全員揃って農家さんたちとお話する機会はないので、この新田報告会は非常に大事なイベントです。私たちが作っている自園のぶどうはまだ全体の仕込むぶどうの量の15%に満たず、契約農家さんのぶどうを買わせていただくことで、ワインを造ることができています。
この日は、東京から代表の平(たいら)も参加し、前日から仕込んだスペシャルランチBOXを用意しました。そして、今年収穫したぶどうで造った「デラフレスカ2024」で乾杯。みなさんのぶどうを使ったワインを飲んでもらい、感謝の気持ちをお伝えしました。(※写真奥の青いパーカーを来ているのが代表の平です)
農家さんの高齢化が進み、以前と参加者の皆さんの顔ぶれも変わってきました。この南陽市を、ぶどうとワインを通じてもっと元気にできるよう、ささやかながら頑張っていきたいと改めて感じた1日でした。
最後に。
今回で「山形のぶどうとワインに恋焦がれ」は終わりです。この記事で執筆しているのは、ワイナリーのごく一部の出来事。現場ではもっともっとここでは書けないような事件が日々多発。涙なしには語れません(笑)。それでも、私たちのワインを楽しみに待ってくださる方がいる限り、これからも私たちはぶどうとワインづくりを続けていきます。もしグレープリパブリックのワインを見かけたら、是非一度と言わず、二度三度手に取ってみてくださいね。1年間ご愛読いただき、ありがとうございました。2024年も本当に周りに迷惑をかけてばっかりの1年(涙)。いつも助けてくれるスタッフの皆さん、執筆に関しましてご協力いただいた皆様、real localの那須さん、本当に感謝しかないです!!Big Love♡♡♡