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鎌倉市梶原・仲良し姉妹が営むカレーとデリの店「ilu kamakura(イルカマクラ)」

地域のお店

2025.02.15

鎌倉市梶原。鎌倉駅前の観光客の賑わいからは離れた住宅地でありながら、地元の名店が揃う界隈に、昨年12月末にオープンした「ilu kamakura(イルカマクラ)」。
仲良し姉妹のあっこさんとトモさんが営む、カレーとデリの店で、テイクアウトも可能です。お二人に出店までのことや店のことを伺いました。

鎌倉市梶原・仲良し姉妹が営むカレーとデリの店「ilu kamakura(イルカマクラ)」
姉妹二人で営むカレー・デリの店です(トモさんとあっこさん)

お二人は3人姉弟として育ち、特に姉妹は好きなものや興味があることが昔から似ていたと言います。20代のときにお父様から「将来はどうやって生きていきたいのか」と家族会議で聞かれ、そのときに大好きな「食」に関わる仕事がしたいと思ったことをきっかけに、姉妹でカレーの移動販売事業をスタートさせました。当時はイベント出店やカフェでのごはん係など経験を積んだそうです。

結婚や出産等を機に、一度二人のユニットは解散したものの、妹さんは「野菜料理めい」として、お姉さんは「nokku!」として、食に携わる仕事を続けていたそうです。ずっと二人一緒にやってきたのもあり「一度自分だけの足で立ってみる。別々に活動してみては?」というアドバイスもあったので、と振り返ります。決してケンカしたのではないんですよ、と笑って話してくれました。

鎌倉市梶原・仲良し姉妹が営むカレーとデリの店「ilu kamakura(イルカマクラ)」
梶原の地元の名店が揃う界隈に店をオープンしました

そんなお二人は、別々に活動していたときもお互いを支えあい、アドバイスをし合う関係だったそう。トモさんが鎌倉への移住を決めたのが3年ほど前。鎌倉へ引越したこともひとつのきっかけとなり「また二人でカレーをやらないか。それならお店を持ってみないか」という提案が出たのだそうです。そこからは、店舗物件を探す日々でした。

そんなとき、この梶原の物件に出会ったトモさん。「たまたま店の前を通って、シャッターが閉まっているなと思ったんです。しばらくしたら、どうやら以前の店の店主の方が店先でお話しされていると思い、その場でここを借りたいというアタックをしたのがきっかけでした」と。以前は素敵な手まり寿司の店だった場所を、運よく引き継ぐことができました。

鎌倉市梶原・仲良し姉妹が営むカレーとデリの店「ilu kamakura(イルカマクラ)」
内装は「白いハコ」を作ることに

店の内装は、以前の店から厨房などは引き継ぎつつ改装を加えました。内装は「白いハコ」を作りそこに後からでも自分たちらしく足し算していくという、極力シンプルな仕上げとしました。モールテックスの色見本の中から色を決めるときも、姉妹で意見が割れることもなくすんなり決まったそうです。

鎌倉市梶原・仲良し姉妹が営むカレーとデリの店「ilu kamakura(イルカマクラ)」
カウンター席以外に、テーブル席もあり

店で出すカレーは、移動販売をしていたときの味を復活させることにしました。ドライカレーはお二人のお母様が作ってくれたカレーの味をバージョンアップしたもの。藤沢産の豚ひき肉を使用し、旨味をしっかりと感じます。ドライカレーの他にヴィーガンの方も食べることができるベジカレーも提供しています。野菜や豆の入ったカレーですが、ココナッツオイルの風味を感じる優しいのに本格的な味が特徴です。カレーはあいがけもあり、ヴィーガンカレーを試してみたいけど、食べ応えがないとな。という方にも好評だそうです。カレーのごはんにもこだわりがあり、カレーに合うお米をと仙台でお米を栽培しているいとこに相談していたところ「いのちの壱」という大粒でモチモチ感のあるお米に出会えたそうです。

鎌倉市梶原・仲良し姉妹が営むカレーとデリの店「ilu kamakura(イルカマクラ)」
あいがけカレーと本日の惣菜3種盛り合わせ。豆乳のラッシーも美味しい

スパイスは、鎌倉でスパイスと言えばの「アナン」さんのスパイスを使用。カレー激戦区と言われる鎌倉ですが、お二人のカレーはスパイスが香りつつも、パンチや個性があるというよりは毎日食べても飽きない、優しくてほっとする味わいを目指しています。辛いものが苦手という方も食べやすいと思います。カレーに合うラッシーも人気。豆乳を使った珍しいラッシーですが、豆乳の豆っぽさが少なく大人も子供も飲みやすい味でした。お皿などは経堂の「stock」で購入したもの、アンティーク、イタリアのレストランで使われるものなど、姉妹の好きなものを揃えています。

鎌倉市梶原・仲良し姉妹が営むカレーとデリの店「ilu kamakura(イルカマクラ)」
販売しているデリも美味しい。真ん中は三崎まぐろの茜身を使ったコンフィ

また、「野菜料理めい」としての活動も続けているので、デリは「めい」として作ってきたものも提供しています。めいの料理はヴィーガンやグルテンフリーが基本。切干大根を使った惣菜や、大豆のハーブオイル漬けなどがあります。「ilu kamakura」で出している大豆料理には、店の近くにある在来種の豆を全国から取り寄せて販売している「マメコト商店」さんから仕入れているそうで、力強い豆の味を感じることができます。梶原の店を中心に、近隣の店とも繋がって商いをしているというのが鎌倉らしいなと思います。また、土日は「nokku!」として作ってきたマラサダも店頭に並びます。テイクアウトのメニューは、近所の方が「あれが食べたい」「これがあるといいな」といろいろと意見をくださるので、できる範囲で反映できればと考えているそう。

鎌倉市梶原・仲良し姉妹が営むカレーとデリの店「ilu kamakura(イルカマクラ)」
テイクアウト用の小窓。通りかかった方とおしゃべりすることも

地域での繋がりや循環といえば、店で提供していて販売もしている「三崎まぐろのコンフィ」。まぐろを仕入れられるところを探していたところ、三崎まぐろの茜身(血合)の部分を三崎で加工して売るという活動をしている「三崎恵水産」さんと出会うことができ、仕入れることにしたそう(「三崎恵水産」ではまぐろの血合の部分を茜身と呼び販売を行っています)。三崎まぐろの茜身は鮮度のいい状態で冷凍するため臭みもなく、一般的な血合より食べやすいといいます。コンフィは塩味を強めに作っており、お酒とも相性がよさそうです。いまはまぐろカツを試作中だということなので、メニューに加わるのが楽しみです。

鎌倉市梶原・仲良し姉妹が営むカレーとデリの店「ilu kamakura(イルカマクラ)」
シンプルな内装で、小物で自分たちらしさをプラスした

「ilu kamakura」のイルとは、韓国語で数字の「1」のこと。ユニットとしては初めて店を出すということから、店名を決める際に悩んでいたところ、ポンとアイデアが出たのだそう。思い返せば、二人とも韓国カルチャーが好きなこと、いちから始めるという意気込み、これまで「1」という数字になんとなくご縁を感じていたこともあって「これだ!」と思ったのだそうです。姉妹の店はまだまだ始まったばかり。ご近所には「かかん梶原店」「POMPONCAKES」といった地元の方から愛される名店が集まるこの梶原エリア。地域の方とも繋がりながら、しっかりと地に足をつけた店となっていきたい、と言います。ぜひ、足を運んでみてください。

名称

ilu kamakura (イル カマクラ)

業種

カレーライス・デリの店(テイクアウト可)

URL

https://www.instagram.com/ilu.kamakura/

TEL

鎌倉市梶原4-1-6

営業時間

11時~18時

定休日

不定休(お店のInstagramでご確認ください)

アクセス

JR横須賀線・江ノ島電鉄線「鎌倉」駅からバス14分。「梶原口」下車徒歩3分

備考

駐車場2台有(分かりにくい場所ですので、お店の方にお声かけください)