【鹿児島県さつま町】ホタルノヒカリ〜さつま町の幻想的なホタルの風景を再び〜
イベント
鹿児島県・宮崎県を流れる一級河川「川内川」流域沿い(えびの市・湧水町・伊佐市・さつま町・薩摩川内市)では公民連携の下「河川空間」と「まち空間」が融合した良好な空間形成を目指し「かわまちづくり」の取り組みが進められています。今回、その中の一つである『ホタルノヒカリ』がさつま町(鹿児島県)のあびーる館 河川敷広場<水辺の楽校>を舞台に開催されました。その様子をレポートしたいと思います。

さつま町の愛着ある風景を未来へ紡ぐために
さつま町では5月になるとホタルが幻想的に飛び交う風景がまちの風物詩となっています。しかし、近年は環境の変化から生態系の影響が現れ、ホタルの数が減少し、毎年当たり前のように見ていた風景が失われる危機に瀕しているといいます。
さつま町のホタルは悠久の昔からまちに恵みを運ぶ川内川を中心に生息しています。薩摩川内市、さつま町、伊佐市、湧水町、えびの市(宮崎県)の5市町にまたがり、人々の暮らしはもちろん、自然や生態系を支える地域にとっては無くてはならない大事な場所です。
“川内川沿いでさつま町の愛着ある風景を未来の子どもたちにも紡いでいきたい。守っていきたい。そう思える人が一人でも増えたら…。”
そんな思いでホタルノヒカリは誕生し、今回の開催に至ったそうです。


地域を越えて同じ風景をつくっていく
2024年11月24日。ホタルノヒカリは晴天に恵まれた中でスタート。さつま町以外からも川内川流域沿いの事業者が出店するなど、多くの人が足を運び、賑わいました。

日中は「水辺のプチジャンボリー」という名のステージで川内川流域ゆかりのダンサーやアーティスト、地元小学校の吹奏楽部、絵本の朗読などが開催されました。





おてんとマルシェでは衣・食・住にまつわるものや子どもたちが喜ぶお店がズラリ。常にお客さんが絶えませんでした。



空間装飾は廃材となっていたワイヤーを活用し、新たに生命を吹き込まれた生き物たちが。日中は立体的アート作品に、夜は空間を照らす灯りとしてホタルノヒカリの雰囲気を演出してくれました。


舞台裏では5市町村の職員が運営に。事業者だけではなく、自治体職員も地域の枠を越え、みんなで同じ風景をつくっていく、まさに公民連携となる時間となりました。




ホタルが生きやすい環境を整えるために、それぞれができることを
続いては浜本麦さんによるトークショーが行われました。テーマは「蛍が増えるためにみんなでできること」。

「ホタルが飛び交っていた幻想的な風景を取り戻すために何ができるか?それについて考えてもらうことが今回の目的です。」
冒頭、そのように語る麦さん。ホタルに関するクイズを出しながら子どもから大人まで楽しめるようにわかりやすく説明してくれました。

ホタルに関する説明を終え、最後に会場にいる全員に向けて力強いメッセージを送り、トークショーを締めくくりました。
「ホタルが生きやすい環境を整えること。それが一番大事です。自分たちだけが暮らしやすい環境にすればいいわけではありません。暮らしている環境が今どうなっているのか?その中で自分たちができる時にできることを考え、少しでも実行することで昔のような風景を取り戻すことができると思います。」
「僕は子どもの時にさつま町のホタル舟に乗ったことがあります。それまで見たことがない風景に感激したのを今でも鮮明に覚えています。あの景色をまた見たい気持ちは僕も一緒です。ただ、別に大きなアクションを起こさなくてもいいんです。今日お話したことを誰かに伝えるだけでも意味はあるんです。そんな小さな一歩が10年後先の未来の景色に繋がれば嬉しいです。」

みんなでホタルが舞う風景を楽しみながら再現する
日が沈み、イベントはフィナーレへ。まずはケミホタル1000個を使い、大人も子どもも一緒になり、全員で幻想的な風景をつくりました。ホタルノヒカリと山と夕焼けのグラデーション。川内川が流れ、ホタルが風物詩のさつま町だから再現できる風景でしたし、何よりその場にいる全員が楽しんでいる様子が印象的でした。


その後のステージも日中と違った雰囲気に。音楽ユニットHUNKAによるライブ、そして、宮之城吹奏楽団による演奏によりホタルノヒカリは無事にフィナーレを迎えました。


最後に事務局メンバーに今後の展望を聞きました。
「この日生まれた風景が10年後、20年後、さらにその先の世代へどう繋がっていくのか。ホタルのいる風景をどのように守っていくのか。そんなことを少しでも考え、小さくアクションする人が増えたら何より嬉しいです。」
屋号 | ホタルノヒカリ |
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