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人生は大きな旅

屋久島ガイド「BIG TRIP」 隊長 中路健二郎さん

2016.01.07
人生は大きな旅
中路さんご家族

福岡、屋久島と、新しい刺激とチャレンジ、そしてよき環境を求め家族で移動し続ける、そんな自由な人生を過ごしている移住者がいました。

冬になると福岡市内の内装業の会社に勤め、春~夏~秋にかけては、屋久島でガイドのお仕事をされている中路健二郎さんです。

元々福岡で舞台の特殊効果や大道具など演出の裏方のお仕事をされていたという中路さん。1年の中でオンシーズンとオフシーズンが存在するという仕事の仕方を続けてこられたとのことです。中路さんは地元である福岡での結婚を機に、6年前に屋久島へ移住。そこから、シーズンごとに福岡と屋久島の2つの地域に住むというライフスタイルを送っています。

「都会と田舎のギャップは、移動するときに頭の中のスイッチを変えるんです」と。

20代前半でお仕事のオフシーズン時期にアメリカ大陸を縦横断。その後ヨーロッパやオーストラリアなど多数の国を旅し、あまり緻密に計画しすぎず気の向くままに進む旅行スタイルから得た経験が、移住先で役に立ったのだそうです。

「郷に入れば郷に従え」、あまり自分の希望にこだわりすぎずに柔軟に生きること。地方それぞれの個性、伝統やコミュニケーションの方法など、尊重し同じやり方で地元に馴染めるようにしていくことの大切さを実体験を元に痛感したのだと。

ボルダリングをきっかけにアウトドアに目覚め、奥さまと初めて訪れた屋久島で案内をしているガイドさんを見かけ、山好きな中路さんにとって好きなことを仕事にできる夢の仕事だと、衝撃的な出会いを感じたそうです。その10ヶ月後には結婚をし移住。

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屋久島は宮之浦岳山頂にて。季節外れに咲いていたシャクナゲ

奥様は移住後すぐに妊娠。子どもができて、都会にいるときの刺激よりも自然のある環境の方に意識レベルが変わったという中路さん。移住はじめは、知り合いも少なくある程度信頼を築くまで少々時間もかかったそうですが、ガイドの会社で見習いとして働きつつ、進んで友人のお家で開催されるホームパーティーに参加したり。また以前からDJをされていた中路さん、屋久島はもちろん鹿児島市内などでも音楽パーティーを企画、イベントなどでDJとして参加したりと、地元の方々とのコミュニケーションを深めていったそうです。

そして3年間の見習い期間を経て独立。夢だった屋久島ガイドの仕事を「BIG TRIP YAKUSHIMA」という名前で2012年にスタートさせました。

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中路さんガイド中のひとコマ。黒味岳にて
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ツアーの休憩中にいただける、その場で豆を挽いたコーヒーと奥様手づくりのクッキーやパウンドケーキは格別な味

そして、1年前。現在借りている家を発見し、大家さんと直接交渉。

「家族もいたし、ガイドの仕事も行っていたし、何よりそれまで屋久島に住んでいた4年間があったから、すんなり交渉できたのだと思う」と。ほぼ住める状態ではなかった古民家を自分の手で少しずつリノベーション。

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改装始めの古民家の写真
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改装後。(左)平たい面のある岩を一つ一つ見つけてきては床に埋め込み、キッチンの棚や奥の壁、窓などもすべて手づくり

壁はすべて取り除き、元々あった囲炉裏は残し、借家のためお金をかけたくなかったので、家の周りにある自然のものや廃材をできるだけ使ったそうです。

「全部で25畳程の狭い古民家だけど、全体に目が行き届くからすべての時間を家族と共有できる。家族との距離が縮まったよ」と中路さん。

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一緒にいるだけで心温まる中路ファミリー

「本当に移住したいなら、少し高くても賃貸で引っ越して、まずはその土地に馴染むことが大事」

屋久島は元々移住者も多く、年間8~9万人の観光客の来る土地でもあるので、地元の方の受け入れ態勢も他の場所に比べると柔軟な方だそうです。そのため中路さんと同じような境遇で屋久島へ移住をされた方との出会いもあり、意気投合できる仲間も思ったよりもすんなり増やすことができたのだとか。

自分の意見にこだわりすぎない、周りの環境を尊重する。それでいて自由に移動するライフスタイル。そんな冒険的人生は家族全員にとっても良い刺激と、どんな場所でも柔軟に生きていくことのできる強い大人へ成長させてくれるではないのでしょうか?

屋号

屋久島ガイドBIG TRIP

URL

屋久島ガイドBIG TRIPオフィシャルウェブサイト