こども工芸修行 弟子求む!
7/22(金)〜8/30(火)石川県立伝統産業工芸館
※終了しました。
漆、金工、染色、陶磁、木工、和紙 etc.「ほぼすべての伝統工芸のジャンルが揃う」とも言われる金沢。後継者不足は他の地方同様、喫緊の課題だ。
だからといって「伝統工芸だから守らなくてはならない」といった義務感を押し付けるのではなく、「ものをつくりだす喜び」という、子ども達の内側からのエネルギーを喚起させるようなイベントが、7月22日(金)〜8月30日(火)の間、石川県立伝統産業工芸館で開催されている。
いつもはどこか厳粛な雰囲気が漂う伝統産業工芸館に、このときばかりはカラフルでポップな「修業小屋」がずらり。
それぞれの小屋には「うるし」「土」「布」「木」などと書かれた提灯が下がり、参加者はどの順番でも何軒でも自由に参加できる(ワークショップは有料)。平日は「蒔絵にあこがれて砂絵」「エプロンに加賀友禅染め」「木の人形にえつけ」といった子ども達だけでできる「ひとり修業」が用意されていて、週末になると実際に師匠(工芸作家)がやってきて、箔貼りやろくろ体験など様々なテーマで手ほどきが受けられる。
もちろん、ワークショップだけでは、長年研鑽を重ねてきた職人のように上手く作品はつくれない。しかし、子ども達はここで「ものづくりの心得」に触れているのだと思う。「こども工芸修行」パンフレット序文には次のようにある。
「弟子のみなさんへ
じょうずじゃなくてもいい
きもちをこめてつくりましょう。
(中略)
この小屋では、じょうずにつくることはだいじではありません。
ものをつくるたのしみほか、ものをしんけんに見ること、自分の好みやきょうみを知ること、自分が使うものは責任をもってえらび、だいじに使い続けること、などなど。すこしでも感じてもらえたらうれしいです」
金沢は子どもを下手に甘やかさない。今はわからなくても、“ほんもの”と対峙させようとする。それは物であっても、言葉であっても。「こども工芸修行」はちょうど夏休みが終わる8月30日(火)まで開催中。「おとなだって元こども。こどものこころになれるなら弟子になれますぞ」とのことなので、ぜひ親子で参加してみて欲しい。
(柳田)