【大阪】ローカルにてローカルに取り組む NPO法人Co.to.hana(コトハナ)
大阪の中心梅田から地下鉄で17分のところにある北加賀屋。
昭和初期には造船業を中心とした重工業で栄えた街であるが、産業構造の変化に伴い空き地や空き工場が増え人口も減少しつつある。
このままではあかん!と地元の地主が声をあげ始まった、北加賀屋クリエイティブビレッジ構想。空き家や工場跡地などの遊休不動産にアーティストやクリエイターを誘致し、北加賀屋を新しい芸術・文化の発信地として活性化していくことを目指すプロジェクトだ。しかし新たに街にやってくるクリエイター達と、元からの住民との交流は生まれづらい状況だった。この問題を解決するためにやってきたのがNPO法人Co.to.hana(コトハナ)である。
代表の西川さんは「地域の問題を解決する仕事をするために自分たちもローカルに拠点を置きたかった」と話す。
Co.to.hanaのメンバーは建築やグラフィックデザインのプロ。そのスキルを武器に、行政や他団体の活動のブランディングや企画から実際の運営、情報の発信まで多岐に渡って取り組んでいる。
そんな彼らが「農」を軸に地域の繋がりを生み出そうと始めたのが「北加賀屋みんなのうえん」。
「みんなのうえん」はそんじょそこらの貸し農園とは大きく異なる。
まず栽培、管理などをチームで協力して行っている点。
1人で参加してどこかのグループに所属してもいいし、自分が作ったグループで畑を借りるのも良し。現在のメンバーは北加賀屋の住民がメインであるが、色々な関わり方ができるので北加賀屋に住んでいない人や仕事が忙しい人でも参加可能である。現参加者の中には京都から通っている人もいるそう。
次に農園の立て看板、倉庫、イス等の必要なモノも自分たちで作るというところ。
例えば「みんなカーゴ」という椅子はFABLAB Kitakagayaと現代アーティストの國府理さんのコラボレーションから生まれたもの。農園メンバーの「農作業する時に座ったまま移動できて、中に収納があるイスが欲しい!」という声に応えてデザインされ、制作は「みんなのうえん」のメンバー自らが行った。
その他、収穫祭やケータリングのイベント、専門家を招いての勉強会など、野菜作り以外にも楽しめるポイントが多々あるのも「みんなのうえん」ならでは。
様々な人とのコラボレーションをしながら進化を続ける「みんなのうえん」、そしてCo.to.hanaにこれからも注目である。
(萌)