大阪ガイド1 ホステルロクヨン発、自転車で走る大阪の街
こんにちは。リアルローカル大阪担当のアートアンドクラフト(以下A&C)岡崎です。
A&Cはリノベーションを得意とする建築設計事務所であり、大阪R不動産を運営する不動産屋です。街なかの空き物件を使って面白いことがしたい! と2011年に、大阪市西区新町の古いビルをコンバージョン(用途転用)してホステルロクヨンオオサカという宿をつくりました。
すると当然、他府県の方や海外からのお客さんにわたしたちの街、オオサカについて話す機会がとても増えました。また自分たちでは当たり前と思っていた変なクセに気づかされる機会も増えました。
阪神、よしもと、くいだおれ……派手でコテコテなイメージだけで片付けられるのは心外! 大阪人はだいたいそう思っています。口ベタな人もいるし、別に毎日たこ焼きを食べているわけじゃない。ステレオタイプな大阪は置いておいて、ここでは“住む・働く”目線でわたしたちの日常を案内したいと思います。
チャリンコ文化〈自転車に乗ろう〉
街のサイズがコンパクトかつ、地形が平坦な大阪市内中心部は自転車が市民の足として活躍しています。メインストリートの御堂筋は約40年前に比べ自動車の交通量が4〜5割減ったのに対し自転車交通量は約6〜7倍と大きく増加しているそう。特にこの数年の自転車ブームも手伝って専用道が計画されたり、駐輪場が増えたり快適な自転車環境が整いつつあり、有ると無いとでは機動力や活動範囲にものすごく差が出ます。
ところで。もちろんどこの都市でも自転車を愛用する人はいると思うのですが、よそから来られた方曰く何かちょっとヘンらしく……。
“オフィス街なのにママチャリってアリなの?”
かっこいいロードバイクで駆け抜けるサイクリストもたくさんいますがお洒落であることは別に大事じゃありません。逆に大阪では、お洒落すぎ=「しゅっとしてる」と揶揄されることもあります。車種はなんだってOKなのです。
“自転車に装備される傘。あの部品はなに?”
さすべえと言います。お求めやすい価格かつ豊富なデザインバリエーション。春夏は雨傘が日傘に変わり、特に女性に絶大な市民権を得ています。
“なんで笑ってるの?”
せかせかしていないからでしょうか。変な目で見られることはなく、「今日ええことありはってんなぁ」でおしまいです。
リーズナブルな価格で乗り捨て可能なレンタサイクルも充実しているので、仕事でも遊びでも大阪へ来られたら是非自転車で走ってみてください。一気に生活者気分になれるはず。だいたいキタ(梅田)からミナミ(難波)まで御堂筋を走ると30分程。間に中之島、淀屋橋、心斎橋、南船場など点々と経由しながら走るのもおすすめです。
職住近接
大阪市の人口は長らく減り続けていましたが2000年に逆転、以降連続して増えています。東京に次ぐ都市でありながら都心部の不動産の価格が高すぎず住みやすい大阪。女性の社会進出が進み、自宅で仕事をする人も増え、今後も街中の居住人口は増えそうです。超都心や繁華街を除けばオフィス、ショップ、住宅がごちゃ混ぜに建てられていて、エリアによる賃料差(もしくは売買価格の差)も東京ほど激しくないのでどこに居ても生活感を切り離せないのが大阪らしさかもしれません。
本町・淀屋橋(東京でいうところの丸の内)に自転車20〜30分で通える圏内に、お財布的にも無理なく、ごきげんに住める街がたくさんあります。
地元の人とコミュニケーションを楽しみたいなら商店街が元気な天満や福島、戦災を免れ長屋街の残る谷町や中崎や阿倍野、トレンドの人・モノ・店がひしめく西区、閑静な玉造、大大阪時代の名残が知的な雰囲気の北浜。
朝の横断歩道は保育所に子どもを送り届ける人、小学生、出勤する人、犬の散歩をする人が交錯します。働く子育て世代にも嬉しい環境ではないでしょうか。
仕事場事情
移住ワーカーにとって気になる仕事場事情。
大阪市はオフィスの空室率が約11.24%(大阪市内の中小型ビルの場合・大阪ビルディング協会調べ)。大都市でありながら全国平均以上の空室率は決して誇れることではないのですが戦後の開発の進み方が東京に比べて緩やかだったこともあり古い建物が壊されずに多く残っています。そして今、そんな古びたストックを妥協ではなく、むしろ好んで選び、インテリアやリノベーションによって自分らしく使う住まい方、働き方が定着しています。
理由は第一に手頃だから。大阪R不動産でも10坪以下、10万円以内の小区画オフィスは大人気。階段もOK! であれば3、4万円/月〜とシェアオフィスを借りるのと大差ない価格から小さなオフィスが持てるとあって、独立したてのフリーランサーには心強い存在です。
もうひとつ。街中に点在する、大正時代に建てられた近代建築ビルや高度経済成長期に建てられた渋さを醸すビルを狙う人たちがいます。え? このビルって借りられるの? と驚くような建築(文化財登録がされているような)でも、意外に手が届く賃料だったりする。それはひとえにオーナーさんの気前の良さの表れなんです。保存するなら、この建物を分かってくれる人につこて(使って)もらいたい。「もったいぶらずにつこてなんぼ、つかわな損」な気質は、ひとつの大阪らしさだと思います。
いかがでしたでしたか。
もっと日常的な大阪を知りたい、等身大の大阪をツアーしたいという人に。この春5周年を迎えたホステルロクヨンでオリジナルマップを作成しました。
ロクヨンのスタッフが最もよく聞かれる、「あなたは普段どこに行くの?」という質問。
そんな時に「ココおすすめ!」と渡せるように作ったマップ『HANGOUT 64 Osaka』です。ガイドブックまんまな大阪ではなく、わたしたちがいつも通ってしまう美味しい店や面白いスポットが凝縮。
非売品につき、ご希望の方はロクヨンでマップをもらってください。そしてその時は是非、レンタサイクルで大阪を探索してみてください。
*PC、スマホからはこちら! http://64map.hostel64.com
(岡崎 麗/大阪R不動産)