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麻の力で日本を変えるサーファー農家

菊理農園 安田健悟さん

麻の力で日本を変えるサーファー農家
サーフィンでなのか、農業でなのか、安田さんは年中こんがり小麦色肌。

「サーフィンと農業はとても相性がいいんだ」と笑う安田健悟さんは金沢市出身。東京やオーストラリア、伊豆大島などでの生活を経て、4年前に金沢に戻ってきました。現在は市街地から車で30分、富山県境に近い山間部にある竹又町で「菊理農園」としてトマト農家を家族で営んでいます。

安田さんは、春から秋にかけてはトマトを栽培し、農閑期の冬ともなれば日本海でサーフィンを楽しむという“サーファー農家”。化学肥料や農薬に頼らず、落ち葉や枯草を鋤き込むなど、土づくりからはじまる安田さんのトマトは、ずっしりと実が重く、力強い味わいがあり、料理人からも熱い信頼を得ています。

麻の力で日本を変えるサーファー農家
真っ赤で身がずっしりと重く、力強い味わいの安田さんのトマト。
麻の力で日本を変えるサーファー農家
「山は農業資材の宝庫!」と安田さん。藁や草など、天然の肥料で健やかに育つトマト。

「トマトはつくる人によって個性があらわれやすいから、育てるのも面白いよ」とトマト熱も人一倍ながら、あくまでもトマト栽培は安田さんが描く夢のまだ“はじめの一歩”なのだと意外な言葉が続きました。

「僕の夢は“植物”という資源をつかって世の中に役立つ産業を興すこと。例えば、今は世の中石油製品で溢れているけれど、植物油など、本来はすべて植物でつくれるはずなんです」。

そもそも安田さんが竹又町で農業を始めるようになったのは、オーストラリアでの波乗り中にやってきた“ある気づき”から。

東京で電気工学系の専門学校在学中にサーフィンに目覚めた安田さんは、よりよい波を求め、卒業後単身オーストラリアへ。オーストラリアは先住民の価値観もあり、自然との共生をとても重んじており、オーガニックの先進国としても知られます。

5年間のオーストラリア暮らしは、安田さんに多くの刺激を与えますが、一番衝撃をうけたのは 麻の持つ可能性だったそう。日本では 大麻のイメージから栽培が厳しく規制されていますが、成長が早く丈夫な麻はオーストラリアでは衣類などはもちろん、食品からプラスチックにいたるまで幅広く使用され、新素材として注目を浴びていたのです。

「日本では麻栽培は避けられているけれど、場所が変わるとこんなにも捉え方が変わるのか」と考えながら波に乗っていたその時、「そうだ、僕は日本に戻って麻で産業を興そう!」と雷に打たれたように思い立ちます。

麻の力で日本を変えるサーファー農家
「サーフィンは直観力が鍛えられる。サーファーにユニークな人が多いのは理由があるのかも」と安田さん。

その後、日本に戻って伊豆大島で5年間麻について勉強した後、石川県にUターンして4年前からここ竹又町で農業を開始します。「麻を栽培する農地は農家にならないと手に入れられない、だからまず“農家”になったんです」。日本では麻栽培の許可が下りるまでの審査がとても厳しく、なかなかすぐにとはいかないけれど、今年もめげずに申請中。「現在問題になっている様々な事象の解決の糸口が、麻にはあるんじゃないかと思っています。許可が下りたらすぐにでも能登の耕作放棄地などを活用して麻栽培に着手するつもり」。

「農業は自然の中で体を使って働くから健康にもいいし、世のため人のためにもなる。こんなに一石二鳥な仕事、他にないと思う!」と、安田さんは迷いのない目で話してくださいました。

20年前、海の上で抱いた夢は一筋縄ではいかないけれど、その都度立ち現れる条件に向き合いながら一つずつクリアしていく安田さん。その姿はまるで、いかなる波をも楽しんでしまう、波乗りサーファーそのものでした。

麻の力で日本を変えるサーファー農家
自宅で息子さんの旺基君と。「農業は子どもに親の働いているところを見せられるのもいいね」。
屋号

菊理農園

URL

http://ameblo.jp/kikuri-hime719/

住所

石川県金沢市竹又町イ49

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