real local 福井新聞記者も、まちづくりの仲間の一員に。 - reallocal|移住やローカルまちづくりに興味がある人のためのサイト【インタビュー】

新聞記者も、まちづくりの仲間の一員に。

福井新聞社まちづくり企画班 / 高島健さん

2016.10.10
新聞記者も、まちづくりの仲間の一員に。
穏やかな口調で話す高島さん。sankakuへ行くついでについつい悩みを聞いてもらうことも

「新聞記者」と聞いて、すぐに思い浮かぶのは、新聞社のデスクから新鮮なネタを求めて現場へ取材に飛び回る人、というイメージが一般的だ。

福井には、自らまちづくりに関わり、イベントを企画したり、まちの人と一緒に空きビルのリノベーションに取り組む新聞記者がいる。福井新聞社の「まちづくり企画班」は、それまでの新聞記者のイメージを覆し、顔の見える記者として福井のまちづくりの一員として溶け込んでいるのだ。

新聞記者も、まちづくりの仲間の一員に。
高島さんたちが拠点としているコワーキングスペース「sankaku」

福井新聞は8割近い県内普及率を誇り、全国の地方紙でトップクラス。つまり県内世帯の約8割に福井新聞が毎朝届くわけで、福井県民にとっては主要な情報源の一つになっている。

高島 健(たかしま・たけし)さんも、一般的なイメージどおりの新聞記者として、まちを駆け巡っていた。「まちづくり企画班」ができるまでは。

北陸新幹線の延伸がおよそ10年後に迫った2013年秋、まちづくり企画班は立ち上がった。新聞離れが進む中、これからのまちを担う若い世代にも関心をもってもらおうと、議論の末にたどり着いたコンセプトは「まちづくりを取材する記者から、まちづくりを実践する記者へ」。

連載のタイトルは「まちづくりのはじめ方」。原稿のスタイルは1人称に統一し、まちづくりの当事者となっていく姿を発信する挑戦が始まった。

新聞記者も、まちづくりの仲間の一員に。
地元の人と共に再発見する旅「フードキャラバン」写真は、第2回の鯖江市河和田地区でのフードキャラバン

当初は、これまで取材をしながら様々なかたちのまちづくりを見てきたものの、どこから始めれば良いかわからなかった、と高島さんは言う。「やっぱり、福井は『食』が誇れる地域だし、それをテーマにしたい」と考え、地元の食材を地元の人たちに学び、一緒になってゲストをもてなすイベント「ふくいフードキャラバン」を手始めに、まちづくりの一歩を踏み出した。

当初は県内地域を巡ったフードキャラバンの集大成的なイベントを福井市中心市街地で行う「ゴール」を描いていたが、まちづくりが一過性の期間限定のものでいいのか?という問いかけもあった。

新聞記者も、まちづくりの仲間の一員に。
高島さんたちがまちづくりの拠点としてもう一歩踏み出した「これからビル」

ちょうどその頃、福井でも認知されてきた「リノベーションまちづくり」という言葉に注目。思いを同じくする商店街の有志数名と資本金を出し合い、小さなまちづくり会社「福井木守り舎」を設立。元洋品店だった空きビルを利用し、一過性ではない拠点作りに乗り出すことになった。そしてついに、資本を出し合い中心市街地のまちづくり会社「福井木守り舎」を設立。

手探りながらも、「これからビル」と名付けられた空きビルは、1階にカフェ「su_mu」、その上にコワーキングスペース「sankaku」が誕生。特にsankakuには、高島さんたち企画班の記者2人が常駐しており、紛れもなくまちなかで仕事をする住人の一人となっている。

新聞記者も、まちづくりの仲間の一員に。
これからビルの1階にあるカフェ「su_mu」。おしゃれでヘルシーなメニューが味わえる

高島さんは高校生の頃、地元の福井駅前で青春を過ごした。バンド活動や大好きな服を買いに顔なじみのお店へ。楽しかったはずの駅前がどんどん元気を失っていくのを見ながら、いつかその輝きを取り戻したいと思っていた。

「新聞記者がその仕事の範疇を超えて、まちづくりに関わっていくことで、他の同僚もその活動に興味を持ち、いつしか新聞社がメディアとしての役割だけでなく、地元を元気にする会社になっていくと良いなぁと思う」穏やかにそう話す高島さんの言葉に、福井のまちがまだまだおもしろくなる予感を、そしてまたsankakuにまちの人が集ってほしいと願う。

URL

まちづくり企画班の公式HP:http://www.fukuishimbun.co.jp/creatingcommunity/
facebook:http://www.facebook.com/kisyaugoku/

住所

これからビル 福井県福井市中央1丁目10-22

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