美味しいブックカフェ
【閉業】「OH LIFE」
※2018年4月1日に閉店、京都の「Wonderers Stand」さんに拠点を移されました。
金沢へJターンした人が開いた本屋。モーニングもできます!?
朝の読書、遅めの軽い昼食、コーヒー片手のメールチェック、帰宅前の寄り道…etc.
「カフェの使い方」の多様性は、街の成熟度を計る、ひとつのバロメーターなんじゃないかと思ったりもする。
今回は移住者の常連も多いブックカフェ、「OH LIFE」をご紹介。
店内に入ると、壁面を埋めるようにずらり並ぶのは「食」にまつわる書籍や雑誌。全て店主の私物で、どれも自由に読んで良いし、気に入った場合は購入もできる。
“おいしい”のは書籍だけじゃなく、フードメニューがまた絶妙。パンやスープといった、気どらない食事がメインなので、凝ってるように見えないかもしれないが、一度食べると記憶に残る美味しさ。まるで、昔絵本で見たニンジンケーキや、文字で追ったタマゴサンドのように。
店主・春木良介さんは石川県七尾市出身。高校卒業以降ずっと東京暮らしで、「いつかは自分の店を」と10年間東京のパン屋や料理店で修行し、2012年に奥さんと一緒に金沢へJターン。料理も本も大好きで「食にまつわる楽しさを伝えたい」と2014年「美味しい本屋 OH LIFE」をオープンさせた。
9:30〜19:00まで、いつ行っても温かいスープと、気の利いたトーストメニューがあって、一人でも居心地よくて、本が読めて—…。「仕事でお昼を食べ損ねた人や、帰宅前の人が、ちょっと寄れる場所があるといいかなと」
そんな街角に灯る母心を察知してか、カフェの常連には移住者や県外勢など“ストレンジャー”も多い。旅行の度に必ずモーニングに立ち寄る人、パン屋として利用する人…それぞれが「OH LIFE」の使い方を発明している。
カフェの使い方が街の成熟度を計るなら、多様な使い方を見つけられる、奥行きあるカフェの存在もまた、文化度の指数なのかもしれない。旅行者も移住者も、金沢をおとずれたら、「OH LIFE 」にぜひ立ち寄ってみてほしい。