【長野】1166backpackers 飯室織絵さん 長野と旅人をつなぐ人
長野市善光寺前のゲストハウスと、そのオーナーの物語です。
2010年に開業してから、今年で8年目を迎える。長野市善光寺門前のゲストハウス「1166バックパッカーズ」(通称:1166)。
オーナーの飯室織絵さんは、この街に移住し、開業、結婚、出産を経て、今では一児の母に。「この街は住み心地がいい」と話す織絵さんは、日の当たる観光名所だけではなく、ガイドブックに載っていないようなこの街の魅力を紹介している。
《 地元の人とゲストの接点に 》
ここ数年で、空き家をリノベーションした物件が約50〜60軒増えたと言われている長野市善光寺界隈。「1166」の周辺には、歩いて行ける範囲に、喫茶店、雑貨店、飲食店、観光名所など個性豊かな場所がたくさんある。営業時間や定休日、メニュー、地元の人のおすすめなど細かな情報の変化はなかなかインターネットでは見つけにくいもの。織絵さんは、そんな地元の人こそ知る情報を、オリジナルの地図を作成し、紹介している。
また、月に一回、日曜日の朝に、参加者それぞれがおかずを持ち寄る「みんなで朝ご飯」という企画を開催している。一緒に朝食を食べるこの会をきっかけに、近くに住む参加者が、ゲストを一日ガイドしてくれることもあるのだとか。ホテルや旅館ではなかなか味わえない旅の魅力。
「朝食を食べた後、ご近所さんとゲストが一緒に、ガイドブックには載っていない場所や地元の人しか知らない場所に出かけていくこともあります。旅先で出会った人から聞いた場所へ行ってみる。そんな余白を楽しむのも旅の醍醐味のひとつですね。
滞在中に知り合った人と会うために、長野を再訪するゲストもいます。『この街にまた訪れたい』と思ってもらえるよう、色々なきっかけをつくっていきたいです」
そうして「旅人にとって、自分に合った旅ができるように」と心がけている織絵さん。受付の際には、ゲストそれぞれの目的や過ごし方を丁寧に聞いているそう。一人でゆっくりと過ごす旅、誰かと出会う旅など、最適な旅を満喫できるように、ゲストとローカルの様々な接点を築いている。
《 大切なご近所さん 》
織絵さんが「1166」を開業する前のこと。ゲストハウスを開業しようと長野を訪れた時、「こんな物件ありますよ」とか、「この人に相談すると助けてくれるよ」など色々なことを教えてくれるこの街の先輩たちがいたそう。様々な面でサポートしてくれたことが心強かったと言う。今でも、そんな心地いい「ご近所付き合い」があるのだとか。
「仕事でも、プライベートでも、困った時に、ご近所さんが手伝ってくれることもあって。そんな頼れるご近所さんがいることも、この街の住みやすさのひとつですね。
ゲストにとっては、この街の人や情報が面白いから、旅が面白くなると思っていて。再訪した時に、以前と変わらず、お店や人にまた会えることが、街の魅力にもつながると思います。この街の人たちとのつながりはとても大切ですね」
取材に行った日は、近くに住む知り合いたちが「1166」に集まり、新年会を開催していた。スタッフ、地元の人たち、赤ちゃん、みんなでテーブルを囲む。そんな風景の中で、この街を訪れる楽しみを発信し続ける織絵さん。ぜひ長野に来た際は、旅の出発点に「1166バックパッカーズ」を訪れてみてはいかがでしょうか?