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【長野】HÜTTE muumuu 村岡利恵〈後編〉 移住したら訊かれる3つの質問

2017.03.07

こんにちは。
前回の記事で移住したら訊かれる質問のうち「なぜ長野に移住したの?」「どうやって生計を立てていくの?」の2つについて書きました。そして今回は最後の質問です。


質問3●ずっと長野に住むの???

少し前置きが長くなりますが、長野に来るまでの話を遡りますね。

30代半ばに『フィガロヴォヤージュ』という旅雑誌の編集をやっていました。メキシコに手仕事を取材しに行ったり、仕事でいちばん充実していた時期だったのですが、リーマンショックなどもあり休刊の憂き目に。

一旦雑誌編集を離れようと思い、当時の上司に退職したいと伝えたら「ムームー、会社にいればお給料も出るし、その間にやりたいことをやってみるのはどうかな?」と意外な答え。とっさに「海の近くに住んでみたい!」と言い、渋谷から1駅の池尻大橋から、電車で2時間通勤の神奈川県二宮町へと引越しました。

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二宮町で好きな場所、吾妻山。朝起きたらベッドから相模湾が見渡せる、高台の一軒家に住んでいました。通勤2時間もフレックス制で難なくクリア。

 

二宮での暮らしは、「僕らの酒(※現在は大磯農園)」という酒米を育てて日本酒を造る会にはいったこともあり、土日は畑仕事をしたりと充実。「ちょっとこの町、楽しいことが起こりそう」という編集者としての予感もありました。「大磯市」という県下でも有数の朝市や、『海の近く』というフリーペーパーの創刊なども、当時あーだこーだ飲んで話してた町のキーパーソンたちが始めたプロジェクト。

自分もそういうことにコミットしたいと思いつつ、理解ある上司が定年退職し、会社員としての立場が微妙になってきたのもあり、一旦都内に引き上げました(結局会社はすぐに辞めてしまいましたが)。その後はまた海辺の町(横須賀市久里浜)に戻り、2年ほどフリー編集者をしていました。

そんなにも愛着のあった湘南ですが、長野に発つ前にいろんな友達に温かく見送ってもらったことで、「あ、ここはいつでも帰れる場所だ!」と妙に安心できたのが、離れられた理由のひとつでした。いまはSNSで交流が続けられることも大きな要素。

移住を考えてる人は、いまいる場所が好きで戻りたいと思えるかどうかも、一度考えてみるといいと思いますよ。逆説的ですが、意外と大事なことだと思います。

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『Hanako』鎌倉特集での撮影風景。友人の寒川 一さんが主宰する焚火カフェ。湘南でいろんな働き方をする友人に出会えたことは大きかったです。

 

で、長野に定住するかという話。実は大町市の高瀬渓谷近くに家を買ってしまいました。中古の平屋建て別荘。でも定住を強く意識したわけではないのです。

物件の佇まいが気に入ったというのもありますが、購入資金があったこと、家財道具を家賃支払いなしに置いておける=身軽になれることや、冬のスキーやカフェなどひと通り好きなことをやってみるための拠点として、というのが現段階での本音です。

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これが一目惚れした別荘。「これはカフェができそう」「家で仕事するのによさそう」とか、やりたいことのイメージが浮かびました。

 

移住先での人間関係もあるし、「定住しないかも」なんてことを迂闊に書いていいのかなと迷いました。

でも恋愛と同じで、付き合い始めの浮かれた気分から、もう少しお互い深いところを知ったり、折り合いをつけたり……今はそんな感じかもしれません。でもその段階までたどり着けたなら大したものだなと。朗らかでよい関係を築きたいと思えているのですから。

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長野に引越して2日目。八方池まで散策した帰りに虹が迎えてくれるとか、これからいいことが起こるんじゃないかとか、運命感じたりしますよね(単純)。

 

そういえば、携わっていた旅雑誌のテーマは「暮らすように旅する」でした。長めの旅をすると、行きつけの飲み屋さんができたり、お散歩で顔なじみができたり。その町のアウトサイダーだけど、「旅」と「暮らし」の境界線が曖昧になってくる感覚が私はとても好きでした。湘南のときも今回の長野も、ちょっと長い旅の延長線上だなと感じています。

地方創生が盛り上がっていますが(小谷村地域おこし協力隊の話はまた機会があれば)、使命感や強い決意に駆られるよりは「ちょっと来てみたけど、気持ちいい町だから長めに滞在しようかな」くらいのところから、一個人としてしたいこと/できることを見つけるほうが、私は楽しく過ごせる気がしています。

そんなこんなで長野暮らしも2回目の冬が終わろうとしています。かいたそばから積もる雪に、氷点下になる室内。温暖な湘南に比べるとハードだけど何とか越せそうです。スキーは思うように上達しないのですが、焦らずまた来シーズン頑張ればいいかな。

毎日北アルプスの雄大な山並みを眺めて、旅の始め(恋の始め?)のわくわくする気持ちを思い出しては、長野での暮らしへの手応えを感じています。

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昨冬スノーシューで栂池自然園をハイク。ずっと海派だったけど、ひたすら大きい北アルプスを眺めていると、まぁ日々起こることなんて何とかなるかと思えます。

 

【お知らせ】
3月25日(土)18:00〜21:00に『real local』長野のオープニングイベントが開催されます。私も移住者のひとりとして、ゲストスピーカーで参加予定です。詳細はこちらをご覧ください。
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