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「これからの東北の家づくり」Report

快適な生活=エネルギーを減らすこと

2017.03.30

夏は猛暑で冬は氷点下になる、厳しい気候の山形。より快適に暮らすため、未来の住まいづくりにはどんな可能性があるのか。

山形の住宅関係者が集まり、トークイベント「これからの東北の家づくり」が開催されました。

トークゲストは、東北芸工大の教授で、株式会社みかんぐみ共同代表の竹内昌義さん、東京大学大学院准教授の前真之さん、株式会社夏見工務店代表の夏見諭さん。

「断熱性能」「気密性能」を高めることで、日々の暮らしにどのように影響するのかを探っていきました。

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現在、ヒートショックが原因で自宅で倒れる人は年間約17,000人。原因は室内温度が一定に保たれていないことです。竹内さんはここに、日本の住宅の貧しさがあると言います。

「これからの東北の家づくり」Report
高断熱にすることは、省エネにつながる。山形市に建設されたエコハウス〈HOUSE-M〉では、真冬日でも、朝と夕方薪ストーブをつければ1日中20~25°の暖かさを保てる。さらに、東北での一般的な光熱費と比べ、エコハウスは年間なんと100分の1も光熱費が安くなる。「エネルギーのかからない家は、生活の幸福度を上げるんです」と、竹内さんの言葉は力強い。
「これからの東北の家づくり」Report
東北芸術工科大学の敷地内にある、高断熱・高気密を実践したモデルハウス〈山形エコハウス〉。特に日が照るような真夏日や、雪が積もり寒い冬の時期に訪れれば、室内の快適さをより一層実感できる。

 天井あたりがあったかく、足元が寒いなど、室内全体の温度が一定でないとき、人は無意識に不快と感じます。省エネや断熱性・気密性を「建築の様式」ではなく、「住み手の健康や快適性」として考えることが大切と、前さんは話します。

「これからの東北の家づくり」Report
「住み手は間取りやデザインなど“目に見える”部分に注目しがち。しかし、“目には見えない”部分、冬のあたたかさや夏の涼しさ、省エネ性能こそが生活に直結し、住み手と設計者とが密に話し合うべきポイント」と、前さんはきっぱりと話す。住み手目線でのエネルギーの捉え方は、目から鱗だった。

断熱性や気密性を考える上で、肝となってくるのが「窓」。間取りを考えるときは、熱と光とのバランスがとれた窓を組み込むことも大切だと気付きました。

高性能住宅は新築に限った話ではありません。まちなかに点在している中古住宅をリノベーションし、そこに省エネ性能を加えれば、その住宅の価値は一気に上がります。

中古では、一般的な新築と変わらない金額で省エネ性能を加えたリノベーションができるといいます。

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「新築を建てる前に、中古住宅の可能性を知ってほしい。生活の豊かさをトータルで考えて、新築以外の選択肢もある幅広い体制を山形でつくりたい」と話す、株式会社マルアールの水戸靖宏さん。

〈山形R住宅構想〉では、中古住宅のリノベーションに加え、快適性と断熱性・気密性を高めることで、その価値を長くつなぐシステムを構想中だといいます。

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専門的で嫌厭しがちだったエネルギーのこと。しかし実際はとてもシンプルで、自分たちの暮らしをどう快適にするか考え実践することが、自然と省エネにつながるのだと感じました。

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