【長野】小谷ファットバイクセンター 新井東珠さん・あゆ子さん〈前編〉 協力隊で結婚。ある夫婦の定住の話
「地域おこし協力隊」という制度。興味を持っている方も多いのではないでしょうか。
高齢化や人口減少による過疎化が進む地方で、主に都市部からの人材を受け入れることで地域を活性化させようという制度です。スタートは2009年、2015年度の総務省資料では673自治体が2,625名の協力隊を受け入れています。
かくいう私もこの制度に応募して、2015年に長野県小谷(おたり)村へ移住しました。私が着任したときには14名の隊員がすでに小谷村にはいましたが、その中から2名の元同僚をご紹介します。
新井東珠(とうしゅ)さんとあゆ子さん。名前を見てもわかりますがご夫婦です。夫婦の場合、どちらかが応募して着任するケースが多いのですが、この2人は協力隊で出会い、2016年に結婚。年齢は私と同世代の40代前半。これが少しユニークな点。
というのは、協力隊同士や地元住民とのとの結婚というケースは少なくないのですが、それは20代の若い隊員の場合。
40代前後の単身で着任するひとの多くは、「嫁に来い!」「嫁をもらえ!」という地元プレッシャーも「そうですね~」と軽く受け流せる処世スキルを携えつつ、自分の趣味やライフスタイル重視で移住するひとが多い。「余生を過ごすぞ!」とまでは悟ってはいないのですが、まーそのうちでいっか、とつい恋愛事を後まわしにしてしまうのです。私の場合ですが。
だから、この2人がどうして結婚をしたのか、どうやって小谷村で暮らしていくのか、一度ちゃんと聞いてみたかったのです。
まずは、あゆ子さんの移住ストーリー。
横浜出身で、20~30代にかけて青年海外協力隊でケニア、JICAでガラパゴスに駐在していたという経歴を持つ彼女は、英語も堪能なキャリアウーマン。ガラパゴスから帰国後は本人曰く「セカンドライフ」を8年ほど過していました。週2~3日程度の仕事をして、ミニマムな収入での暮らし。
そのころに先行して隣の白馬村に移住していた両親を、登山やスキーを兼ねて頻繁に訪ねていました。その時たまたま小谷村の地域おこし協力隊でアウトドア事業担当募集を発見、採用されました。
「セカンドライフ化が加速する」と心配する都会の友人には「50までに趣味の合うひとも見つけて結婚する!」と公言しての移住でした。
そして、東珠さん。「マッドサイエンティスト」なんて仲間内では冗談で呼ばれたりする、理系の研究畑を歩んできたひとです。
スキーやフリークライミングとアウトドアスポーツをやってきた彼は、スノーボードを始めたのを機に、2005年から白馬村岩岳に通い始めたそう。彼の人柄のせいか、同じ宿に泊まっていたおじさんに気に入られ、「ホワイトモンキース」という岩岳のトレーニングチームに所属もしています。
ちょうど自転車のヒルクライムにもはまっていて、長野に移住するための仕事を探していたときに、小谷村の自然エネルギー担当に応募、採用されました。ところが、東珠さんは自然エネルギーの仕事をする上での理想と現実の違いに戸惑うのでした。
ここまでが前編。
その後どうやって東珠さんにブレークスルーが起こり、結婚(!)に至ったのかは、後編に続きます。
屋号 | 小谷ファットバイクセンター |
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住所 | 長野県北安曇郡小谷村千国乙12850-1 |
備考 | スノーシーズン&グリーンシーズンとも、ファットバイクのガイドツアーなど予約は随時受付中。Facebookからでお問合せを。 |