【長野】tsunagno opening party 若者のためのフリースペース、誕生!
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3月25日、長野市でコワーキングスペースを運営しながら「起業・創業」「移住・中山間地」「教育・子育て」の3つをテーマにして活動し、このreal local長野の運営も行っている株式会社CREEKSが、新しいフリースペースをオープンしました。その名前は「tsunagno(ツナグノ)」。
善光寺へと通じる中央通りに面したリノベーションビルの2階でコワーキングスペースをこれまで運営してきましたが、その1階をtsunagnoとしてオープン。
いちばんの特徴は「25歳以下は無料で使える」という、若者のためのスペースであるという点。今回はそのオープニングパーティーのレポートから、ここがどんな空間になっていくのか、紐解いていきたいと思います。
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CREEKS代表取締役の古後理栄さんの挨拶で印象深かった言葉は、「地域に開かれたスペースであり、若者のサード・プレイスにしていきたい」ということ。
来賓の長野市商工観光部部長・久保田高文さんの話では、長野市では進学や就職で県外に出ていってしまうため、15〜24歳の若者が少なく、2015年の統計では38%しか長野市に戻ってこないという状況があります。また高校3年生にとったアンケートでは、長野市で将来働きたいと考えているのは29.9%という厳しい現実も。
「若い人たちと、地元の企業のかた、教育や行政関係の大人の皆さんとこの場所を作っていきたい。その関係をこの場所で繋ぐの(=ツナグノ)が私たちの役目」と古後さん。
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このtsunagnoのオープンにあたっては、「GREEN FUNDING by T-SITE」内に解説された地域特化型クラウドファンディングサイト「Show Boat」も活用しています。これは長野県信用組合と株式会社ワンモア、CREEKSの3社で運営されており、tsunagnoから出たアイデアを実現化していく上で特筆すべきポイントでもあります。
大人たちによるオープニングセレモニーの後は、若者5組によるプレゼンテーションが行われました。
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今後tsunagnoの顔となる波多腰さんは、軽妙なつかみで場を和ませ「悩みや価値観を共感できる空間づくりを行いたい」とプレゼン。
高校生の中村さんは、家と学校との往復だけの生活から、CREEKSのコワーキングスペースに出入りするようになった経緯や、そこで大人と接することで、逆に「学校での勉強を頑張らないといけない」と考えるようになった自身の変化の話をしました。
つなっぷるの丸山さんと水戸さんはユネスコの理念と自分たちの活動をプレゼンし、藤原さんは信州帰省フェスの紹介や、今後考えている「@SHINSHU」というメディア作りの構想を発表。その名も異色の「愚痴聞き屋」の3名は、レジャーシートと看板だけでもサード・プレイスが作れる可能性を示唆しました(いままでで聞いた最長の愚痴は約1時間半だったそう!)
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何となく来場者同士が打ち解け、顔と名前が一致したところで、午後の部の「若者×大人ディスカッション」がスタート。大人2人×若者2人による代表ディスカッションの予定でしたが、CREEKSの広瀬 毅さんの一言で、来場者全員が車座になって話すスタイルに。
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ディスカッションでは波多腰さんが進行役を務めました。まず「tsunagnoをどんな場所にしたいか?」というテーマでスタート。tsunagnoの仕組みとしては、若者(25歳以下)は登録をすれば無料で使えるけれど、大人は有料のカフェを利用をすれば使えます。
高校生からは「おこづかいには限りがあって、コワーキングスペースのイベントに参加したら使い果たしてしまう。そんなとき、大人のみなさんが『いいよ、おいでおいで』と温かく迎えてくれた。そうやって(目に見えないけど)もらったものに対して、私がこの場所で返せるものがあるのかな?と思っています」という声。
「地方に若者が戻れない理由のひとつは、長野では職業の選択肢が限られているという思いがあるからでは? でもこの場所で、いろんな働き方をしている大人や仕事のモデルを見られることで、その思いを変えられるきっかけになればいい」という意見も。
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そもそも、この場に集っているというのは、若者も大人も、居場所がほしかったり、「何かしたい!」という強い意識があるひとたち。ひょっとしたら、その存在は世間では少数派かもしれません。「じゃあ、あなたの周りの友達はどう思ってる? この場所へ若者が集まるにはどうしたらいいだろう? 」という問い。
「うーん、友達はワンオク(ONE OK ROCK)だけ聴ければいいって子が多いかな……」と答えて、「あ!あのひととしゃべりたいってひとがそこにいつもいてくれるといいかも! JKストライクなんですよ、波多腰さんって!!」と思わぬ意見が。かっこいい男子がいることで、友達を呼びやすいという女の子らしい意見に場内に笑いが起こりました。
気軽に入れる空間だとわかる入口を作るといい、週に1回コミュニケーションカフェを開く、備品をみんなで作るDIYワークショップをやる、「ホラー映画観ながら闇鍋」とかイベントは人数にかかわらずやってみる、キッチン併設を活かしてみんなで食事をする……。来場者からも様々な提案がなされました。
とにかく「楽しいことをしたい!」という若者の思いはある。その場=tsunagnoができたという現実もある。ここから少しずつ空間がかたち作られ、役割が生まれ、機能していく。このオープニングイベントでは、何かをやってみるための種を見つけたひとも多かったのではないでしょうか。だって、みんな連絡先を交換しまくっていたしね!
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