【篠山】集落丸山にフレンチレストランが戻ってきた!「ひわの蔵」
~卓上の芸術を食べに行こう!~
兵庫県篠山市御岳山の谷筋最奥に、今も美しい景観を残す丸山集落がある。春には鶯が唄の練習を、夏には青々とした水田を駆け抜ける風が気持ちよく、実りの秋を経て耐え忍ぶ冬がやってくる。この集落に古民家の蔵を改装した一軒のフレンチレストラン「ひわの蔵」がオープンした。同集落には古民家の宿「集落丸山」があり、都会の喧騒から離れ、ゆっくりと滞在できる。最高の食と最高の環境という至福の時が私たちをまっている。
日本人が日本人として暮らさなくなった現代に、日本人としての魂と暮らし方を教えてくれる土地。12軒6世帯で成り立つ集落に、腕のある3人の若者が移り住んだ。異人館、港の文化が色濃い神戸の地、フレンチの名店ジャン・ムーランを経て、有馬の地で腕を磨き上げたシェフが弟子とおもてなしのプロを連れて丸山集落へやってきた。
実は今回のオープン(2016年10月)は「ひわの蔵」にとって二度目となる。先代のオーナーはフレンチの巨匠、高柳好徳シェフだ。古民家の宿「集落丸山」とともに営業を開始したのは2009年のこと。お昼は遠くから車で来られるお客様で賑わい、夜には真っ暗になる集落がほんのり明かりに照らされる。
そんな「ひわの蔵」も3年の営業の後、高柳シェフが病に倒れてしまい一時は休業となる。現在、「ひわの蔵」を守る3人の先鋭たちは、一時奇跡的に回復した高柳シェフとともに、店を再開する意思を持って集落にやってきた。だが、願いは叶うことなく高柳シェフは亡くなられてしまう。高柳シェフの意思を継ぐ3人の先鋭が今も集落丸山にあたたかい光を燈し続けている。
落ち着いたダークブラウン調の店内にアンティークなインテリアの設え、歩けばきしむ木の音が中世の世界へと誘ってくれる。
食材は地元野菜と近隣地域の牛肉や魚介を仕入れている。農家から直接仕入れる色とりどりの野菜サラダ、ロゼ色に焼き上げられた猪肉、魚介はシェフが丁寧に作り上げたソースで引き立てる。もちろんスイーツ全品が丁寧に手作りされている。秋、冬には猪や鹿のジビエ料理を振る舞ってくれる。
村木シェフは言う。
「農家さんが丹精込めて作った野菜だから、丁寧に作り上げたい」
「鹿や猪は、日本ではある季節と特定の部位しか食されていない。上手に保存し料理すれば夏の鹿は美味しいし、猪も鍋料理やステーキの他に様々な調理方法があり無駄を出すことなくいただくことができる。ほとんどの部位を調理方法次第でいただけることを、食べる側にも伝えていきたい」
「村の方々、農家さんにいつもお世話になっている。高柳シェフにもたくさんお世話になった。たくさんの人に支えられている。自分たちにできることは、食材と真摯に向き合い、気持ちを込めて料理を作ること。」
ひわの蔵のフレンチは、目で見て心で感じる、まさに芸術そのものなのだ。彼の作る料理には全てに背景があり、言葉の背景には大地や大勢の人が見える。訪れた人は「今までで一番美味しい料理だった」と彼の料理の虜になってしまう。
こんなにも地と想いに浸れるレストランはあるだろうか。ひわの蔵は、大地に溶け込むように在る食のアトリエなのだろう。食後には、日本の原風景の中をゆっくりと散策してみてほしい。きっと、大地の精霊に出会えるはずだ。
名称 | ひわの蔵 |
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業種 | 古民家を改修した絶品フレンチレストラン |
URL | Website:http://maruyama-v.jp/food/hiwa/ |
住所 | 〒669-2361 兵庫県篠山市丸山42 |
TEL | 079-552-5560 |
営業時間 | ランチ 12:00-15:00 |
定休日 | 水曜日(祝日の場合は営業)、その他不定休あり |
アクセス | <お車でお越しのお客様> <電車でお越しのお客様> |
料金 | ランチ コース:¥3800、¥5800 |
備考 | ひわの蔵は古民家の宿「集落丸山」に隣接したフレンチレストランです。 ランチ、ディナーのみのご利用の他、古民家の宿にご宿泊いただけます。 宿泊をご希望の方はコチラ→「集落丸山」http://maruyama-v.jp/ |