【長野】「荒物雑貨店」改め、イタリア料理店 パスタと自然派ワイン こまつや
2009年のオープン以来、長野市門前裏通りの賑わいを支える、予約必至の人気店、「 パスタと自然派ワイン こまつや 」
できる限り、信州産の野菜や有機農家から仕入れた食材を使い、パスタメインのイタリアン料理を提供している。ワインは全て自然派ワインで、長野県産ワインも揃う。
店を切り盛りするのは、オーナーの廣政真也さんと妻のあやさん(現在育児休暇中)、そして少数精鋭のスタッフだ。
廣政さんは結婚の挨拶であやさんの実家を訪れた際、開店休業状態だった荒物雑貨店の旧小松屋を見て、観光客で賑わう表通りから1本入った雰囲気と、こじんまりとしてちょうどいいスペース感を「もったいないな」と直感。「ここでお店をやれたら面白いなってイメージがパッと浮かんだ」と回想する。今では近所の子供たちから「オッさん!」と体当たりされる人気者だが、営業中は多くを語らない仕事人で、取材時にはおごることなくしっかりと前を見つめた話しぶりが印象的だった。
「コンセプトでもなんでもボーンと目立つような店は案外長持ちしない」
こう話す廣政さんは、デザインの目線で47都道府県の個性を追った観光ガイド『d design travel』や、良質な日本のメーカー企業商品の復刻、リブランディングをする「60VISION」などで知られるナガオカケンメイ氏のもと、「ロングライフデザイン」をテーマとするストア「D&DEPARTMENT東京」と「D&DEPARTMENT大阪」のカフェ部門を経験。ここで、暮らしの中で長く愛される「ロングライフデザイン」の感覚を磨いた。だが、当初は、たまたまキッチンの手伝いからこの仕事に就いたそうだ。
しかし、次第に仕事の魅力に取り憑かれ、夢中になると同時に、特にチーフを務めた大阪店時代は多忙を極めた。そのなかで、本当に美味しいものとは何だろうと問い続けるうちに、だんだんと自然に近い食材や、自然派ワインを追うようになったという。
現在はそうしたこだわりを軸に、「できるだけ本質をとらえながらも高級にならないよう、行き過ぎないで、店づくりをする」ことで、多くの人に受け入れられつつ長持ちする商売を目指す。この辺りに「D&DEPARTMENT」で培った「ロングライフデザイン」のDNAが生きていそうだ。
長野市の旧中心市街地として栄えた地で、箒やちりとりなど生活雑貨の店として、賑わいの一角を担ってきた小松屋。時を経た現在、商圏的には不利と言われた裏通りの、「いろんな人から『お客さん来るの?』って」懸念されたという場所で、こまつや はつい先日開店8周年を迎え、記念日の営業をフル回転で駆け抜けた。長野市善光寺門前を訪れる人々の新たな目的地として、見事に生まれ変わったと言って良いだろう。
自分のお気に入りの場所のひとつとして長く通ってもらえるよう、経営する側が、短略的な利益追求や、安易な商売に走らず、まずはそうした良心を持って店づくりをしようよ、という廣政さんの意思は、周辺の新たな店主たちにもひろがり、徐々にこの町の鼓動となって、訪れるものを惹きつけているようだ。
名称 | こまつや |
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業種 | 飲食店 |
URL | |
住所 | 長野県長野市西之門町500-8 |
TEL | 026-235-4040 |
営業時間 | ランチ 11:30~15:00(14:30 L.O.) ディナー 18:00~22:00(21:00 L.O.) 現在ディナー営業は金土日祝のみ、詳細は営業日カレンダー をご確認ください |
定休日 | 毎週水曜、第2第4火曜 |
アクセス |