【長野】スタディツアーをつくろう!@善光寺門前レポート 善光寺門前の体験型ツアーを企画
「real local長野」を運営する「CREEKS」が新たに若者向けのフリースペース「tsunagno(ツナグノ)」をオープン。そのオープニングイベントの一環として、ワークショップ形式のプログラムが行われました。
今回は全国各地で地域に密着したツアーを企画している(株)Ridiloverの豊田健さんをゲストに迎え、善光寺門前のまち歩きを通じて体験型ツアーを企画し、同社が運営するスタディツアー掲載サイト「Travel the Problem」への掲載・参加者募集を目指そう! というもの。まちを歩きまくって人を呼べるコンテンツを見つけ、イベントに落としこんでみよう! という企画です。
あいにく激寒な天気となってしまった午前10時。会場となる「CREEKS」に集合し、ゲスト・豊田さんのイベント説明を聞きました。
なんとこの方、東京・長野・広島・神戸の4拠点居住をハンモックで展開するスーパータフな25歳。イベントはもちろん、そっちのほうにも興味を持ってしまいました。
その後「CREEKS」の運営者の1人であり、建築家でもある広瀬毅さんから、善光寺界隈の建物の歴史レクチャーを受けました。ここは今、リノベーションが盛んな場所ですが、歴史的な建物の改修は昔から行われていたそうです。藤屋御本陣さんや、その斜め向かいにある郵便局などがよく知られますが、長野オリンピックを経て、もっと普通の建物もリノベーションして活用され、現在のリノベで盛り上がる門前町の全景ができあがっているとのこと。
本日の参加者は総勢6人。職種、年齢、性別もさまざまな人が集まりました。皆に共通していた参加理由は「他人に門前の紹介ができないから知りたい」ということです。そう、意外と自分の住んでいるまちのことはわからない、知ろうとしないと知ることができないのが現状です。
休憩をはさみ、いざ、門前のまち歩きへ! 門前といっても意外と広く、結構な数のリノベ物件があります。まわったのはその一部ですが、個性豊かなものが多く、自分たちの知らない場所がいくつもあることにあらためて驚きました。
どれもオシャレに改装されており、酒蔵をミニ劇場にしたようなものから、昔の芝居小屋さながらの天井広告がある物件までありますが、極め付けは公衆トイレ。なんと、中に祭り屋台が収納されていました。出るものも出ません。
約2時間のまち歩きが終わった後は「tsunagno」に戻り、2チームに分かれ、それぞれまちを歩いて得た、門前の体験メニューになりそうなものや出来事をディスカッションしました。
その体験メニューをつくるにあたり、ターゲットとなったのは高校生です。高校卒業後に進学などで県外に出る前、つまり高校生の間に地元の良さを知ってもらうことで、Uターンに結びつけることを今回の目的としました。そこで、各チームに1人ずつ入った高校生の意見を参考に、まちには何があるのか、何が面白いのかを話し合い、最終的な体験メニューを決めていきました。1つの目的に対しての世代を超えた話し合いは、思いもよらない意見が飛び交い、とても新鮮でした。
そして各チームの発表へ。
チーム1のタイトルは「コイする門前」。
まちあるきで寄った“鯉(コイ)焼き”を参加者みんなで一緒に作り、面白いと思った各所で写真も撮りながらまちを歩いて、最後に参加者同士で写真をシェアするというもの。そして、その写真をアルバムにするほか、オリジナルのガイドマップとしても活用し、さらにSNSで発信もするという、恋もできそうな内容でとても面白そうでした。
チーム2のタイトルは「JK、珍人ハンターになるツアー」。
門前をまち歩きし、その道中で買いものをして珍人(刺激を受ける面白い店員さんなど)や珍しいお店を見つけ、買ったものや見つけた人を、こちらも参加者同士でシェアをしながら会話をするというツアー。参加資格も面白く、JKの心(若々しい心)を持って参加するのが条件でした。最後は、門前を利用した今後の遊びの予定を参加者同士で立ててもらい、次につなげるという「ツナガルツアー」になっていて、ユニークなコンセプトから広がるネットワークには興味をそそられました。
発表後、豊田さんからそれぞれの企画がもっと売れるには、面白くなるにはどうすればよいかの意見や改善点をあげてもらうことで、企画の難しさと面白さを一緒に感じることができました。
今回、本当に短い時間ではあったのですが、各チームが面白い企画をつくれたことはとてもすごいと思いました。それは、集まったメンバーが真剣にまちのことを考え、実際に行動をした結果だからです。これを通じ、これから先、参加者はさまざまな場面で面白いことを企て、そして発信していける人となることでしょう。