塩屋に佇む、築100年の洋館
旧グッゲンハイム邸・イベントスペース
神戸の中心地から電車で20分程、JR塩屋駅に佇む築100年の歴史を持つ洋館。
JR神戸線を三ノ宮方面から西に向かうと、ちょうど須磨駅をすぎた辺りから、左に視界いっぱいに広がる海、そして右に広がる六甲山の緑、その中間を爽快に走り抜ける電車の時間を楽しむ事5分程でJR塩屋駅に到着。
そのJR塩屋駅の少し手前に、白とブルーグリーンが印象的な洋館「旧グッゲンハイム邸」がある。
「塩屋」は神戸市西部の垂水区にある穏やかな町で、東西に伸びる六甲山脈と海に挟まれた阪神間の中でも、最も山と海が接近する場所である。
かつて、塩屋は漁業、それから地名にも表れているように塩の生産が盛んな、素朴な田舎町だった。
けれど、明治時代になって、この土地の風光明媚さに惚れ込んだ外国人たちがこぞってサマーハウスを建てて住むようになったことから、いつしか海岸線の最前列(現在、JR神戸線が走る線路の前辺り)や海からすぐの傾斜地に、個性的な洋館が建ち並ぶようになった。
この築100年を超える洋館に新しい価値を加えたのが、音楽家の森本アリさんと奥様、そしてその仲間たち。
森本さんは、2007年、取り壊しされそうだったこの洋館を、仲間達とセルフビルドで少しずつ手入れし使えるようにしていった。
現在は、老朽化した洋館を保存・維持するために、多目的スペースとして運営し、音楽家のコンサート、ダンスの公演や、地域の会議場、貸レンタルスペース、ウエディング会場など、多岐にわたって活用されている。
運営を始めた当初は、森本さんたち自主企画の音楽イベントや、地域の会議場としての利用がメインだったのが、次第に、国内の著名ミュージシャンの方々から「使いたい」とオファーが入るようになり、現在ではここをスタジオとして使っての楽曲録音や、実験的なコンサートやイベントが数多く行われている。
音楽家達の間で噂を呼び、海外のミュージシャンたちが来日公演に使うことも多い。アルゼンチン、ブラジル、北欧など。
アーティストたちから「神戸でイベントをするなら旧グッゲンハイム邸で」と一目置かれている一方で、地域の夏祭りの場などにもなってお庭で巨大な流しそうめんが行われたりと、地域のハブ的存在ともなっている。