街のでんきやさん、走る走る走る

エスト昭栄中央店

「山形は街のでんきやさんが元気」という。パナソニックに限れば、量販店と街のでんきやさんとの販売比率は 55:45 。他県では80:20くらいの割合で量販店が攻勢なのが普通であり、山形の数値は「異常値」なのだそうだ。

でも、この東北の片隅のローカルの国道沿いにも巨大量販店は出店しているし、欲しい商品の価格をネットで調べてポチッとやれば自宅にまで安くカンタンに商品が届いてしまう世の中だというのに、街のでんきやさんが元気とは一体どういうことだろうか。

そんな疑問から始まったこのインタビュー。株式会社エスト代表取締役の佐藤さんと、エスト中央店店長の秋葉さんに話を伺ったあとで抱いた感想は「こんな街のでんきやさんこそ、これからのローカルに必要とされる存在だ!」ということであり「街のでんきやさんにこそ元気でいてもらわなくちゃいけない!」ということだった。

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佐藤さん:量販店さんと私たちとは商売の手法が全く違いますよね。あちらは大量展示した商品を、お店に来てくれたお客さんに見てもらって、あとは価格で決まる世界でしょう。

でも、私たちはいつもの顔見知りのお客さんのところに「困りごとはないですか?」とこちらから出向いて行って、自分たちの足で稼ぐ商売です。私たちの場合は、お客さんとの人間関係がまず最初にあるわけですから、そこがもうまるっきり違うんです。

とくにこの頃は本当に地域全体が高齢化していまして、電球が切れたからといって、自分で電球を買ったり自力で取り付けたりということができない人がすごく増えているのが現状なのです。私たちは、そういうことでお困りのお客さんのご要望を、それこそ電球ひとつ電池ひとつから何でもお聞きしてお応えしています。

 

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エスト代表取締役の佐藤守也さん。

 

秋葉さん:サザエさんの三河屋さんみたいな「こんちわ~」っていうご用聞きの電器屋なんです。

このエスト中央店には4人の営業マンがいますが、基本的に店舗には誰もいません。店舗にはお客さんは来ませんから(笑)。それぞれに担当しているエリアのお客さんのところへ毎日クルマを走らせては出向いて行って、お客さんと会話したりお茶を飲んだりしています。

基本はもう「困りごとは何でも言ってください」というスタンスです。暮らしのサポーターみたいなもので、住まいに関することなら何でもお聞きします。「電球替えでけろ」「洗濯機の調子が悪いがら見でけろ」「雨樋が壊れてんだけど」「雪が積もりすぎて困ってんだけど」とか、もう何でも。

たまに「天井裏になにかいるみたいなんだけど」なんて言われることもありますし、「ウチの息子に誰かいい人いねべが~」って結婚の相談をされることもあります。ふだんは東京にいらっしゃる息子さんが帰省しているときに「うちの母のことをよろしく面倒見てやってください」なんて頼まれることさえあります。

 

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エスト昭栄・中央店店長の秋葉啓一さん。自らも営業マンとして山形市内を走り回る毎日だ。

 

佐藤さん:ですから、営業担当は、お客さんがどういう家族構成なのかまで、それはもうよくわかってます。

お子さんが小学校に進学されたとか、大学に入って一人暮らしを始められたとか、そういうことまで把握していますから、そうした生活の変化のタイミングや、お客様の暮らしの状況に見合った提案を、電化製品だけでなく水まわりやお風呂やおうちのリフォームまで全てにおいてさせてもらっています。

そもそも、寝室の電球が切れたから取り替えてくれ、と言われれば寝室にまでお邪魔するわけですが、今の時代、お客さんの家に上がって、しかも寝室にまで入らせてもらえる商売なんてそうそうないのではないでしょうか。

時間をかけて顔と顔を合わせて言葉を交わしながら築いてきた、そうしたお客さんとの信頼関係や繋がりこそが私たちの強みであり、単にモノを安く売るのとは違う価値を提供しているのだと考えています。

 

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街を走りまわる営業マンたちのエストカー。今日も街なかを駆け巡る!

 

秋葉さん:これからの季節は、エアコンの取り付けで忙しくなります。これだって私たちだからこそできる提案というものがあるわけです。

「あの部屋にエアコンを付けたい」とお客さんがおっしゃったら、その間取りや広さを知っているからこそ「この機種がいいでしょう」とお薦めできるわけです。

さらに言えば、壁や梁や部屋の作りをきちんと把握した上で、家を傷つけることなく取り付けるには、エアコンはその部屋のどこにどう取り付けるといいのか。空気がどう流れるといいのか。そうしたことまで考えたうえで、販売から取り付けまでを一貫して責任を持って仕事します。

でも、量販店さんであれば、売場で売る人と、商品を取り付ける人が全く違うわけです。部屋を確認もせずに商品を売ることができることのほうが私たちからするとすごく不思議ですし、いきなり来た人に取り付けしてもらうのも不安じゃないかと思いますね。

 

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街のでんきやさんはもはや電器だけではない。家のリフォームまで、住まいのことや暮らしのこと、なんでも相談に乗ってくれるのだ。

 

佐藤さん:このエスト昭栄という電器店は、創業から76年を迎えましたが、創業以来ずっとこうしたお客さん視点に立ってきたからこそこうして生き残ってきたのだと思います。これからも、しっかりお客さんに支持され、お客さんに喜ばれる会社でありたいですね。

 

秋葉さん:今は、総合病院だけでなく、街のかかりつけ医が再び注目を集めている時代ですよね。わざわざ往診もしてくれる、いつもなんでも気さくに話ができて応えてくれる。私たちも、そんなふうに、電化製品のこと、水回りのこと、住まいのこと、暮らしこと、なんでもお困りの時にはすぐ駆けつけて行って手助けできるような存在でありつづけたいんですよね。

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名称

エスト昭栄 中央店

住所

山形市小立1-2-1

TEL

023-642-3560

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