「カナザワ映画祭」は死なない!
7/15(土)〜/国内6都市で拡大開催!
※終了しました。
切れば血がでるような、映画愛滾るイベント「カナザワ映画祭」。
爆音上映や、ギミック映画特集、自主映画公募など、ディープな企画が話題を集め、毎年北海道から沖縄まで、全国各地から観客が金沢につめかけていた。(過去の紹介記事はこちら)
2007年のスタート時から会場として使用していた、金沢都ホテル地下の旧ロキシー劇場取り壊しにともない、昨年の10回目をもって惜しまれつつ幕を閉じた——…はずだった。
しかし、ファンからの継続を熱望する声や、最終回にゲスト出演した内田裕也さんからの「やれよ!」のエール。
継続の道を映画祭代表の小野寺生哉さんが模索していたろころ、事情を知った各地のミニシアター関係者からも協力の手が上がり、一転「継続」の狼煙が上がった。
「まあ、私にとって映画祭しか人生の楽しみはないので場所があればいつでもやる気でしたが…」(カナザワ映画祭2017・代表コメントより)
今年の内容を見ると、単なる継続どころかめちゃめちゃパワーアップしている。まず、開催会場が金沢を飛び出して、仙台・京都・山口・北九州と、全国各地に飛び火している。
皮切りとなる、7月15日(土)〜17日(月祝)の金沢会場も「金沢21世紀美術館」と、現代アートの本丸での開催。
金沢では、2011年から恒例となった自主映画公募企画「期待の新人監督」特集。90本近くの応募の中から選りすぐりの22作品を上映。最終日には授賞式もある。
そして金沢でのもうひとつの目玉は、奇書「家畜人ヤプー」を企画し、現在映画化を企む伝説のプロデューサー・康芳夫氏と、映画「家畜人ヤプー」の監督を望む映画監督・熊切和嘉氏の鬼才トークショー。
続いて、8月3日(木)〜6日(日)は山口市の山口情報芸術センター(YCAM)で音楽ライブ用の機材を使う「爆音上映」特集。8月11日(金)~13日(日)はUFOの町として知られる石川県羽咋市のコスモアイル羽咋を会場に「幽霊の出てこない怪談映画」特集。
9月8日(金)〜10日(日)からは北九州市の七十八年の歴史ある映画館「小倉昭和館」を会場に「バイオレンス映画」を特集。9月16日(土)、17日(日)は金沢市で開かれる金沢ジャズストリートの企画の一環として、サイレント映画のジャズバンド演奏付き上映を。
10月7日(土)〜9日(月)は京都市のミニシアター「京都みなみ会館」でエロチシズムをテーマに1990年代のオールナイト上映。11月には、故・鈴木則文監督ゆかりの仙台市の「桜井薬局セントラルホール」でも上映を計画。
地方発映画祭の、東京を経由しないローカルtoローカルな伝播方式に時代を感じるし、各地の文脈も踏まえた「ここだからこそ」な企画がおもしろい。
「カナザワ映画祭2017」は、今までは金沢に来れなかった遠方組も参加できるので、ぜひこの機会に映画祭を「目撃」してほしい。