いったい何者?「産調ガールズ」に迫る
山形市立商業高等学校・産業調査部
山形の「産調ガールズ」がいまアツい。
そんなウワサが、リアルローカル山形に届きました。
「産調ガールズ」とは、山形市立商業高等学校(以下、山形商高)の産業調査部に所属する女子高生たちのこと。商業高校生の視点から、山形の地域活性化につながる研究・活動をしています。
今回は、特別に山形商高にお邪魔して、部活動の様子をのぞかせてもらいました。
教室に入り目に飛び込んできたのは、発声練習をするセーラー服の女の子たち。アナウンサーの訓練のように、声を合わせ早口言葉をリピートしています。
その次は行進。一列に並び、一定の歩幅でさっそうと歩いていました。なんと清楚で規律ある風景…。
そんな産調ガールズたち、具体的にどんな活動をしているのか聞いてみると…
「一言でいうと、地域経済に関する“高校生コンサルタント”のような活動です」との答えが返ってきました。
直近3年間の活動テーマは「人口増大計画」。 少子高齢化が進むいま、地域経済の活性化のためには「人」が必要だと、彼女たちは考えました。 「人を増やす・留める・集める」の観点から、2年以上に及んだ研究。「高校生のためのウェディングフェア」の開催、「県有特許」に着目した企業誘致の提案など、活動は校内にとどまらず、街頭調査、全国へのアンケート配布、イベント企画など、まちや人と関わりながら精力的に活動を行っています。
もうひとつ、産調ガールズが注力したのは、老舗企業の研究です。
山形の老舗企業数が全国トップクラスであることに着目し、長くビジネスを続ける秘訣を地道な調査で探っていきました。
県内を中心に全国の老舗企業150社にアンケートを実施しました。その結果、ビジネスでは、「時代に合わせて変化すること」「守りながら攻めること」が大切であると学んだといいます。
調査結果をまとめた資料は、みずほ銀行山形支店に設置され、起業をしたい人に向けてメッセージを投げかけています。
産業調査部は、昭和14年に創部された歴史ある部活動。約7年前に伊藤広幸先生の働きかけによって、活動が復活しました。
「彼女たちの発案で、老舗企業をリサーチする際は手書きでメッセージを添えることもあったようです。ひたむきさが全面に出ているせいか、どの企業にも丁寧に対応していただけるんです。高校生のまっすぐなパワーはすごいなと、驚かされることばかりです」(伊藤先生)
彼女たちを突き動かす原動力とは、いったいどこにあるのでしょう。産調ガールズに聞いてみました。
「最初は『なんか楽しそう』っていう、軽い興味から入部したんですけど、実際は、リサーチやイベントなど足を使う活動で忙しくて驚きました。まちの人と関わることが多いので、自然と度胸がつくし、コミュニケーション能力が鍛えられるし、すごく勉強になります」(古澤さん)
「この部活をきっかけに、卒業後も地域と蜜に関わる仕事がしたい思うようになりました。将来は役所で働くことを目指しています」(芳賀さん)
2年以上の集大成として、「人口増大計画」の調査結果を12分間のプレゼンテーションにまとめています。その様子を見せていただきました。
グラフや図を多用したプレゼンシートとともに、なめらかな口調で調査結果が語られていきます。内容もさることながら、印象的だったのは、彼女たちの秩序正しい作法やたたずまい。最初にみた発声練習や、行進はこのプレゼンのためだったようです。
彼女たちはこのプレゼンをひっさげて、全国高校生徒商業研究発表大会に参加します。なんと山形商高は、去年に全国2位をとった強豪校なのです。
「まずは、東北大会での二連覇を狙います。そして、今年は全国1位になれたら嬉しいです!」と、意気込みを語ってくれました。
産調ガールズたちの活動は、以下のブログでご覧いただけます。
http://www.yamagatacity-ch.ed.jp/blog/?cat=15
今年もがんばれ!産調ガールズ!