蕎麦屋でラーメン! 6/みどり屋
なんでもいいから麺が食べたい。
なんて言ったら、そばにもうどんにもきしめんにもラーメンにも失礼だろうか。
だけども、とにかく麺をズルズルとすすりたいという欲望の輪郭だけははっきりとしていて、麺でさえあればあとはなんとかなる、みたいな確信を抱いた昼時をもし迎えたとしよう。その時には、旅篭町にあるみどり屋さんがいいのではないだろうか。
だって、麺メニューの数がすごいから。
のれんには「生そば」と書いてあるけど、もりそば、ざるそば、おろしそば、とろろそば、みぞれそば、かけそば、たぬきそば、きつねそば、月見そば、玉子そば、鳥そば、山かけそば、親子そば、にしんそば、冷やしたぬきそば、冷やし鳥そばといったそば類が揃っていることはもちろん、同様のメニューが、うどんにも揃ってるし、きしめんにも揃ってるのだ。
厨房におじさんがいて、接客をおばさんがやっている。たったふたりだけでこの店を回しているように見えるのに、これだけの品数を提示してくるなんて。きっと最適なオペレーションを編み出したのにちがいない。
さて、たくさんの選択肢を与えられた今、あとは選ぶこちら側の問題だ。
「生そば」ののれんを堂々と出し、これだけのメニューを差し出してくれたこのお店から「さあ、君はいったい何を選んで注文してくれるんだい?」と、セレクト力を試されているような。。。
さあ、どうする。シンプルなもりそばか。とろろそばとの違いを確かめるために「山かけそば」を頼むのもアリかもしれない。「冷やし鳥そば」なんかもう字面からうまさが滲み出しているような感じだ。いや、待て待て待て。山形では珍しいきしめんメニューが豊富だということは、店主はもしかしてきしめん推しということなのだろうか。。。
ああ、脳みそのなかが、ぐるぐると動く動く動く。。。。
な〜んて、悩んだりしないで、ラーメンにしちゃお。
それも、今回は、「メンマラーメン」にトライしたい。
ちなみにラーメン類もメニューがいろいろ揃っていて、ラーメン、メンマラーメン、みそラーメン、タンメン、チャーシューメン、五目ラーメン、中華もりそば、中華ざるそば、冷やしラーメン、冷やし中華(夏季間のみ)がある。
さあ、いただきます!
アツアツで、ごくごくシンプルな、これぞ王道!というくらいに見事な中華そば。
だってやっぱり、せっかく山形の蕎麦屋に来たんだから!
だからやっぱり、蕎麦屋でラーメン!
蕎麦屋のラーメンはホッとする味。
昔懐かしいような、まさに「中華そば」って感じの味。
過去と未来をつなぐ味。
これぞ山形。至るところに。
さて、お次はどこの?