「ワクワク」から新たなコミュニティーを
KIBILL/上水流輝さん
大人数で真夜中の街なかランを楽しむ「MIDNIGHT RUNNERS KAGOSHIMA(以下MRK)」、日曜日に現れる日本茶のポップアップストア「GOOD SUNDAY GREENTEA BAR(以下GSGB)」。今、鹿児島で非日常のワクワク感が味わえるコミュニティーやイベントが生まれている。
その中心にいるのがイベント企画チーム「KIBILL(キビル)」の上水流輝さんだ。
大学進学のため鹿児島を離れ、卒業後は東京のテレビ局やイベント企画会社で働いたあと、2013年2月に実家のリフォーム会社を継ぐためUターン。現在は本業の傍ら、イベントの企画、運営を手掛けている。
「KIBILL」とは鹿児島弁で結ぶという意味。人と人、人と企業、人と文化を結び付けたいとの思いからこの名を付けた。
活動を始めることになったきっかけは、東京時代までさかのぼる。イベント企画会社に勤めていた上水流さんは、休日になると会社外の仲間が主催する「MIDNIGHT RUNNERS TOKYO(以下MRT)」の運営に参加。深夜24時から東京の街でランニングを楽しむというものだ。これに関わったことで彼の価値観は大きく変わる。
「“真夜中に街をランニング”するという普通ならあり得ないことを面白がる人たちが集まるコミュニティーができていたんです。純粋にその場の空気を楽しむ参加者の姿を見て、イベントするのにお金を求めなくてもいいと気付きました」。
鹿児島にもミッドナイトランのワクワクを伝えたいと考えた彼は、MRTから暖簾分けの許可をもらい、Uターン前の2013年の元日にニューイヤーランを試験開催。参加した約40人からは好意的な感想が数多く寄せられ、彼が鹿児島に拠点を移し本格的な活動が始まると、100人、200人、400人と回を重ねるごとに参加者も増えていく。
活動はさらに広がり、日曜に早起きして地元食材の朝食をとる「キビル食堂」や、バリスタ姿で鹿児島産の日本茶を提供する「GSGB」も開催。「GSGB」では、ドリンク提供に使用したロゴ入りカップ持参で協力店舗のサービスが受けられたため、日本茶片手に街歩きを楽しむ人の流れが生まれた。
「僕のポリシーは、企画を箱の中で終わらせないこと。ミッドナイトランをきっかけに面白い人たちのつながりが生まれたり、日本茶を持って街に繰り出したりと、そのあとにストーリーがあることを大切にしています」と上水流さん。
その勢いは止まることなく、日本茶と地元食材を組み合わせたお茶漬けプロジェクトやお寺を巻き込んだ企画も進行中だ。
職場以外のコミュニティーに参加したい、面白い人に出会いたいという人は特に上水流さんの活動に注目してほしい。
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