【長野】IVY PRODUCTS/長野市 レザーアイテムを身近にする職人
革製品というのは、使っていくことで手に馴染み、年月とともに育てていく楽しみがある、というのはよく言われていること(そして買い物の言い訳に最適)。飽きのこないシンプルなデザインで、修理もしてくれるところがあれば言うことなし。
「IVY PRODUCTS」の高橋元康さんは東京・墨田区で修業をして、2014年に自身の店を開いた長野市在住の革職人。「うちはイタリアの革を使っているので、使い込んでもらうとその良さが出ます。金具の使用も最小限にして、できるだけ壊れにくいデザインにしているんです」。オリジナルの財布やバッグは約8種類の色から革を選べるセミオーダー式。名入れもできるので愛着がわく。
高橋さんはお客様からの要望に沿ったフルオーダーも請けている。「これまで依頼されたもので珍しいものは……楽器のアコーディオンのストラップですね」。以前取材した「ハナヤココボロ」小林孝士さんの道具入れも高橋さん作だ。基本はバッグなどの小物類が専門なので、フルオーダーはあくまでも「できそうなものであればご相談にのってみる」ということだが、お客様からの要望で作ってみたもので、カメラストラップやIDケースなど、定番商品となったものもあるそうだ。
ところで、お店にはオリジナル商品のほかにも、いろんなデザインの革製品が陳列されている。「これは職人仲間のもので、7ブランドくらいあると思います」。せっかく自身で開いたお店なのに、ほかの職人のものを扱うのってどういうことだろう?
「自分がお客様だったとしたら、テイストがひとつに決まっているお店って通っても面白くないなと思って。接客の仕事をしていたこともありますが、『THE 職人』の店というより、アドバイザーでいたいなって思うんです。それに職人仲間には自身のブランドをやりつつ、外部デザイナーとして有名ブランドで活躍している人も多いんです」
職人でありアドバイザーでもあるという高橋さんのニュートラルなスタンスは、オーダーでも既製品でもウェルカム。買い手もじっくり長く付き合えるアイテムを選びたくなるはず。