大仏と八十八か所巡り
山形市長のやまがた自慢 vol.4
山形市の個性ある自然、歴史、文化にまつわるエピソードを、佐藤山形市長がお届けするコーナー。山形市報から転載しています。
タイトルを見て「何コレ?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。「山形市に大仏なんてあるの?」「八十八か所は四国じゃないの?」という疑問が浮かぶでしょう。一方、このタイトルからすぐに「平清水」が浮かんだ方はなかなかのやまがた通ですね。
実は、かつて千歳山に大仏がありました。寛文12年(1672年)、山形城主であった奥平昌章公は、千歳山の南側に大仏殿六角堂を建立し、木造の巨大な釈迦如来を納めました。その大仏は約9メートルもあったといわれています。残念ながらその後、火災で消失してしまいました。
現在の山形市でもその片りんを見ることができます。江戸時代末期に大仏の再建が試みられましたが、頭部のみの制作にとどまりました。
作られた頭部は現在、平清水にある平泉寺の大日堂に納められています。実際に見ると頭だけでも巨大なものです。また、お顔は大変優しげで、見ていると心が和んできます。
大日堂は平泉寺の本堂より少し登った場所にあり、毎月28日の大日如来御縁日などで開堂する際に見ることができますので、ぜひ足を運んでいただければと思います。
八十八か所巡りは同じく平泉寺大日堂の裏山に、小さな八十八の石仏を巡るコースがあります。山道を上り下りしながらのいわばミニ八十八か所巡りです。おそらくかつてはレジャーやアスレチックのような感覚で楽しまれていたのではないでしょうか。出会う石仏に手を合わせつつ回って30分くらいで終わりますので、ちょうど良い運動になります。
平清水といえば平泉寺の桜や平清水焼などが思い浮かぶかもしれませんが、他にも面白い側面がたくさんあります。ぜひ皆さんも散策して魅力を再発見していただきたいと思います。
(広報やまがた平成28年2月1日号掲載)
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