学芸員トリオと歴史を語る夜。
歴史は地味だが役に立つ vol.4「ゆるふわ♪天神講イヴ」
※終了しました。
年が明け、初詣も落ち着いた夜。クマゴローカフェの片隅で熱心に話し込む、年始の仕事を終えたばかりの眼鏡の男たちが3人。
藤川「今日は旧暦で言うところの戊辰戦争が勃発した日だからね!150年前の鳥羽あたりは今頃大変なことになってんだよ!」
川波「正月早々、年始は敦賀行って、小松行って、能登行って、一日かけて祭礼を見て帰ったの夜中だった!」
角「年末年始は胃腸炎にかかりながらも、ヤフオクで貴重な史料を初めて競り落としましたよ!」
出てくるエピソードが次々と歴史や民俗学に彩られている彼らは、何を隠そう福井県内にある博物館の現役バリバリの学芸員。この学芸員トリオが講師となる歴史講座『歴史は地味だが役に立つ』は、クマゴローカフェで不定期に開催している毎回満員御礼の人気イベントです。
これまでに、「三角縁神獣鏡チョコの鏡割り」「三国志」「白山と泰澄」など、ゆるく、だけれども真剣な歴史の話を繰り広げてきました。参加者から、時折かなり深い質問が投げかけられる場面もあり、歴史が好きな人はもちろん、歴史初心者でも楽しめると話題になっています。
学芸員トリオの藤川さん、川波さん、角さんは同い年ということもあって、3人集まるといつも少年のように歴史トーク(もしくは学芸員トーク)に花が咲き、歴史や文化に対する熱量がとめどなくあふれてしまう様子。そのマニアックながらもユーモアあふれる3人のキャラクターが多くのファンを集めているようです。
今年、略して「歴地味」イベントは、月に一度の開催になるという噂が。そこでまずは、今月1月24日に開かれる『ゆるふわ♪天神講*イヴ』について、担当の川波さんにお話を伺いました。
「正月に天神様を飾るのは、北陸三県と新潟、長野の一部で見られる風習です。特に福井の嶺北地方では天神講の日である1月25日まで飾られます。福井でも地域によって掛け軸だったり人形だったり、いつ飾るのかも違ったりするので、実際にお正月に実家とかで飾りを見た人は、家族や親戚にいつどんな風に飾っているのか聞いてみたりするとおもしろいんじゃないかな」
*天神講・・・菅原道真の命日となる2月25日、あるいは毎月25日に行われるお祭り。福井市や坂井市、あわら市(いずれも福井県北部)を中心に、男の子が生まれると、子の母親の実家から正月前に天神様(=菅原道真)の掛け軸や人形が贈られ、それを飾り、25日に焼きガレイなどをお供えする風習がある。
福井に住む私たちにとっては、なんとなく行われていた慣習も、歴史を紐解くと意外なことがわかったり、急に意味を帯びてきたりするもの。一度は「歴地味」を味わって、もう一度自分たちの生活を見直してみれば、街や時間の厚みが増えて、一つ一つの行事や物事が楽しくなるはずです。
facebookのイベントページからも参加申し込み可能です!
https://www.facebook.com/events/751008588418426/