わかば たい焼き/やまがた手土産010
やまがた手土産010
今回お持ちしましたのは、「わかばのたい焼き」です。
山形市緑町。馬見ヶ崎川から七日町へ下りてくる通り沿いに昔からあるたい焼き屋「わかば」は、山形のたい焼きと言えばここ、というくらいの名店です。
何年か前、シベールアリーナに落語の柳家小三治師匠がいらっしゃった時の「まくら」が、わかばのたい焼きの話でした。
タクシーの運転手さんにたい焼き屋に連れて言ってくれとお願いしたらこの店だったとか、東京四谷にある名店の分店らしいだとか、一丁焼きするわかばのたい焼きは「天然物」で、一気にたくさんを焼く「養殖物」とはひと味違うものなんだとか、そんな話をされていたことを覚えています。
昔からあるお店であることは間違いないけど、一体いつからあるお店なのか。どんなこだわりがあるのか。そんな情報を、たい焼きを買うときに何かしら仕入れようと思ったんですけど、POPであるとかお店の紹介のチラシであるとかそういうものは店内に一切なく。
1個150円で、2個で300円、3個で、、、、なんてふうに10個までだといくらになるのかお客さんがすぐわかるように価格表がレジ前にあるのみでした。
まあ、いろいろ言わずにとにかく食べてみてよ、っていうことなのかなあと、いっそ潔いような印象を受けました。
私自身はそれほどたい焼きを頻繁に買うことはないのですが、やはり地元の名店だからでしょう、このたい焼きを見ると懐かしい人が思い出されます。
高校の時の恩師がこのたい焼き、大好きでした。亡くなった義理の母も、このたい焼き、大好きでした。
そういう思い出を彷彿とさせてしまうのが、このたい焼きの素晴らしいところなんだろうって、私は感じております。
reallocal山形ライター 那須ミノル
※シリーズ「やまがた手土産」は山形市在住のライター那須ミノルがじぶんの価値観に従ってセレクトした手土産たちの素敵なところを勝手にご紹介していくコーナーです。
reallocal福岡チームによる「ふくおか手土産シリーズ」も是非どうぞ。
text by 那須ミノル