「海鮮丼」に教えてもらう越前海岸の町のこと。日本海トライアルステイ2018 vol.2
都心に暮らしながら、生活を見直したい。田舎暮らしに興味はあるけれど、いきなりは難しい。11月に行われた「日本海トライアルステイ」では、「海鮮丼」を通じて町の人々と深く交流することで移住のリアルを体験しました。
前回のアーティストトライアルステイに続き、11月は一般募集を実施。移住や他拠点生活、ビジネスなどのそれぞれの目的でご応募いただきました。
また、参加者のみなさんには、reallocal福井独自のオプション企画として「海鮮丼ミッションインポッシブル!?」を体験してもらいました!町に住む人々とコミュニケーションを通じて、海鮮はもちろん、お米、醤油、器にいたるまで、すべて越前海岸エリアで手に入れながら参加者オリジナルの海鮮丼を作ってみよう!というミッションです。
11月のトライアルステイ1組目は、福井でのビジネスにご興味があるという、東京在住のフードコンサルタント・亀井さんと会社員の新宅さん。
まずはお醤油を手に入れよう!ということで鷹巣地区の糸崎町へ。
亀井さんはお寺や神社が大好きということで、ふらっと「糸崎観音堂」へぶら散歩しました。国の重要無形民俗文化財「糸崎の仏舞」で知られるこの観音堂は、なんと奈良時代から続く歴史あるお寺。1200年以上前から2年に1度、奇数年に行われる伝統行事を町の人が受け継ぎ、守り続けています。
帰ろうとしたその時、偶然にもお会いした「糸崎の仏舞」の仏舞保存会の伊坂さんに解説をしていただくことに。その貴重なお面や道具を拝見することができ、実物も観たい!!と一同興奮。偶然ではありましたが、町の歴史文化に触れる良い時間となりました(仏舞は今年2019年4月18日に実施予定です!)
そしてようやく、海鮮丼の醤油を手に入れるため糸崎観音堂からほど近い、明治から代々続く「岩尾醤油醸造元」へ。
お店へ入るなり香ばしい醤油の香りが。蔵に入ると、麹菌がへばりつく天井や背よりも高い大きな醤油樽に驚きを隠せません。岩尾さんから醤油の基礎を学び、自分で醤油を絞ります。
さらに、殿下地区で育ったお米を手に入れ、海岸沿いに工房を構えるワタリグラススタジオにてガラスの器制作を体験。いよいよオリジナル海鮮丼の完成です!
できあがった海鮮丼は、なんとせいこ蟹がまるまるのっている!外子もこんなにたくさん・・・こちらで企画しておきながら、非常にうらやましい出来栄えとなったのでした。
福井でのビジネスにご興味があるということでお越しいただいたお二人でしたが、海鮮丼を作るために各スポットをめぐりながら、とにかく越前海岸の自然の雄大さに感動しきりで、町の人と一緒に人生観について語り出してしまうなど、熱い時間を過ごされていました。
「小さな悩みがあっても、これだけ素晴らしい自然を目の前にしたら、どんなことも小さく思える」というお二人の言葉が、たいへん印象的でした。
私たちも海鮮丼を介して、はからずも自分が住む町の歴史や可能性、魅力に改めて気づかされるきっかけとなりました。また新しいつながりやアイデアが生まれて発展することを願うばかりです。