「発酵食文化」は先祖代々続く「愛のバトンタッチ」-12/8ローカルラーニングツアー小浜レポート-
2019.02.17
民宿「佐助」の森下さんの「へしこ小屋」で集合写真
12/8ローカルラーニングツアー小浜
その第6回は「発酵食を守り伝える」をテーマとした「ライティングツアー」でした。講師はライターの井上英樹さん。昨年のレポートになりますが、DSYG(だいぶ先日の様子をご覧ください)なのだ!
AM10:00、集合場所は小浜市田烏(たがらす)の釣姫(つるべ)漁港。日本海の北風が身にしみる。 すぐさま、はいっ救命胴衣。えっ、漁港でこれ着るってことは、もしかして、、、 その「もしかして」です。地元の漁師、浜家さんの船で、いざ鯖の養殖場へ!小浜市では「へしこ」や「なれ寿し」など鯖の発酵食文化が受け継がれてきました。まずはその現場を見に行きます。 若狭湾と鯖の養殖場。ここでは年間8,000匹の鯖を育て、全国へ出荷しているそうです。 鯖サバさば〜!背中の模様が美しい! エサをあげると、この水しぶき!浜家さんは毎朝「ごはんだよ〜みんなおいで〜」と声をかけながらエサをあげておられます。愛情込めて育て、美味しく食べてもらえることが生き甲斐なのだそう。 3年前から酒粕を与えて育てる『よっぱらい鯖』の養殖が始まりました。この付近の海域は、水温や塩濃度が鯖の成育に適しているらしく、研究者とともにAIの技術を使いながら、効率的な養殖を進めているとのこと。「後継者に養殖技術を伝えていくためには漁師の勘だけじゃなく、データも蓄積させていかんと。」と浜家さん。 続いて向かったのは、民宿佐助の森下さんの「へしこ小屋」。浜家さんが育てた鯖を「へしこ」と「なれずし」に加工します。 『鯖のへしこ』は、10月〜3月に脂ののった鯖を糠と塩で仕込み、夏の暑い日を越し、約1年間樽の中で漬込み熟成させた、発酵食品。 ちょいと試食。くぅ〜っ!嚙めば嚙むほど旨味がジュワ〜っと。「日本酒飲みたーい!」と皆さん叫んでおられましたね笑 さて、お腹が減ったところで、民宿佐助さんで昼食です。ローカルラーニングツアーOBAMAって、こんなに贅沢なの!? よっぱら鯖の刺身。痛みやすい鯖をお刺身で食べることができるのは、地元ならでは。 鯖へしこと大根のスライス。大根のサッパリ感がへしこの旨味とマッチしてる。塩辛いのが苦手な人でもパクパク行けます! 「鯖のなれずし」先ほどの鯖へしこを塩抜きし、米と麹でさらに半月漬込んだもので、これも佐助さんで作られています。小浜ではお正月の食卓に並ぶ。しかしやはり、日本酒を飲めないのが悔やまれますな。。。 昼食後は、森下さんお手製スライドショー!先祖代々伝わる「へしこ」や「なれずし」の作り方、生まれ育った田烏の風景や自然のこと、これらをどうやって次の世代に伝えていくか。地元愛あふれる優しい口調に、みんなウットリ♡
朝から船に乗り、昼は鯖のフルコースと、贅沢な1日でした。この体験を400字にまとめます。講師の井上さんから、書き方のコツを教わり、レッツ!ライティング!その様子をご覧ください。先ほどの和やかムードから一転。伝えたいことを限られた文字数に収めるのは、なかなか大変です。
最後は1人ずつ発表。広報誌への掲載をイメージしたもの、体験記風なもの、そして食育の絵本に仕立て上げた強者も。
今回のツアーで、鯖や発酵食の旨さを改めて痛感しました。僕は小浜出身で昔から食べ慣れているんですが、田烏で味わうそれは、もう別格でして。先祖代々受け継がれているってだけでもスゴいのに、美味しさのため、食べてくれる人のため、次の世代のため、なお進化し続けている鯖と発酵食文化。これはもう「愛」です。浜家さんと森下さんのほかにも、同じ立場で活躍する「ローカルヒーロー」が大勢おられます。こんな先輩方と同じ小浜出身ということを誇りに思います。
さて、今後のスケジュールです!
2/23(土)〜3/10(日)
LOCAL LEARNING TOUR in OBAMA 作品展@御食国若狭おばま食文化館
今年度の計6回分の写真やライティングが集まります。「参加者によって、小浜の見え方ってこんなに違うんだ!」「あのおっちゃん、実はスゴい人だった!」がいっぱい。お近くの方もぜひお越しください!