山田家 白露ふうき豆/やまがた手土産012
今回お持ちしましたのは、「山田家の白露ふうき豆」です。
ご存知ですか、「ふうき豆」。私たち山形市民にとっては、地域を代表する定番手土産のひとつと言っていいでしょう。
色々なお店やメーカーが「ふうき豆」を販売していますが、私が好きなのはそのなかでも特に、山田家さんの、銀の箱に入っているやつ。ピカピカしたこの箱を見るだけで昔懐かしいような気持ちが湧いてきて、おいしいお菓子が大好きだった死んだばあちゃんの笑顔が思い出されます。
原材料表示をご覧ください。「青えんどう、砂糖、食塩」のみとなっております。ふうき豆とは、薄皮をむいた青えんどう豆を砂糖を加えて柔らかく炊き上げた、とてもシンプルで優しい味わいのお菓子、なのです。
保存料も入っていないので、賞味期間はわずか3日程度。七日町の大通りにひっそり佇む小さな店舗でのみ並べられていて、白い割烹着と白い頭巾のお姉さんたちが、注文を聞いて箱詰めしてくれます。
正式な食べ方、というのがあるのかどうかわかりませんが、私は昔から小皿に取り分けたものをスプーンで掬って食べるという食べ方で食べてきました。そうしたことも多少影響しているのでしょうか、少し明るめの緑色したこのお菓子は、ちょっと上品で、普段よりもちょっとスペシャルなお菓子、として(私の脳内で勝手に)位置付けられています。
同じく緑色したお菓子としては、山形には有名な「ずんだ餅(じんだん餅、ぬた餅)」という、枝豆をすりつぶした餡で食するお餅がありますが、こうしたグリーンカラーのお豆の食文化というのも、他地域ではあまり見かけることのない、山形らしいもののように思われます。ぜひ、ふうき豆でお茶の時間をゆっくりとお楽しみください。
reallocal山形ライター 那須ミノル
※シリーズ「やまがた手土産」は山形市在住のライター那須ミノルがじぶんの価値観に従ってセレクトした手土産たちの素敵なところを勝手にご紹介していくコーナーです。